家本政明が“レフェリー目線”で分析 「超一流」「ドキドキする存在」川崎のキーマン3選手は?

川崎MF家長昭博、DF谷口彰悟、FWレアンドロ・ダミアン【写真:高橋 学】

川崎MF家長昭博、DF谷口彰悟、FWレアンドロ・ダミアン【写真:高橋 学】

【専門家の目|家本政明】神奈川ダービーへ、川崎のキーマン3選手を指名

 スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Jリーグ ジャッジリプレイ」でも活躍する元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本氏は、8月7日のJ1リーグ第24節の川崎フロンターレ横浜F・マリノス戦で「家本政明LABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する。注目の“神奈川ダービー”に向けて、川崎から3選手をキーマンとしてピックアップした家本氏は、各選手をレフェリー目線で分析している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 2月23日に日産スタジアムで行われたJ1リーグ第9節の横浜FM対川崎。FW家長昭博とFW知念慶とゴールを決めた川崎だったが、FWエウベルとFW仲川輝人にそれぞれ2ゴールを叩き込まれ、神奈川ダービーで2-4と敗れた。今月7日、ホーム・等々力陸上競技場でリベンジを誓う5位・川崎は、首位・横浜FMを迎え撃つ。

 家本氏は川崎のキーマンとして3選手を指名。真っ先に挙げたのは、7月のE-1選手権で日本代表のキャプテンを務め、チームでもキャプテンマークを巻くDF谷口彰悟だ。今季リーグ戦20試合に出場し、2ゴール2アシストと攻守両面で輝きを放つ。

「最近のパフォーマンスを見ると外せない。キャプテンであり、守備の要であり、チームの統率役も担っている。そして男も惚れるようなかっこよさも漂わせている。ただ、彼があまりに目立ちすぎる展開だと、フロンターレにとっては危険な時間帯が続いている可能性が高い。とはいえ、チームの柱として谷口選手のパフォーマンスが重要なのは間違いない」

 また家本氏は「家長選手も外せない」と語り、今季リーグ戦21試合に出場し、チーム最多6ゴール(1アシスト)をマークしているMF家長昭博の名前も挙げた。

「得点力や強靱なフィジカルに加え、流れを作ってゲームも動かせる選手。ポーカーフェイスと言うべきか、常に冷静なのも凄い点。どんな状況でも、自分のやるべきことを淡々とやり続けているのは一流選手の証だ。また、手や腕の使い方が超一流。競技規則では、過度に手や腕を使えばファウルになるケースもあるが、彼の場合は相手と距離を作る使い方が抜群。これは彼のテクニックだが、上手くスペースを作りながら相手と入れ替わったりする」

 レフェリー目線での家長については、「本来ならファウルになりそうな激しい当たりでも耐える時がある一方、あっさり倒れるケースもあり、そんな時は主審のほうをちらっと見て『どう?』という顔をすることがある」と指摘。家本氏は当時を回想しつつ、「ファウルを取らなくても、『そっか』という感じで冷静沈着。これで取らないなら次どうしようか、とすぐ切り替えるし、そういう意味でも非常にクレバーな印象」と称賛した。

家本政明氏【写真:FOOTBALL ZONE】

家本政明氏【写真:FOOTBALL ZONE】

L・ダミアンと横浜FMの攻防に注目、「ある程度の激しさを許容」もポイント

 また元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンもキーマンに挙げる家本氏は、「高さがあってヘディングに強く、足元も巧み。総合的な技術が高く、どこからどんな形でも点が取れるザ・ストライカー」と言及する。

 今季リーグ戦21試合出場で4ゴール1アシストに留まっているものの、昨季は23ゴールで得点王に輝いたL・ダミアンの実力は折り紙付き。「来日当初は、フロンターレのスタイルにどんな形でフィットするのか興味深く見ていた。彼がゴール前にいるだけで相手は怖いだろうし、レフェリー目線でもゴールの匂いが常にするのでドキドキする存在だった」
と評している。

 レフェリー時代の家本氏は、L・ダミアンの怪我をしないタックルの受け方に舌を巻いたという。

「ポジション取りも上手く、必然的に相手から受けるファウル数も多くなるが、これは警戒されているので仕方ない面もある。激しいタックルを受けることもあるが、ダミアン選手は怪我をしないコンタクトの仕方をしているので、レフェリー目線でも怪我の怖さというのはさほど感じない選手だった。また、レフェリーともやり取りするタイプで、簡単なポルトガル語でコミュニケーションを図っていた」

 そんなL・ダミアンと横浜FMの攻防に注目する家本氏は、ゲームの魅力を損なわない範囲でどこまで激しさを許容するか、というレフェリー目線でのポイントも挙げている。

「レフェリーとしては選手の怪我が怖いし、激しい攻防で選手が過度なストレスを溜めるのも避けたい。とはいえ、ファウルを取りすぎれば、球際で強さを発揮する選手の良さが消えてしまう。ある程度の激しさを許容し、ゲームを続けさせることで、球際の強さを持った選手の特徴が生きてくる。どのタイミングで笛を吹くか吹かないか、それは自分が現役時代も意識していたポイント。マリノス戦でも、ダミアンとマリノス側の攻防は勝負を分けるポイントの1つになると思う」

 首位・横浜FMを追いかける川崎。神奈川ダービーを制し、後半戦で猛追態勢を築けるか注目が集まる。(FOOTBALL ZONE編集部)

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