“鬼神”GKヤン・ゾマーがスイス代表を引退…通算94試合出場は守護神として歴代最多「僕の人生の重要な一部」

ヤン・ゾマー

 スイスサッカー協会(SFV)は19日、GKヤン・ゾマー(インテル/イタリア)がスイス代表から引退することを発表した。

 難攻不落の“鬼神”が、代表チームに別れを告げる。刻んだ通算94キャップは、同国代表におけるGKとしての最多出場記録だ。バーゼルでプロキャリアを始めた後、ボルシアMGやバイエルン、そして現所属のインテルなど、欧州の名門クラブでプレーしてきたゾマーは現在35歳。各年代のスイス代表を経験し、2012年5月に23歳でフル代表デビューを飾った同選手は、2014年のブラジルW杯後から正守護神に定着した。EUROに3大会連続(2016年、2021年、2024年)、ワールドカップにも3大会連続(2014年、2018年、2022年)で出場。鬼がかったビッグセーブでチームを救うと、主要大会が開催された年のスイス年間最優秀サッカー選手賞を3度受賞している。

 EURO2024・ラウンド8のイングランド戦が、スイス代表のゴールマウスを守った最後の試合となったゾマー。SFVの公式サイトを通じて、コメントを発表した同選手は「熟考の末、スイス代表のゴールキーパーとしてのキャリアを終えることを決断した。12年間・94試合…母国を代表し、最高レベルの国際試合に出場できたことは、大きな名誉であり特権だ」と万感。さらに「ブンデスリーガで忘れられない日々を過ごした僕にとって、そのドイツで開催されたEUROで、またしても素晴らしい決勝ラウンドを終えた今が、別れを告げるタイミングだと思った」と告白しつつ、以下のように続けている。

「代表チームでの時間は、僕にとって大きな意味がある。多くの忘れられない瞬間、エキサイティングな試合、共に祝った勝利、共に乗り越えた試練、これらを誇りを持って振り返ることができるよ。15歳の時から、代表チームは僕の人生の重要な一部だった。U-16、U-21、そして(フル代表で)10年間も背番号1を身につけ、ワールドカップとEUROの決勝ラウンドでプレーした。ラウンド16で4回、準々決勝でも2回ね」

「これらの思い出は、永遠に僕の心の中の特別な位置にあり続けるだろう。この場を借りて、すべてのチームメイト、スタッフ、監督、それからもちろん家族、所属クラブ、そしてスイスのサポーターに感謝したい。皆んなのサポート、信頼、僕に対する思いがなければ、このような成功はあり得なかった。皆んなが、常に最高のパフォーマンスを発揮するためのモチベーションを与えてくれたんだ」

 スイス代表として通算94試合・35試合クリーンシートと、自国が擁するアルプス山脈の如く、相手攻撃陣の前に聳え立ってきたゾマー。スイス史上最高の守護神は今後、クラブの活動に専念することになる。

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