香ケ丘リベルテ、選抜準Vの桜丘下し4強入り 勝因は胸に刻んだ「オオカミの口の中へ」

全国高校総体(インターハイ)卓球競技の2日目、女子学校対抗の準々決勝4試合が14日に行われ、前人未到の8連覇を目指す四天王寺、就実、明徳義塾、香ケ丘リベルテがベスト4に進出した。

卓球女子学校対抗の準々決勝で香ケ丘リベルテが桜丘を下した【写真:山田智子】

卓球女子学校対抗の準々決勝で香ケ丘リベルテが桜丘を下した【写真:山田智子】

全国高校総体・卓球、女子学校対抗は4強が出揃う

 全国高校総体(インターハイ)卓球競技の2日目、女子学校対抗の準々決勝4試合が14日に行われ、前人未到の8連覇を目指す四天王寺、就実、明徳義塾、香ケ丘リベルテがベスト4に進出した。

 選抜大会準優勝の桜丘とTリーガー・赤江夏星を擁する香ケ丘リベルテが激突した注目の一戦は、香ケ丘リベルテが3-0のストレートで勝利。1、2、3番ともに苦しみながらも逆転した展開に、香ケ丘リベルテの近藤功成監督は「選手たちの『何かが変わったな』と感じました。最後は選手たちが自分たちで考えて戦っていた。個性が強い4人ですけど、同じ方向を向けばすごくいい試合ができるんだとあらためて感じました。勝ったあとの笑顔や頑張っている姿は、大阪府大会、近畿大会通して、今までで一番です」と選手の成長に目を細めた。

 香ケ丘リベルテの選手たちは、元日本代表女子監督の村上恭和氏が総監督を務めるジュニアアシスト卓球アカデミーで研鑽を積んでおり、赤江、由本楓羽は村上氏が監督を務めるTリーグ・日本生命レッドエルフにも所属している。インターハイに臨むにあたり、村上氏からは「オオカミの口の中へ」という励ましの言葉を贈られたという。

「『オオカミと普通に戦ったら負けるけど、口の中に入るくらいの覚悟で、思い切って楽しんでほしい』という言葉をいただいたんですが、昨日も、今日の朝の試合も、どうしても消極的というか、やりきれてないところがありました。でも、今の試合は赤江もそうですし、2番の村上(宝)、ダブルスの司(千莉)も、全員が向かっていく気持ちで、まさに挑戦者としていい雰囲気で試合ができた。そこが大きかったと思います」

 近藤監督は挑戦者の気持ちで立ち向かえたことが勝因だったと振り返った。

 1番シングルスで野村光とのエース対決に勝利した赤江も、「オーダーを見て、野村選手は苦手なので、めっちゃ緊張していて。1セット目を取られたんですけど、それで吹っ切れたじゃないですけど、笑顔を作ったり、今まで自分がやってきたことを思い出して、自分に勝てると言い聞かせました。挑戦者として、自分のプレーができたことが勝ちにつながりました」と近藤監督と同じく、挑戦者の気持ちでプレーしたことがカギだったと語る。

ダブルスでは赤江・司が見事な逆転勝利【写真:山田智子】

ダブルスでは赤江・司が見事な逆転勝利【写真:山田智子】

逆転勝利をつかんだ分析力とチーム力

 1番の赤江が作った流れを、2番の村上が1-2からの逆転勝利でつなぐ。だが、3番のダブルス(赤江・司vs野村・小林)はあっさり2セットを連取されてしまう。

 しかしそこかから、赤江を中心にチームは大きな成長を見せる。「僕も0-2から挽回すると思っていなかったので、少しびっくりしているんですけど」と近藤監督の予想を超える粘りを見せて、何度もマッチポイントを握られながら3セット目を奪い取ると、4、5セットは完全に香ケ丘リベルテの流れだった。

 ダブルスでの見事な逆転劇を赤江はこう振り返る。

「1、2セット目は何をしたらいいか分からなくて、自分たちのいい展開を見つけることができなかった。司さんのドライブを(桜丘の)小林(りんご)選手がカットしてきたときに、それを自分が全く打てなくて。その展開ではダメだと思ったので、司さんにドライブじゃなく、ツッツキで返してもらって、自分が打つ形にしようと思ったんですけど、それでは司さんの良さを封じてしまうので、迷っていました」

 3セット目からは「ビビってやっていても勝てない相手なので、それこそ開き直りじゃないですけど……」と気持ちを切り替えた。「司さんは一発に威力があるので、『守らずに、思い切って打っていいよ』と話しました。最後は自分たちがノリにノレて、お互いのドライブが全部入り始めた。自分たちの展開を見つけて、しっかり勝ちきれたのは大きかったです」と笑顔を一層輝かせた。

 4人という最も少ない登録数で戦う香ケ丘リベルテだが、苦しい展開の中でも4人で声を掛け合い、笑顔でプレーする選手の姿が印象的だった。

「司さんは1年生なので、シングルスとダブルスの2セット出るのはしんどいと思うんです。だからミスしても『大丈夫、大丈夫』と自分が支えようと考えています。ベンチの人数も少ないですが、1人でも盛大に盛り上げて。試合をしている人も自分で盛り上がったり、笑顔を作ったりして、モチベーションを上げる感じで。4人で助け合っています」

 さらに赤江は、そうしたチームプレーを通して、自分自身のメンタル面での成長を感じていると話す。「今まではエースとして『負けたらどうしよう』と気負ってしまうこところがあって、団体戦は苦手だったんですけど、この大会で『負けても、他が勝ってくれる』『自分が勝っていい流れを作ろう』とポジティブに考えられるようになりました」。

 今大会の目標は「挑戦者なので、1戦1戦頑張っていくこと」と近藤監督は控えめだが、赤江は「団体は優勝、シングルも優勝して2冠」と力強く宣言。7連覇中の“オオカミ”を倒すためには、思い切りと楽しむことが不可欠だ。(山田 智子 / Tomoko Yamada)

山田 智子
愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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