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Jリーグ新天地移籍組「飛躍を遂げそうな10人」 “川崎の大砲”に注目、個人昇格MFが古橋亨梧級の大ブレイク!?

新天地での活躍が期待される選手たち【写真:Getty Images】

新天地での活躍が期待される選手たち【写真:Getty Images】

【識者コラム】新たなクラブで飛躍を遂げそうなプレーヤー10人を独自選出

 Jリーグの各クラブはこのオフ、2022年シーズンに向けた補強を実行。新チームが始動しつつあるなか、新たなクラブで飛躍を遂げそうなプレーヤーは果たして誰か。新天地移籍組の中から「飛躍を遂げそうな10人」独自にピックアップして紹介する。

【1】杉本健勇(29歳)
(ジュビロ磐田←[横浜F・マリノス→]浦和レッズ/FW/レンタル移籍)
昨季リーグ成績(J1):11試合3得点(横浜FM)/16試合2得点(浦和)

 杉本はこの移籍が「ラストチャンスだと思っている」と明言。それはプロ選手としてのラストチャンスという意味ではなく、トップ選手であり続けること、そして日本代表への復帰だ。今回の移籍に際して、磐田の強化部ともそのことを強く確認したという。FWルキアン(→アビスパ福岡)と比較されることは「何とも思っていない」というが、数字に関しては50ゴールと冗談で言った後に15ゴールと、十分に到達可能な目標を挙げた。

 昨年、浦和からのレンタル先である横浜FMでは、ボックス内のプレーが増え、決定的なシーンにも顔を出すようになったが、「チャンスを多く逃した」と本人は反省点を口にしている。新シーズンでは、プレーの質をどこまで磨けるかが見どころ。磐田にはMF遠藤保仁をはじめ多くのパサーがおり、正確なクロスだけでなく相手ディフェンスの裏へラストパスも出てくるだけに「しっかりと生かしていきたい」と語る。

 11月で、ちょうど30歳になるシーズン。ガンバ大阪のFW宇佐美貴史など同期の選手もキャリアのピークを迎えてきているが、杉本は再飛躍するのか、それとも、転げ落ちてしまうのか。磐田の浮沈に加えて、代表への復帰を果たせるかという目線でも注目したい。

【2】瀬川祐輔(27歳)
(湘南ベルマーレ←柏レイソル/FW/完全移籍)
昨季リーグ成績(J1):18試合2得点

 FWオルンガ(アル・ドゥハイルSC)、FW江坂任(浦和レッズ)、FWクリスティアーノ(V・ファーレン長崎)とともに、前線を牽引したカルテットの1人だが、昨シーズンは途中出場を含む18試合の出場で、2得点1アシストにとどまった。個人能力に疑いの余地はなく、湘南スタイルにどこまでフィットするかに尽きる。アウトサイドでもプレー可能だが、2トップの一角から鋭い動き出しでゴールに向かって行くはずだ。

 2019年にはJ2で11アシストを記録するなど、周りを生かすセンスも非凡なものがある。スイスから復帰したFW若月大和(←FCシオン)、さらなる成長へ期待がかかるFW根本凌など、前線との相乗効果もありそうだ。新体制発表会では具体的な数字は決めていないとしながらも「キャリアハイを狙いたい」と語り、2018年の9得点を上回る二桁得点が目標になる。それだけの結果を残せれば、湘南の上位躍進も現実味が出てきそうだ。

伸びしろ十分のDFエンリケ・トレヴィザン、期待値は十分の新戦力

【3】エンリケ・トレヴィザン(24歳)
(FC東京←大分トリニータ/DF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J1):38試合2得点

 大分の天皇杯準優勝メンバーの1人で、空中戦では無類の強さを発揮。セットプレーの得点源としても期待ができる。その個人能力に加えて、片野坂知宏監督(現ガンバ大阪)の戦術にフィットした経験も、アルベル・プッチ・オルトネダ新体制のFC東京にとっては好材料だろう。24歳と伸びしろもあり、Jリーグを代表する外国人選手の1人になり得る。新守護神として期待されるGKヤクブ・スウォビィクとともに、チームに安定感をもたらしそうだ。

【4】神谷優太(24歳)
(清水エスパルス←柏レイソル/MF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J1):25試合3得点

 いかにも清水のカラーに合いそうな補強であり、昨年の柏においても確かな輝きを放っていた。清水は鹿島から移籍のMF白崎凌兵など、攻撃的なタレントが多く神谷にとっても競争は不可避だが、2列目のレギュラー争いの筆頭格だろう。精力的なプレッシング、鋭い突破に加えて動き出しのセンスもあり、ハートの強さも魅力だ。

 柏ではレギュラー奪取には至らなかったが、出番を掴めば違いを生み出すプレーを披露。清水でさらに出番を増やせるかが鍵になる。セットプレーのキッカーとしても優れており、J屈指のキッカーであるMF西澤健太との共演も注目だ。

【5】宮代大聖(21歳)
(サガン鳥栖←[徳島ヴォルティス→]川崎フロンターレ/FW/レンタル移籍)
昨季リーグ成績(J1):32試合7得点

「川崎の大砲」が大きく飛躍するべきシーズンを、川崎ではなく鳥栖で迎えるというのは不思議な感覚もある。徳島ではタクティカルに右サイドで起点になる仕事も求められていたため、怪我さえなければ昨季の7得点を超えてくるだろう。シュートの技術はJリーグの日本人選手で1、2を争うレベルで、打てば枠を外さない。徳島で前線を組んだFW垣田裕暉とのコンビでどこまで2人が得点を重ねられるか。鳥栖の命運を握る1人だ。

【6】上門知樹(24歳)
(セレッソ大阪←ファジアーノ岡山/MF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J2):41試合13得点

 J2からJ1の舞台に“個人昇格”した選手は多いが、そのなかでも飛躍候補の筆頭格のアタッカー。FC岐阜からヴィッセル神戸に移籍し、日本代表まで上り詰めたFW古橋亨梧(セルティック)のようなブレイクも十分にあり得る。ミドルレンジからの決定力は凄まじく、MF清武弘嗣などと攻撃のイメージをシンクロできれば、J1でも二桁を狙えるだろう。典型的なセンターフォワードではないので、サイドハーフも問題なくこなせるが、2トップでポストプレーの得意なFWと組ませるのが理想的か。

地元・仙台加入のベテラン遠藤、若手に対する影響力にも期待

【7】中村拓海(20歳)
(横浜FC←FC東京/DF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J1):18試合0得点

 豊富になったFC東京のサイドバック枠から弾き出された感もあるが、横浜FCの立場から考えれば大きな補強だ。右サイドからの鋭い攻撃に加えて、昨年は限られた時間ながら対人守備の成長も見せた。“5か年プラン”の中間点として、2024年にパリ五輪の代表選手を出すことを掲げるクラブのビジョンにはピッタリのタレントだ。態度や表情からあどけなさも残るが、内面的な逞しさも強まっているようだ。新天地で継続的に経験を積み上げながら、早期にJ1のステージに戻ってくることが期待される。

【8】遠藤康(33歳)
(ベガルタ仙台←鹿島アントラーズ/MF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J1):23試合1得点

 鹿島で多くのタイトルを獲得した“英雄”が地元・仙台に帰還。鹿島では“やっさん”の愛称で親しまれたキャラクターはもちろんだが、技術的に日本サッカーのトップレベルであり、仙台では司令塔的な役割も期待される。鹿島では右サイドが多かったが、2列目の中央でも技術やセンスを発揮できるだろう。鳥栖から復帰したMF梁勇基との共演というのも良い意味で未知数であり、プラスアルファを引出される可能性もあるが、何より若手に対する影響力に期待したいところだ。

【9】柳育崇(27歳)
(ファジアーノ岡山←栃木SC/DF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J2):42試合0得点

 木山隆之監督を迎える岡山は、エースの上門が移籍したが、京都サンガF.C.のJ1昇格を支えたDFヨルディ・バイス、さらに、栃木での2シーズン、DFながら14得点をマークした柳を獲得した。MF河井陽介(←清水エスパルス)というキックの名手も獲得した岡山で、二桁得点も夢ではない。地上戦もパワフルだが、ハイボールの競り合いではほぼ無敵。“金剛力士像”を連想させるバイスと柳のCBコンビは攻守両面で話題を呼びそうだ。

【10】田中陸(22歳)
(SC相模原←レノファ山口FC/MF/完全移籍)
昨季リーグ成績(J2):31試合0得点

 若き戦術マスターだ。昨年の山口では終盤戦に出番を失ってしまったが、渡邉晋前監督(現モンテディオ山形コーチ)のもとで全幅の信頼を得ていた。右サイドバックなど、複数ポジションをこなすことができるが、中盤のインサイドが一番の主戦場。視野が広く、ボックス・トゥ・ボックスの運動能力が抜群に高く、パスで起点となった後に、バイタルエリアへ飛び出してフィニッシュに絡むこともできる。

 相模原でもボールに絡むプレーでは特別な存在感を示せるはずだが、主力としてJ2復帰へ導くにはリーダーシップが求められる。また山口の同僚だったFW浮田健誠やジェフユナイテッド千葉から新加入のFW船山貴之など優秀なアタッカーも揃うチームで、活躍への期待が膨らむ。(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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