まるで別人? なぜかフランス代表で輝けなかった名手5人。居場所を築けなかった実力者たち
●DF:アイメリク・ラポルテ(マンチェスター・シティ)
フランス代表にはどのポジションを切り取っても世界トップクラスのタレントと選手層を擁している。しかし、中には所属クラブでのような活躍が出来ず、代表では輝けない選手も少なくない。そこで今回は、選手層が厚すぎるがゆえにフランス代表で活躍できなかった5人の選手を紹介する。
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生年月日:1994年5月27日
フランス代表成績:なし
ジョゼップ・グアルディオラが「世界最高の左利きCB」と評価したアイメリク・ラポルテだが、なぜかフランス代表では試合に出場することができなかった。フランス出身だがバスク地方のバイヨンヌで育ったこともあり、アスレティック・ビルバオの下部組織に入団。2012/13シーズンにプロデビューを飾り、翌2013/14シーズンには当時19歳ながらラ・リーガのベストイレブンに選出された。
スペイン国内で注目を集めたラポルテ獲得の争奪戦を制したのは、グアルディオラ率いるマンチェスター・シティだった。2018/19シーズンは不動の左CBとしてプレミアリーグ制覇に大きく貢献。リーグの年間ベストイレブンにも選出。2019/20シーズンと2020/2021シーズンは負傷に悩まされ、マヌエル・アカンジが加入した今季は序列を下げている。
19歳でラ・リーガのベストイレブンに選出されるなど若い頃からポテンシャルを発揮していたラポルテ。フランスU-21代表では主将を務めるなど同年代の選手を引っ張る存在だった。しかし、A代表には彼の居場所がなかった。ケガによる辞退を含めると3度招集されているが、試合に出場することはできず、2021年6月に国籍をスペインへと変更。現在はスペイン代表不動のCBとして最終ラインに統率している。
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●GK:セバスティアン・フレイ
生年月日:1980年3月18日
フランス代表成績:2試合2失点
セリエAで大成功したフランス人選手の1人であるセバスティアン・フレイ。インテルで47試合、パルマで159試合、フィオレンティーナで218試合と強豪クラブで長年に渡って正GKを務めた。
当時のセリエAにはジャンルイジ・ブッフォンやジーダ、ジュリオ・セーザルといった世界トップクラスのGKがいたため目立つ存在ではなかったが、外国籍GKでは史上2番目に多い446試合に出場したということが彼の実力を物語っている。
セリエAで活躍していたのにも関わらず、フランス代表にはなかなか呼ばれなかったフレイ。デビューを飾ったのは27歳となった2007年11月と彼のキャリアを考えると遅すぎる初出場だった。しかし、レイモン・ドメネク監督体制では序列が上がらず、グレゴリー・クーペ、スティーヴ・マンダンダに次ぐ3番手GKとしてユーロ2008(欧州選手権)に帯同した。しかし、出場機会が少なかったことで代表の首脳陣との間に確執が生まれ、代表デビューから1年も経たないユーロ2008終了後の8月に代表引退を表明した。
●MF:ダヴィド・ジノラ
生年月日:1967年1月25日
フランス代表成績:18試合3得点6アシスト
端正な顔立ちや華麗なプレーで多くのサポーターの心を掴んだダヴィド・ジノラ。イギリスの雑誌『ワールドサッカー』が選出する「20世紀の偉大なサッカー選手100人」では62位に選出されている。
92年から所属したパリ・サンジェルマン(PSG)で活躍し、フランス代表でも主軸に定着したジノラ。しかし、93年に行われたワールドカップ予選最終節ブルガリア戦で「パリの悲劇」とも呼ばれる事件が起こる。このまま引き分ければフランスのワールドカップ出場が決まるという試合終了間際、相手陣内でボールを受けたジノラは時間稼ぎをせず、不用意なクロスを上げた結果、相手に奪われ、カウンターから痛恨の失点。ジノラの判断ミスが原因でフランスは2大会連続でワールドカップ出場を逃したのだった。
このプレーが原因で監督やサポーターから大非難を浴びたジノラ。これらから逃げるためにイングランドのニューカッスルへと移籍する。トッテナムに所属していた1998/99シーズンにはリーグカップ制覇に貢献し、プレミアリーグ年間最優秀選手賞など多くの個人タイトルを獲得した。プレミアリーグでは大成功を収めた一方、フランス代表には95年を最後に招集されることはなかった。
●DF:シルヴァン・ディスタン
生年月日:1977年12月16日
フランス代表成績:なし
約15年間プレミアリーグで活躍したシルヴァン・ディスタンだが、キャリアを通じてフランス代表とは全く縁がなかった。育成の名門パリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織出身で、23歳の年に活躍の場をイングランドへと移した。02年夏から5年間プレーしたマンチェスター・シティと07年夏から2年間プレーしたポーツマスでは主将も務めた。
ディスタンの長いキャリアの中で最も多くの時間を過ごしたクラブがエバートンだ。マンチェスター・シティへと移籍したジュリオン・レスコットの後釜として09年夏に加入するとすぐにレギュラーに定着。デイビッド・モイーズ、ロベルト・マルティネス両監督の下でフィル・ジャギエルカと共に堅守を築いた。
ボーンマスでプレーした2015/16シーズン限りで現役を引退。プレミアリーグ通算469試合出場はフランス人史上最多の出場試合数であり、英国系ではない外国籍のフィールドプレイヤーという枠組みでも歴代1位の記録である。しかし、フランス代表には招集されず。プレミアリーグでこれだけの試合に出場したのにも関わらず、1度もレ・ブルー(フランス代表の愛称)のユニフォームを着ないままキャリアを終えたのだった。
●FW:アレクサンドル・ラカゼット(リヨン)
生年月日:1991年5月28日
フランス代表成績:16試合3得点1アシスト
キリアン・ムバッペ、カリム・ベンゼマ、オリビエ・ジルー…。世界トップクラスの選手層を誇るフランス代表のストライカーのポジション争いにアレクサンドル・ラカゼットは割って入ることができていない。
ラカゼットはリヨンに所属していた2014/15シーズンにリーグ・アンの得点王とリーグ最優秀選手賞を受賞。ナビル・フェキルと共に攻撃陣を牽引し、リーグ・アンでは通算203試合で100ゴールと得点を量産した。2017年夏にアーセナルへと移籍して以降も4シーズン連続で二桁ゴールとコンスタントに得点を重ねた。21/22シーズン限りでアーセナルを退団し、昨夏古巣リヨンに復帰することとなった。
リーグ・アン得点王を獲得した2014/15シーズン期間中には、フランス代表で6試合に出場するなど多くの出番を得たラカゼット。しかし、主軸に定着することはできず、2017年11月を最後にフランス代表から遠ざかっている。また、ユーロ(欧州選手権)やワールドカップなどの国際大会には1度も招集された経験がない。
06/11 06:00
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