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殊勲の浦和MF高木、劇的なACL4強決定弾に苦笑い 「当たり損ねてスーパーシュートに…」

4-1-4-1の左サイドMFで先発、“持ってる男”の一撃で2戦合計5-4の死闘を制す

 

 浦和レッズのMF高木俊幸は、疲れ切った足でのミスキックが大逆転でのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)4強進出につながり、「完全に持ってる」と苦笑いして振り返った。

 

 高木は川崎フロンターレとの準々決勝第2戦で、4-1-4-1の左サイドMFとしてスタメン出場。対面する川崎DFエウシーニョと熾烈なバトルを繰り返した。高木は「得意な形のクロスを足に引っ掛けられ続けて、心理的に押された面がある」とマッチアップに苦戦。そのエウシーニョは、前半19分に攻撃参加して先制点まで決めていた。

 

 しかし、川崎が退場者を出したこともあって浦和がゲームを制圧すると、得意とする左サイドからの仕掛けが攻撃のアクセントになっていく。セットプレーでもキッカーとして、幾度となくゴール前に危険なボールを蹴り込み、持ち前のキック精度もチームに勢いを与えた。

 

 そして浦和が3-1でリードし、トータルスコアもアウェーゴール数も全てが並んだ状況で迎えた後半41分に、その時は訪れた。DF森脇良太がペナルティーエリア内の左サイドに入り込んだ高木にパスを出すと、左足で合わせた高木のボールはフワリと浮いてそのままゴールの中へ。一瞬の静寂の後、埼玉スタジアムに歓喜の声が爆発した。

 

 しかし、高木はこのゴールについては苦笑いすることしきりだった。

 

 

 

「あれを狙ったと言ったら恥ずかしい」

 

「完全に折り返しで、当たり損ねてスーパーシュートになりましたよね(笑)。あれを狙ったと言ったら逆に恥ずかしいですよ。サッカーをやっている人にだったら、『これは狙ってねえな』って絶対にバレますから。断言できますね、完全に持ってる」

 

 高木は目線も体の向きも中央への折り返しを狙う状態で、丁寧に左足のインサイドで合わせようとしたが、それが思わぬ方向に飛んだ。しかし、そういった状況だったからこそ、川崎のGKチョン・ソンリョンも虚を突かれて反応できなかったのだろう。それがどのようなものであったにせよ、高木の1点が全ての勝敗に決着をつけたのは事実だ。

 

 高木は昨季もルヴァン杯で得点王に輝くなど、秋口からの活躍が目立っている。自身も「最近はシーズンの入りが上手くいかなくて」と、今季も右足の疲労骨折でキャンプに参加できないところからのシーズンだった。

 

 それでも、多士済々なアタッカーが揃う浦和の中で、疲労が溜まってくる時期から調子を上げてくる選手の存在は貴重だ。後半途中から疲労感が限界に達しながら交代の指示を出さなかった堀孝史監督に対しても、「信じて使ってもらえて感謝したい」と話し、笑顔でスタジアムから去っていった。

 

【了】

 

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

 

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

 

【動画】Jリーグ公式YouTubeチャンネルに公開された、ACL準々決勝第2戦「浦和vs川崎」ハイライト

 

https://youtu.be/_5mPjz79ibQ

Jリーグ公式YouTubeチャンネルに公開された、ACL準々決勝第2戦「浦和vs川崎」ハイライト