恐怖の“監督キラー”?!森保Jに負けたサウジが「41億円監督」のマンチーニを解任…日本戦後の監督“クビ”はドイツ、トルコに続く3人目
サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)は24日(日本時間25日)、同国代表を率いるロベルト・マンチーニ監督(59)を解任したと発表した。昨年8月に母国のイタリア代表監督から転身したマンチーニ氏だったが、2026年の北中米W杯出場をかけたアジア最終予選で1勝2分け1敗と6チーム中で3位と苦戦。解任論が飛び交うなかで、ホームで日本代表に喫した現地時間10日の完敗が引き金となった。森保ジャパンが勝利した後に対戦国の指揮官が解任されるのは、昨年9月のドイツ、トルコ両代表に続いて3度目。まさに“監督キラー”となっている。
後任監督候補にジダン?!
ヨーロッパ選手権を制した実績をもつイタリアの名将が、サウジアラビア代表監督の座を追われた。引き金をひいたのは森保ジャパンだった。
SAFFは24日(日本時間25日)、昨年8月から代表チームの指揮を執るマンチーニ氏との契約を、双方合意のもとで解除したと発表した。
母国のイタリア代表を率い、2021年のヨーロッパ選手権を制したマンチーニ氏は昨年8月に電撃辞任。クラブチームを含めて監督では世界で最高額となる、年俸2500万ユーロ(約41億円)の破格の条件でサウジアラビアに引き抜かれた。
しかし、今年1月にカタールで開催されたアジアカップでは、ラウンド16で韓国代表にPK戦の末に敗退。9月に開幕した、2026年の北中米W杯出場をかけたアジア最終予選では、序盤の4試合を終えて1勝2分け1敗でグループCの3位と苦戦。国内メディアやファン・サポーターから激しい批判にさらされていた。
アジア最終予選で見せた低調な試合内容が、飛び交う解任論に拍車をかけていた。9月シリーズはホームで行われた初戦でインドネシア代表と引き分け、第2戦では敵地で中国代表にかろうじて逆転勝ち。しかし、ホームでの連戦となった10月シリーズで日本代表に初黒星を喫し、続くバーレーン代表戦でも引き分けた。
サウジアラビア紙の『Saudi Gazette』は先日、バーレーン戦翌日の16日に苦境を打開するための緊急会議を招集した、SAFFのヤセル・アル・ミセハル会長のコメントとともに、マンチーニ氏の解任が決定的になったと伝えていた。
「ホームの3試合で勝ち点2しか手にできない状況は、到底受け入れられない」
最終的にはSAFFの決定を同国国王が承認して、契約を2027年夏まで残すマンチーニ氏の解任が決まった。ここまでの流れを振り返ってみれば、森保ジャパンに喫した0-2の完敗がクローズアップされてくる。一部の海外報道では「SAFFは日本に負けた直後から、契約解除へ向けた交渉をはじめていた」と伝えられている。
日本との対戦では、ホームに限れば過去の全3戦をすべて無失点で勝利していた。しかし、6万人近い人で埋まったジッダのキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムで、10日に行われたアジア最終予選第3戦では開始14分に先制され、反撃の糸口を見出せないまま後半36分にも失点して零封負けした。
日本に敗れた対戦国の監督解任は、1年あまりの間で実に3度目となる。
最初はドイツ代表だった。ホームのヴォルフスブルクに森保ジャパンを招き、グループステージ初戦で敗れたカタールW杯のリベンジを期した、昨年9月9日の国際親善試合で1-4と屈辱的な返り討ちにあった翌10日に、ドイツサッカー連盟(DFB)はハンジ・フリック監督(59、現バルセロナ監督)を電撃解任した。
ドイツの日刊紙『Frankfurter Allgemeine』は、120年以上におよぶDFBの長い歴史で初めてとなる、男子代表監督の解任をこう伝えていた。
「日本に大敗を喫した代表チームは、あまりにも大きな恥をかきすぎた。自国開催のユーロ2024を9カ月後に控えたDFBは、国際的な嘲笑の対象になっている」
次はトルコ代表だった。ドイツ戦から中2日の9月12日に中立地ベルギーで行われた国際親善試合で、先発を10人も入れ替えた森保ジャパンに2-4で敗れた数日後に、ドイツ出身のステファン・クンツ監督(61)が解任された。
東京五輪でU-24ドイツ代表を率いたクンツ氏は、2021年9月にトルコ代表監督に就任した。しかし、カタールW杯出場を逃したあたりから逆風が強まりはじめ、日本に敗れた後に選手たちへ浴びせた批判が解任の引き金となった。
今回のマンチーニ氏で、森保ジャパンの勝利による“犠牲者”は3人目となった。一方で日本戦を前に、指揮官が辞任を決断した国もある。
9月シリーズを1分け1敗で終えたオーストラリア代表は、グラハム・アーノルド監督(61)が辞任。トニー・ポポヴィッチ新監督(51)のもとで再出発を切り、先の10月シリーズでは日本と1-1で引き分けている。
日本の森保一監督(56)は、現役時代にサンフレッチェ広島でともにプレーし、カタールW杯ではオーストラリアを日本と同じベスト16に導いた実績をもつアーノルド監督の辞任劇に、神妙な口調で「人ごとではない」と語っていた。
「1試合、1試合の重みは間違いなくある。9月の結果がアニー(アーノルド監督)と同じだったら、こうしてみなさんの前でしゃべっていないかもしれない」
マンチーニ氏の母国イタリアのメディアは、後任候補に元フランス代表のレジェンドで、レアル・マドリード前監督のジネディーヌ・ジダン氏(52)らのビッグネームをあげている。舞台をホームの埼玉スタジアムに変えてサウジアラビアと対戦する、来年3月のアジア最終予選第8戦をどのような構図で迎えるのか。
その時々のチーム状態を含めて、対戦時の巡り合わせも大きく関係してくる代表チーム同士の戦いで、森保ジャパンは1年あまりの間に3度も相手指揮官の解任スイッチを押した。最新のFIFAランキングで15位に浮上した日本が、現在進行形で強くなっている証ともいえるが、それでも森保監督は「明日は我が身」と気持ちを引き締め、インドネシア、中国とアウェイでの連戦となる、11月のアジア最終予選への準備を進めていく。
10/26 06:43
RONSPO