「気候も涼しいから大丈夫」と伊東純也も前向き 中3日のアウェー連戦へ、日本代表27人全員で厦門初練習

 15日に開催されたFIFAワールドカップ26アジア最終予選のインドネシア戦を4-0で圧勝し、19日の中国戦が開催される厦門へ移動した日本代表。17日夕方には現地で初練習を行い、27人全員が元気そうな姿を見せた。

 トレーニング前には厦門日本商工クラブ加盟企業の日本人、中国人の子どもたちとの交流の場が設けられ、三笘薫久保建英らが満面の笑みでハイタッチをかわす様子が見られた。今回はインドネシアから中国への移動を伴う中3日という強硬日程だが、異国に住む子どもたちの力強い応援も新たな力になるはずだ。

 加えて言うと、現地の気温は24度、湿度55%という爽やかなコンディション。伊東純也も「気候も涼しいし、思ったより動きやすい」と前向きにコメント。高温多湿にスコールが重なったジャカルタに比べると、かなり快適な環境下でプレーできそうだ。

 この日は冒頭15分だけが非公開。森保一監督も選手たちのコンディションを考慮し、フィジカル的な負荷をかけない状態の戦術確認を先に実施して、そこからトレーニングという形にしたのだろう。メディアに公開された時点では、選手たちはストレッチの真っ只中。そこから鳥かご、2人1組のロングパス、ビルドアップからのシュート、7対7+フリーマンという流れで練習が進んでいった。

 シュート練習は選手たちが自身のポジションに入ってプレー。インドネシア戦途中からシャドーに入った伊東と三笘が最初からインサイドのポジションに入る一幕があった。

 それを伊東に問うと「シャドーで出た時はよりゴールに近いので、ゴールを取れるような動きをしたいと思いますし、前を向けたら勝負を仕掛けられればいいと思います」と発言。それを受けて「もしかしたらスタートから右シャドーに入ることがあるのでは?」と問いかけられると「(それは)ないんじゃないですか」と笑っていた。おそらく三笘と伊東のシャドーに関しては、中国戦でも試合途中からのオプションになりそうだ。

 そして最後の7対7+フリーマンは、インドネシア戦で出場時間が短かった選手と出番のなかった選手が参加。インドネシア戦で45分以上出たメンバーは、一足先にクールダウンをして引き上げた。

 その中の1人である南野拓実は「いつもより2戦目の間隔が短いので、多少の疲れはまだありますけど、どういうメンバーになるか分からないし、僕らには試合に出なかったすごく高いレベルの選手たちがいるので、チームみんなの力で乗り切っていければいいかなと思います」と力を込めた。

 彼が言うように、今の日本代表は控えメンバーでも最終予選を勝ち抜ける十分な力がある。それはインドネシア戦で最終予選初出場初ゴールを奪った菅原由勢が力強く実証している。

「彼が、出られない苦しい状況を一つ乗り越えると、また花開くということをみんなに示したと思うし、あれだけみんなが喜ぶのは、彼の人間性だったりも大きいですね。由勢が練習中に腐っていたり、文句ばっかり言っている人間なら、点を取った時にたぶん、誰も寄ってこない。前向き、ポジティブにやっている人の姿は心に響くし、自然と人が集まってくるというのを、体現したんじゃないかな」と大ベテランの長友佑都もしみじみと語っていた。

 そういった発言を含めて、チーム全体の一体感がより高まっていることが窺える。日本代表は強固な結束力を前面に押し出して、完全アウェーの一戦で勝ち点3を奪い、8大会連続のワールドカップ出場権獲得に王手をかけるつもりだ。

取材・文=元川悦子

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