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【ACLラウンド16展望|全北現代】屈指の破壊力を誇る韓国王者…3度目のアジア制覇へ向け視界は良好

決勝トーナメントに向け調子は上向き

 2020年シーズンのKリーグ1(1部)で優勝し、史上初の4連覇と2冠(Kリーグ、FAカップ)を達成した全北現代モータース。AFCチャンピオンズリーグ出場は今年で4年連続、韓国勢としては最多14回目の出場となったが、グループステージが行われる前から決勝トーナメント進出を危ぶむ声が多かった。

 というのも、今季前半戦の全北現代は王者らしくない戦いぶりが続いていたからだ。リーグ戦では一時7試合連続未勝利に陥り、FAカップでは3部クラブにまさかの敗北。横浜F・マリノスに4失点を喫し大敗するなど、低調なパフォーマンスで8年ぶりにグループステージで敗退した昨季のACLの記憶も残っていただけに、今年もグループを突破できるか不安視されていた。

 ただ、そんな心配も杞憂に終わった。全北現代はグループステージで5勝1分の22得点5失点とし、危なげなくグループ首位で突破。同組最大のライバルとされたガンバ大阪にも2試合で1勝1分と勝ち越したほか、FWグスタヴォやFWスタニスラフ・イルチェンコ、日本人MF邦本宣裕ら前線の活躍も光り、無事に決勝トーナメントへと駒を進めた。

 グループステージ終了後には、チーム内の新型コロナウイルス陽性者発覚によって、全選手とスタッフが2週間の隔離生活を余儀なくされた。それでも、隔離によるコンディション調整の難しさをものともせず、8月の7試合で4勝2分1敗を記録。順位も12チーム中2位で首位の蔚山現代に迫っており、勝利した4試合すべてで複数得点を挙げるなど、得点力の高さも変わらず健在だ。

 特に圧巻なのが、グループステージ第6節のガンバ大阪戦で1得点1アシストを挙げたグスタヴォ。前半戦にも1試合だけで4得点をたたき出す爆発力を垣間見せていたが、最近では8月の7試合で6得点3アシストとさらにそのすごみを増している。

 また、イルチェンコは8月末の試合で右くるぶしの靭帯を断裂、全治2カ月で長期離脱は避けられないと報じられたが、約10日後の試合で復帰するという並外れた回復力でファンやサポーターを驚かせた。そして、復帰戦ではPKで1得点を挙げる活躍でチームの勝利に貢献するなど、負傷の影響を全く感じさせない活躍を見せた。

選手層の厚みが増し万全の体制で臨む

 彼ら2人だけでも十分に強力だが、全北現代は今夏の移籍市場を通じて攻撃陣を一段階強化。FIFAワールドカップロシア2018にも出場した元韓国代表FWムン・ソンミンが兵役を終えて復帰したほか、東京五輪にも出場した韓国代表FWソン・ミンギュを浦項スティーラースから完全移籍で獲得した。

 前線以外では、かつてアルビレックス新潟に在籍した元韓国代表DFキム・ジンスと、タイ代表DFササラック・ハイプラコーンの左サイドバック2人をそれぞれレンタルで獲得。負傷のアクシデントで人員不足に悩まされた守備陣を補強し、選手層をさらに厚くした。

 ホームの全州ワールドカップ競技場で迎える決勝トーナメント1回戦では、タイリーグ王者のBGパトゥム・ユナイテッドと対戦。韓国勢で唯一、日本勢3チームとの対戦が避けられた。BGパトゥム・ユナイテッドは昨季ACL王者の蔚山現代とグループステージで同居し、2試合とも0-2で敗れている。

 全北現代としては勝利が求められる一戦だろう。それもそのはず、ACL東地区の準々決勝と準決勝はホームタウンである全州で集中開催することが決定。これまで2006年に初優勝、2011年に準優勝、2016年に2度目の優勝と“5年周期”で決勝に進んできた全北現代にとっては、長距離移動の必要なく戦える大きなアドバンテージを得られるからだ。

 破壊力満点の攻撃陣を擁して5年ぶり3度目のアジア制覇を狙う全北現代。本拠地で臨む一発勝負は極めて有利であるとはいえ、まずは着実に勝利をモノにしたいところだ。

文=ピッチコミュニケーションズ

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