この夏に懸ける高校生へ バドミントン松友美佐紀が伝えた「覚悟」という言葉の意味

7月14日、リオ五輪女子バドミントンペア金メダリストの松友美佐紀さんが、ポカリスエット「エールキャラバン2022」の講師として登場。インターハイ出場を控える高校生に向けて、講義を行った。

ポカリスエット「エールキャラバン2022」の講師として登場した松友美佐紀さん【写真:中戸川知世】

ポカリスエット「エールキャラバン2022」の講師として登場した松友美佐紀さん【写真:中戸川知世】

ポカリスエット「エールキャラバン2022」で徳島・城東高バドミントン部に講義

 7月14日、リオ五輪女子バドミントンペア金メダリストの松友美佐紀さんが、ポカリスエット「エールキャラバン2022」の講師として登場。インターハイ出場を控える高校生に向けて、講義を行った。

「エールキャラバン2022」は大塚製薬が2014年から展開し、インターハイ出場を決めた高校生に向けて実施。地元出身のアスリートによる特別授業、そして部活指導を行い、部活指導では高校生と一緒に体を動かし、実践的にレクチャーをする。

 今回授業を受けたのは、松友さんの地元・徳島の城東女子バトミントン部の15人。城東は今年、県総体で団体優勝、個人戦シングルス、ダブルスともに1~3位を独占。四国選手権でもダブルスで優勝を決めるなど、四国を代表する強豪校だ。

 今回の特別授業はオンラインで実施。モニターに松友さんが現れると、部員たちは緊張の面持ちで話に聞き入った。

 授業は松友さんの高校時代の話からスタート。松友さんは徳島県から全国でも有数のバドミントンの強豪校、聖ウルスラ学院英智(宮城)に進学。当時を振り返り、「他の誰にも負けたくない気持ちがとても強かった。インターハイ優勝も目標の一つでしたが、毎日、自分がうまく強くなることを一番の目標にしていました」と話した。

 そして高いモチベーションを持って試合に臨み、勝ち抜くために必要なことを問われ、「やっぱり、とにかく練習をすること」と熱を込めて語った。

「うまくいかないとき、勝てないときなど、逃げ出したくなることは誰にもたくさんあると思います。でも、大切なのは試合中に泣きそうになったり、心が折れそうになったりという場面で、踏ん張れるか、踏ん張れないかです。

 頑張ったからといって、必ずうまくいくわけではありませんが、何もしなければうまくいくことは絶対にありません。練習でやってきたことしか試合ではできない。ですから、試合本番までにどれだけ1日1日を積み重ねていけるが一番大切です。

 あとは自分のやってきたことを信じ、試合で全力を出し切るだけ。私はそういう気持ちで、毎日を過ごしています」

 続いては部員たちへのインタビュー。今年は、四国で行われるインターハイとあって、「今まで支えてくださった全ての人に感謝が伝わるようなプレーができるよう取り組んでいます」(笹尾さくらさん=3年)「社会人やOB、OGの方々に ヒッティングパートナーになってもらい、熱心なアドバイスをいただきました。緊張するとは思いますが、最後まで絶対に諦めずに勝ちにこだわりたい」(金澤志歩さん=1年)など、地元開催を控え、それぞれが想いを語った。

「地元開催では、身近な人にたくさん試合を観てもらえます。最後まで諦めないことが一番の恩返し」と、高校生の言葉に熱心に耳を傾けていた松友さん。「緊張ってたくさんの練習を積み上げるほどします。つまり、緊張感はインターハイに向けて頑張ってきた証。だからこそ、自分がやってきたことに自信を持って、緊張をどんどん乗り越えていかなきゃいけない。頑張ってください!」とエールを送った。

モニターを通じて城東女子バトミントン部の部員へアドバイスや質疑応答を行った【写真:中戸川知世】

モニターを通じて城東女子バトミントン部の部員へアドバイスや質疑応答を行った【写真:中戸川知世】

高校生から質問「リオ五輪決勝、最終セット16-19で何を考えていましたか?」

 ポカリスエットでの水分補給の時間を挟み、授業は質疑応答のコーナーへ。技術アドバイスに始まり、五輪のことから日々の心構えまで、15人の部員全員が積極的に質問。松友さんは一人ひとりに丁寧に答えていった。

――リオ五輪の決勝、(最終セットで)16対19で負けていたとき、すごく追い込まれていたと思います。あの時、何を考えて試合をしていましたか?

「あと2点取られたら負けだし、勝とうと思ったら、あと5得点するか先に30点とるかだと一瞬で考えました。どちらにしろ、試合は残り少ない。毎日、本当にたくさん練習してきましたし、ここまで来たら、自分が今までやってきたことを一つでも、1球でも出して、相手に1回でもオッ!? と思わせたいという気持ちが一番大きかったです」

――ダブルスの前衛にいるときは、プレー中、何を意識していますか?

「前衛にいるときだけではなく、私は試合中、常に相手との勝負を楽しんでいますし、勝負を恐れないで、常に自分から攻めていく、仕掛けていく気持ちがあります。

 長年プレーしていますが、1セットを21対0で勝ったことは、1回もありません。つまり、どんな試合でも点を取ったり取られたりするということ。自分がうまくいってないと怖くなり、ミスをしないようにと考えてしまうけれど、だからこそ、常に自分が仕掛けていける勇気を持って欲しい」

――先輩とダブルスを組んでいますが、失敗したときに申し訳ない気持ちになります。

「それは多分、先輩も思っていること。失敗しちゃうと“すいません”ってまず思うけれど、次のラリーに入るまでの間、ずっと申し訳ないと思っていても、何にも変わっていきません。

 失敗したことを気にするより、すぐに切り替えて、どうやって1点を取りに行くかを考えたらいいんじゃないかな。今はこういう感じでミスをしたから、次はこういうイメージでやってみようと、次の展開をたくさん考えられるようになれば、もっといろんなプレーのイメージも持てるようになる。パートナーと二人で頑張って!」

松友さんが城東女子バドミントン部に送ったエールの言葉の意味とは【写真:中戸川知世】

松友さんが城東女子バドミントン部に送ったエールの言葉の意味とは【写真:中戸川知世】

松友さんが送ったエールの言葉「覚悟」の意味

 その後は、松友さんを交えての記念撮影。今回、松友さんから城東女子バドミントン部に送られたエールの言葉は「覚悟」。記念撮影はその言葉をデザインした記念旗をバックに行われた。

「自分がやると決めたことに挑戦し続け、達成するには、“絶対にやりきる”という覚悟を自分の中にしっかり持っておかないといけません。

 例えば、『今日は疲れたし、もう(練習は)いいかな』と1回でも楽な方に行ってしまうと、後で『次は頑張ろう』と思っても、絶対に戻ってこられません。私は後から『やっぱりやっておけばよかったな』と思いたくない。だから、覚悟の気持ちを持ってバドミントンに取り組んでいます。

 私はいつバドミントンができなくなっても、好きなことができなくなっても後悔しないように1日1日を大切に過ごしています。昔も、多分これからも、それは変わらないと思います」と“覚悟”の言葉に込めた想いを語った。

 授業の最後は生徒を代表し、キャプテンの林真央さん(3年)が挨拶。「技術面、精神面ともに、まだ練習で改善できる面があります。本番でより良い成績が残せるよう頑張ります」と、松友さんへ意気込みと感謝の言葉を送った。

 終了後、最後の生徒が退出するまで手を振って送り出す松友さんに向かい、照れたように、小さく手を振りながら去っていく生徒も。松友さんは9月、改めて現地で高校生たちに指導を行う。

(THE ANSWER編集部)

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