未来のサッカー日本代表も!? Jリーグ注目の高卒ルーキー5人。大いなる可能性を秘めた逸材たち

【写真:Getty Images】

●FW:郡司璃来(ぐんじ・りく)

 いよいよ、明治安田Jリーグの2024シーズンが始まる。注目のひとつは新加入選手だ。国内移籍した実力者や助っ人外国人はもちろんのこと、大いなる可能性を秘めた高卒選手からも目が離せない。今回は、2024シーズンに注目したい高卒ルーキーを5人紹介する。
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生年月日:2005年8月3日
所属クラブ:清水エスパルス
出身高校:市立船橋高校

 郡司璃来は名門・市立船橋高校の中でもひときわ異彩を放つ選手だ。2年次に早くも10番を背負うと、3年生で迎えた全国高校サッカー選手権大会・千葉県予選決勝ではハットトリックを記録し、本大会でも5得点をマーク。大会得点王に輝き、チームをベスト4へ導いた。

 郡司の魅力は何といってもドリブルだ。味方のサポートがなく数的不利な局面でも一人で相手守備陣を翻弄し、シュートまでもっていってしまう。スペースを見つけると一瞬でトップスピードに乗り相手DFを置き去りにするため、追いつくのさえ困難だ。

 体の強さも彼の長所のひとつだ。相手が体を寄せても、郡司はよろめくどころか逆に相手を払いのけて前進し続ける。体勢が崩れないため空中戦にも強く、ヘディングでの得点も大いに期待できる。

 郡司が加入する清水エスパルスには元日本代表の乾貴士がいる。世界を相手に戦ったドリブラーの背中を追いかけ、郡司は1年目から頭角を現すことができるだろうか。

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●MF:安齋悠人(あんざい・ゆうと)
生年月日:2005年4月25日
所属クラブ:京都サンガF.C.
出身高校:尚志高校

 安齋悠人は「ネクスト・三笘薫」にふさわしい逸材だ。安齋は尚志高校在学時に3年連続で全国高校サッカー選手権大会に出場。3年次にはインターハイで尚志のベスト8に貢献し、優秀選手賞を受賞した。昨年6月にはU-19日本代表に選出されており、今後の活躍がより一層期待されている。

 そんな同選手の武器はドリブルにあり、その技術は他の選手と一線を画している。主に左サイドでプレーする安齋は、細かいタッチで十分に相手をひきつけたあと縦に仕掛け、相手DFを一気にはがす。さらに、敵陣深くまで切り込み、最後には効果的なマイナスのパスで味方のゴールをお膳立てする。ペナルティーボックス内でも止まらない安齋の縦のドリブルは、三笘のそれを彷彿とさせる。

 しかし、彼はドリブルだけの選手ではない。相手が縦を警戒しているとわかれば、鋭いカットインから狙い澄ましたコントロールショットでゴールを脅かすため、相手にとっては少しの油断も許されない。

 安齋は2024シーズンより京都サンガF.C.でプレーする。いきなりJ1の舞台でのプレーとなるが、安齋のドリブルをもってすれば今シーズン中にもリーグ戦でそのプレーを見ることができるかもしれない。

●MF:碇明日麻(いかり・あすま)
生年月日:2005年7日27日
所属クラブ:水戸ホーリーホック
出身高校:大津高校

 碇明日麻は、ピッチ上のどこにいても存在感を発揮できる選手だ。2021年から3年連続で出場した全国高校サッカー選手権大会では、1年次に34分の出場にも関わらず2得点を記録し、チームの大会準優勝に貢献。2年次ではCBとして大津高校の最終ラインを支えた。そして3年次にはキャプテンとして中盤や前線でプレーし、全国大会に出場したチームの原動力となっている。

 碇は長い手足を活かしたディフェンスや、チャンスに直結するようなパスを供給できる視野の広さなど、数々の魅力を持つが、最大の武器は187cmの長身から繰り出されるヘディングだ。この能力に関しては早くもプロの世界で脅威となる可能性がある。

 ただパワーがあるだけでなく、滞空時間の長さや精度も持ち合わせている。高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグWESTでは持ち前のヘディングを武器に20得点をマークし得点ランキングトップを独走。第6節横浜FCU-18戦では頭だけでハットトリックを記録し、空中戦の強さを見せつけた。

 2023年7月に水戸ホーリーホックへの加入が内定した碇。攻撃的にも守備的にも働ける選手なだけに、起用法含め幅広い可能性を見せてくれるだろう。J1昇格を目指す水戸に新たな風を吹き込むか。

●DF:梅木怜(うめき・れい)
生年月日:2005年8月25日
所属クラブ:FC今治
出身高校:帝京高校

 J2昇格を目指すFC今治に楽しみな若手が入った。それがDF梅木怜だ。2022年にはインターハイで全6試合に出場し、名門・帝京高校の準優勝に大きく貢献。昨年はU-18日本代表にも選ばれており、今後の日本サッカーを担う可能性を秘めている。

 171cmとDFとしてはかなり小柄な梅木だが、彼にはその弱点を補って余りある足の速さと足元の能力がある。裏に抜けた選手にいち早く追いつくと、正確な予測に基づいた果敢なタックルでボールと相手の間に体をねじ込み、反撃の芽を摘む。何度もしつこく体を寄せてボールを奪おうとするため、相手としては厄介なDFだろう。

 ただ、ボールを奪った後こそ梅木の真骨頂だ。FWの選手だったこともあり、安易にボールを蹴らずドリブルで運ぶことができる。足の速さも相まって、前線の選手顔負けのドリブルを見せる。時には相手ボックス内まで前進することもあり、ただのDFと甘く見てはいけない選手だ。

 梅木は2年次に、同校の横山夢樹と共にFC今治への加入が内定した。U-18日本代表ではSBとして出場しており、今治でも同ポジションでのプレーが有力視されている。同じくFWからSBに転向した選手には現日本代表の毎熊晟矢がいるが、毎熊のような攻撃的SBになれるか、今後の活躍に注目だ。

●FW:西丸道人(にしまる・みんと)
生年月日:2005年6月15日
所属クラブ:ベガルタ仙台
出身高校:神村学園

 西丸道人は2年次に出場した全国高校サッカー選手権大会で2ゴールを挙げ、神村学園の準決勝進出の一因となった。同大会で一躍脚光を浴びた西丸はその後、現在は海外で活躍する福田師王から13番を、現セレッソ大阪の大迫塁からキャプテンマークを継承し、大黒柱として大きな重圧を背負いながらも、自身3度目となる全国高校サッカー選手権大会でチームをベスト8まで押し上げた。

 西丸のストライカーとしての能力は、福田に勝るとも劣らない。抜群の動き出しでフリーの状況を作り出し一発で決めきる能力はもちろんのこと、ときには中盤まで降りてきてチャンスメイクの役割も果たす。サイドに流れた場面でもタメを作って逆サイドに展開したり、正確なクロスで味方にアシストしたり、視野の広い万能型のストライカーだ。

 西丸は昨年9月にベガルタ仙台への加入が内定。神村学園で幾度となく見せてきたFWとしての類まれな能力をJリーグの舞台でも発揮し、1年目から活躍することができるか注目だ。

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