遠藤航が考えるサッカー日本代表の「生命線」。リバプールでの経験がもたらす影響「蹴ってくる相手に対して…」

【写真:Getty Images】

●「勝っていた時は…」「それが生命線」

 サッカー日本代表は21日、FIFAワールドカップ26アジア2次予選で北朝鮮代表と対戦する。AFCアジアカップ2023後初の試合で、日本代表はどのようなパフォーマンスを見せるのか。キャプテンの遠藤航は、日本代表の良さについて言及している。

「1つの区切りではあると思いますね。間違いなく。アジアカップが終わって、またワールドカップに向けて準備が始まるところなので、1個1個とにかく勝っていこうというイメージはします」

 失意のアジアカップ敗退から1か月半、FIFAワールドカップ26出場を目指す戦いが再開する。1つの議題となるのが、アジアカップでの苦戦につながったロングボールへの対応だろう。遠藤はこれまでの戦いから、日本代表の良さを改めて挙げる。

「アジアカップ前に勝っていた試合は、しっかりコンパクトにした中で、出所にしっかりいきながら、いい状態で蹴らせない。それが生命線でもあると思うので、守備をするうえではすごく大事なのかなと思う」

 ロングボールを競り合うDF陣へフォーカスが当たりがちだが、まずはロングボールを自由に蹴らせないことが大事だと遠藤は指摘する。ボールホルダーにプレッシャーがかかっていなければ、FWへ精度の高いロングパスが通る確率は高くなり、セカンドボールを拾われるリスクも高くなる。相手がロングボールを多用してくることも少なくないリバプールのアンカーとして信頼を勝ち取った遠藤だからこその説得力のある言葉だ。

 さらに遠藤はこう続ける。

●「相方との距離感だったり、補完作業がボランチは大事だなと思う」

「蹴ってくるからと言って、後ろ向きのプレー選択を続けてしまうと、結果的に相手からすると自分たちのゴールに近いところでサッカーを続けさせてしまうことになる。蹴ってくる相手に対して、いかに前向きなプレー選択ができるかというのは、攻守において大事なのかなと思う」

 ディフェンスラインが相手のロングボールを警戒してラインを安易に下げてしまうと、相手はどんどん押し込んでくる。すると、最終ラインと前線の距離も生まれ、全体が間延びしてしまい、中盤にスペースが生まれる。結果的に遠藤や守田といったデュエルに強い選手の特徴が活きなくなってしまうというのが、アジアカップで生まれた悪循環だった。

 中盤で遠藤の相方になる守田も、同じような認識を持っているようだ。「航とは分かり合っているので、僕たちが補完しながら守備を堅く、真ん中でセカンドボールを拾ってリカバーしてみたいな」とイメージを膨らませる。「相方との距離感だったり、補完作業がボランチは大事だなと思う」とも述べている。

 何より、リバプールで活躍する遠藤が日本代表に与える影響は大きい。遠藤も「キャプテンとしてはもちろん、プレーで見せていくところは、結果的に周りを引っ張るという意味でもまあまあ大事だと思っている。リバプールの中心としてパフォーマンスを出していくことが、この日本代表にとっては一番かなと思います」と言う。

 北朝鮮代表への警戒もしているが、「我慢する時間もあると思いますが、その意識が常に前向きであることが結果的に勝つ確率を上げる要因になっていく」と言う。情報も少なく、一筋縄ではいかない相手になりそうだが、遠藤を中心として粘り強く勝機を手繰り寄せることができれば、北朝鮮代表との2連戦で勝ち点6を持ち帰ることもできるはずだ。

(取材・文:加藤健一

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