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本田、香川、岡崎の処遇は? 日本代表の欧州遠征で見えた“ビッグ3”の生き残る道

右ウイング3番手の本田 久保&浅野に対し“違い”を見せられれば…

 

 バヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、10日の国際親善試合ブラジル戦(1-3)、14日の同ベルギー戦(0-1)と連敗を喫して11月の欧州遠征を終えた。FIFAランク2位のブラジル、同5位ベルギーとの対戦を通じて、ロシア・ワールドカップ(W杯)に向けた“世界仕様”のチームへのベースアップを図っており、一定の収穫を得た形だ。

 

 その一方で今回の遠征メンバーから外れた本田圭佑(パチューカ)、香川真司(ドルトムント)、岡崎慎司(レスター・シティ)の処遇も注目されている。強豪との連戦から、日本の“ビッグ3”とも呼ばれる三人の生き残る道も見えてきたようだ。

 

 三人はいずれも代表で厳しい立場に追いやられている。本田は右ウイングを主戦場としているが、そのポジションではFW久保裕也(ヘント)とFW浅野拓磨(シュツットガルト)が切磋琢磨を続けており、付け入るスキがない状況だ。

 

 ともに運動量豊富で守備も献身的にこなし、攻撃となれば一気呵成に前線へと駆け上がる。久保は軽やかなステップからのシュートや巧みな動き出し、浅野はスピードという武器を備えており、指揮官も重宝している。とりわけ浅野は今回の遠征でも、スピードを遺憾なく発揮し、強豪国に脅威を与えた。本田にとっては彼らと同様、激しい上下動をしたうえで、“違い”を見せつける必要がある。パチューカでゴールを決めるなど結果を残し始めているが、今まで以上の奮起が求められる。

 

 

長澤の台頭もあり香川はより厳しい状況に

 

 トップ下やインサイドハーフを主戦場とする香川はブラジル戦をスタンドから観戦し、DF槙野智章が「待っている」とメッセージを送った。だが、ポジション争いは混沌としている。ブラジル戦でトップ下起用されたのは無尽蔵のスタミナとボール奪取力に定評のあるMF井手口陽介だ。相手がブラジルということもあったが、指揮官はトップ下に必ずしも攻撃能力を求めておらず、香川にとっては厳しい状況が一層浮き彫りとなっている。

 

 中盤は長谷部誠、山口蛍、井手口らがトライアングルを形成する形がベースとなっており、中盤の底にアンカーを一枚置くか、2ボランチにするかは相手に応じての判断となる。残るメンバーを見ると、MF倉田秋とMF長澤和輝はドリブル打開力に加え、守備力と走力も備えており、やはり攻守両面で貢献できるタイプだ。比較的香川に近いタイプのMF森岡亮太は、欧州遠征で2試合とも起用されたが、結局大きなインパクトを残せずに終わった。

 

 香川が生き残るためには、指揮官が求める守備のタスクをこなしたうえで、攻撃で決定的な働きを見せることだろう。裏返せば、攻撃面で圧倒的な存在感を示せない場合、本大会で落選の憂き目を見る可能性もある。

 

 岡崎が起用されるセンターフォワードは、すでに大迫という絶対的な軸が存在しており、先発の座を奪い返すのは困難か。現状ではバックアッパー入りを狙う立場となるが、今回の遠征メンバーから漏れた武藤嘉紀をはじめ、欧州遠征に招集された杉本健勇、興梠慎三らも控えている。国内組の杉本らは12月のE-1選手権で振るいにかけられる形だが、彼らが落第と判断された場合、岡崎に代表復帰の芽が再び出てくるだろう。

 

 

岡崎は武藤以上の印象を示すことが条件

 

 センターフォワードは2枠と予想されるが、大迫が不動である以上、残る1枠を武藤と争う構図となる。岡崎はこれまで同様のスタイルで、ゴールを量産することが代表復帰の条件か。武藤以上の印象を指揮官に植え付けることができれば、メンバー入りも見えてくるはずだ。

 

 11月遠征から外れた“ビッグ3”が、再び代表に招集される保証はない。それでも強国との連戦を通じてハリルホジッチ監督の狙いはより鮮明となっている。日本代表を長年けん引してきた三人は、それぞれの課題を所属クラブで改善し、代表に返り咲けるだろうか。

 

【了】

 

大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki

 

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