上田綺世“不在”のE-1選手権、難航のFW選考はどうなる? 実績ある有力候補5人と“サプライズ枠”に注目

【写真:高橋 学 & 小林 靖 & 徳原隆元】

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【識者の目】エース候補の上田がベルギーへ移籍…メンバー発表の行方は?

 E-1選手権まであと10日ほどに迫った。気になるメンバー選考だが、もっとも難しくなりそうなのがFWだ。ここまでJ1で10得点を記録し、今大会のエース候補として期待された上田綺世のベルギー(サークル・ブルージュ)移籍が選考を非常に難しくしており、FWに関しては候補がかなり限られてきていることを森保一監督も認める。

 さらに日本人FWで上田に次ぐ8得点するなど、森保一監督も高評価をあげていた町野修斗(湘南ベルマーレ)が第19節の名古屋戦で終盤に足を痛めて、そのまま退場した。ガンバ大阪戦もベンチ外となっており、7月13日にメンバー発表が予定されるE-1選手権での招集はかなり難しいとみられる。

 そうした状況にあって、やはりもっとも有力視される選手は鈴木優磨(鹿島アントラーズ)だろう。ここまで7得点だが、上田綺世よりも広域に動いてチャンスメイクに関わりながらの結果で、上田も鈴木のサポートでゴール前の仕事に専念させてもらったことが得点チャンスにつながっていることを認めていた。何よりリーダーシップがあるので、欧州組がいない今回の代表で優勝を目指すにはうってつけだ。

 西村拓真(横浜F・マリノス)はFWと言っても1トップに張るタイプではないが、豊富な運動量とゴールに入って行く鋭さは非常に魅力的だ。上記の町野と同じ8得点しているが、トップ下のポジションから幅広く攻撃に絡んでおり、仮に鈴木優磨と縦の2トップのような形が組めたら、国際舞台でもかなり面白いのではないか。

 細谷真大(柏レイソル)は20歳ながらエース級のFWとして、最前線から柏を牽引している。森保監督はU-23アジアカップに出場したパリ五輪世代からも何人か選ぶことを明言しているが、その1人が細谷になる可能性はかなり高いだろう。身長177センチと大きくはないが、パワーとスピードを兼ね備えており、高速ドリブルからゴールを決め切ることもできる。鈴木や西村ともまた違ったタイプで、選ばれれば組み合わせが楽しみだ。

 武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)は前回のワールドカップ(W杯)メンバーであり、大会前に30歳を迎える年齢的にも、本来なら今回招集する必要性はない。しかし、森保ジャパンのラージファミリーに入る選手でありながら、怪我で代表活動から遠ざかっていることを考えると、鳥栖戦で2得点を決めるなど、残留争いの渦中でも奮闘が目立つアタッカーを前線の柱として呼ぶ可能性は十分にある。

 満田誠(サンフレッチェ広島)はリーグ戦で5得点を記録しており、前からの守備、飛び出し、仕掛けなど、ゴールに対して直線的な仕事ができる気鋭のアタッカーだ。現在、広島では3-4-2-1のシャドーのポジションを担っているが、2トップやサイドでもプレーできる素地はある。大きな枠で言うと古橋亨梧のような万能性があり、しかもオンオフの推進力でスペシャルなものを出せる。

 以上、有力候補はこの5人だ。純粋なFWではないが、細谷と同じくU-23アジアカップでの活躍を考えれば、鈴木唯人(清水エスパルス)もここに加えるべきだろう。しかし、清水で帰国後の公式戦はベンチメンバーから外れている。理由は定かではないが、このまま週末の名古屋戦にも出ないようであれば、招集が見送られるのではないか。

サプライズ枠として注目されるのが福岡FW山岸や鳥栖の大型FW垣田ら

 ここからはサプライズの要素が強くなるが、注目タレントとしてあげたいのは山岸祐也(アビスパ福岡)だ。ポストプレーも裏抜けもできる選手で、ディフェンスを背負いながら正確にボールをコントロールできる。格闘家を思わせる体格ながらスピードもあり、水曜日に行われた磐田戦の決勝点ように、一瞬の隙を見てゴールを仕留める抜け目なさも強みだ。

 大型FWという意味では垣田裕暉(サガン鳥栖)も名前をあげておくべきタレントだ。ペナルティーエリアで勝負できる本格派のストライカーであり、今の日本代表にないクロスからの得点力を加えることができる。一時期、なかなか鳥栖の主力として試合に絡めない時期はあったが、第18節のFC東京戦で2ゴールを決めて、神戸戦にフル出場した。ただ、鳥栖はチーム内に陽性者が多く出た関係で川崎戦が中止となり、その後も活動も気になるところだ。

 そのほか現役大学生ながら柏とプロ契約し、ここまで4得点している大型FWの森海渡や久保建英と同世代で、アンダー代表にも招集されていた山田寛人(セレッソ大阪)、追加招集でU-23アジアカップに参加した中島大嘉(北海道コンサドーレ札幌)は今後の成長次第で代表候補になってきてもおかしくないタレントだが、今回はFW注目株として名前をあげるに留めておく。(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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