ポルトガルはチェコに先制許すも…後半ATに途中出場の2人が躍動、劇的逆転勝利で白星発進

フランシスコ・コンセイソン

 EURO2024・グループF第1節が18日に行われ、ポルトガル代表とチェコ代表が対戦した。

 EURO2024予選ではグループJに入り、驚異の10戦全勝を達成したポルトガル代表。今予選参加チーム内で唯一の全勝を達成し、首位で本大会行きの切符を掴んだ。2016年大会以来、2大会ぶり2度目の優勝を目指すなか、今大会の初陣ではチェコ代表と激突する。

 チェコ代表はEURO2024予選ではグループEに組み込まれ、4勝3分1敗の成績でアルバニア代表と勝ち点で並ぶも、直接対決の成績が1分1敗だったため、2位で本大会へ出場。過去の最高成績はチェコ代表として初参戦した1996年大会の準優勝で、今大会では“サプライズ”を起こしたい。

 ポルトガル代表は6大会連続の出場となるクリスティアーノ・ロナウドだけでなく、センターバックの一角としてペペも先発出場し、元ハンガリー代表GKガボール・キラーイ氏が2016年大会で打ち立てた、40歳86日という大会最年長出場記録を更新。他にも、ベルナルド・シルヴァ、ブルーノ・フェルナンデスラファエル・レオンらが先発に名を連ねた。一方で、チェコ代表はヴラディミール・ツォウファル、トマーシュ・ソウチェクパトリック・シックといった面々がスターティングメンバーに入っている。

 この試合最初のチャンスはポルトガル代表が構築。8分、R・レオンが激しいプレスバックでボールを奪うと、ヴィティーニャからのパスを受けて左サイドをドリブルで快走。カットインから右足でクロスボールを入れると、タイミング良く中央へ入ったC・ロナウドが頭で合わせたが、ヘディングシュートはわずかに枠を外れた。

 その後もポルトガル代表が主導権を握り、17分にはヌーノ・メンデスが得意の左足でミドルシュートを放つも、枠を捉えきれない。22分にはルベン・ディアス、24分にはB・フェルナンデスがフィニッシュまで持ち込むも、ゴールを脅かすことはできず。32分には絶妙な動き出しで、B・フェルナンデスからのスルーパスを引き出したC・ロナウドが、背後のスペースへ侵入したが、GKインドジフ・スタニェクに阻まれた。

 なかなか先手を取ることができず、前半も終盤に差し掛かると、アディショナルタイムには再びこの男がゴール前で躍動。ボックス右でジョアン・カンセロからのパスを受けたC・ロナウドが、巧みなターンで前を向き、左足を振り抜いたが、シュートは再びGKスタニェクに弾き出される。前半はポルトガル代表が攻め込む時間がほとんどだったが、ゴールは生まれず、スコアレスで後半へ折り返した。

 後半に入っても試合の様相は変わらず、47分にディオゴ・ダロトがミドルシュートを放ったのを皮切りに、序盤はポルトガル代表のペースで進行。55分には右サイド高い位置を取ったR・ディアスのクロスボールから、C・ロナウドがヘディングシュートを狙うも、トマーシュ・ホリーにブロックされて枠へ飛ばすことはできない。

 続く58分には、ペナルティエリア手前中央の位置でカンセロが倒され、ポルトガル代表がフリーキックを獲得。ゴールからの24メートルほどで、C・ロナウドがキッカーを務めたが、シュートはGKスタニェクの正面へ飛び、難なくキャッチされる。

 チェコ代表としてはポルトガル代表に押し込まれる時間が続き、なかなか攻撃へ出るシーンを作れなかったが、60分まで無失点で凌ぎ切ることに成功。迎えた62分には反撃へ転じる。ゴールキックを敵陣へ放り込んだところから、セカンドボールを回収し、右サイドでオンドジェイ・リングルがボールをキープ。サポートしたツォウファルのアーリークロスから、モイミール・ヒティルがヘッドを狙うも、ここはジャストミートできない。

 それでも、左サイドへ流れたボールをダヴィド・ドウデラが回収し、右足でクロスボールを入れると、ペペにクリアされたセカンドボールもチェコ代表が拾う。ボックス右でボールを持ったツォウファルがマイナスへ落とすと、ルカーシュ・プロヴォドが右足一閃。狙い澄ましたミドルシュートを叩き込み、チェコ代表がわずかなチャンスをゴールに結びつけた。

 まさかの先行を許す展開となったポルトガル代表は、失点直後に2枚の交代カードを切る。ダロト、R・レオンを下げて、ディオゴ・ジョッタ、ゴンサロ・イナシオを送り出した。

 ポルトガル代表は再び攻撃に出る時間を続けると、69分にはヴィティーニャからのパスを受けたB・シルヴァがボックス右で前を向く。無理に仕掛けることはせず、相手を引きつけて後ろへ落とすと、ヴィティーニャがダイレクトでアーリークロスを供給。ファーサイドへ走り込んでいたN・メンデスが頭で折り返すと、これが相手のオウンゴールを誘い、ポルトガル代表が即座に試合を振り出しに戻した。

 逆転を目指すポルトガル代表は、79分にヴィティーニャが際どいシュートを放つも、GKスタニェクに阻止される。対するチェコ代表も82分、ペナルティエリア手前で一瞬フリーになったソウチェクがミドルシュートを放ったが、ここはわずかに枠を外れた。

 このまま試合は終盤に向かって行くと、87分、敵陣右サイド開いた位置のB・シルヴァが斜め後ろへ落とすと、サポートしたカンセロがアーリークロスを供給。ファーサイドへ入り込んだC・ロナウドが頭で合わせると、ヘディングシュートは右ポストに嫌われたが、こぼれ球を狙っていたジョッタがヘッドで押し込む。土壇場でポルトガル代表が逆転に成功したかと思えたが、ここはC・ロナウドのポジションがオフサイドと判定され、得点は認められない。

 だが、ポルトガル代表はこのまま試合を終わらせなかった。後半アディショナルタイム、左サイドへのロングフィードをうまく収めたペドロ・ネトが見事な切り返しで相手を置き去りにし、グラウンダーのクロスボールを送ると、クリアが中途半端となったセカンドボールにフランシスコ・コンセイソンが反応。左足でゴールネットを揺らし、遂に逆転に成功した。

 試合はこのまま2-1でタイムアップ。ポルトガル代表は苦戦を強いられながらも、最後は途中出場の2人の活躍により勝利を飾り、白星スタートを切った。一方、チェコ代表としては土壇場の失点で勝ち点を逃す結果となった。

 次節は22日に行われ、ポルトガル代表はトルコ代表と、チェコ代表はジョージア代表と、それぞれ対戦する。

【スコア】
ポルトガル代表 2-1 チェコ代表

【得点者】
0-1 62分 ルカーシュ・プロヴォド(チェコ代表)
1-1 69分 ロビン・フラナーチ(OG/ポルトガル代表)
2-1 90+2分 フランシスコ・コンセイソン(ポルトガル代表)

【スターティングメンバー】
ポルトガル代表(3-5-2)
GK:D・コスタ
DF:ダロト(63分 イナシオ)、ペペ、R・ディアス
MF:カンセロ(90分 セメド)、B・シルヴァ、B・フェルナンデス、ヴィティーニャ(90分 F・コンセイソン)、N・メンデス(90分 P・ネト)
FW:C・ロナウド、R・レオン(63分 ジョッタ)

チェコ代表(3-5-2)
GK:スタニェク
DF:ホレシュ(90+3分 ホリー)、フラナーチ、クレイチー
MF:ツォウファル、シュルツ(79分 シェフチーク)、ソウチェク、プロヴォド(79分 バラーク)、ドウデラ
FW:クフタ(60分 ヒティル)、シック(60分 リングル)

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