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【ライターコラムfrom千葉】崔龍洙氏からの熱い激励…勝利へのDNAをジェフに根付かせる

 明治安田生命J2リーグ第30節ファジアーノ岡山戦の前に『ZOZOTOWN Presents ジェフユナイテッド市原・千葉レジェンドマッチ』(15分ハーフ)が開催された。以前、クラブに在籍していた多くの元選手の懐かしい姿が見られ、その中には2001年から3年間、リーグ戦54得点、カップ戦2得点、天皇杯7得点を記録した“ジェフ千葉のレジェンド” 崔龍洙も参戦していた。かつて共に汗を流した佐藤勇人は「一緒にやってきた中で歴代ナンバー1のストライカー。どんな形でも点を取れるし、後ろから見ていても驚きがたくさんありましたね」と、点取り屋としての能力が秀でていたことを口にする。

日本では千葉、京都、磐田でプレーした [写真]=JEFUNITED

 このエキシビジョンマッチの狙いをクラブ広報担当の富永真悟さんに訊いてみると「サッカーにはさらに飛躍できる魅力があります。J開幕からのサッカーファンやしばらくスタジアムに足を運んでいない方、休眠層を掘り起こすための企画であると同時にクラブのために戦ってくれたOB・OGへの感謝の意味もあります」と、ジェフ千葉の持つ魅力をさらに多くの人に伝える狙いがあることを話した。

 レジェンドメンバーは多くのサポーターの温かい歓声に包まれながらピッチに入場すると、背番号10番を纏った崔にはひと際大きな拍手が送られていた。

 チームは『レジェンドジェフィーチーム』(永井良和監督、立石智紀、坂本將貴、斉藤大輔、青木良太、池田昇平、秋葉忠宏、鈴木秀生、大柴克友、深井正樹、崔龍洙、村井慎二、山口慶、安田有希、井上由惟子、綱川玲奈)と『レジェンドユニティーチーム』(望月重良監督、永田忍、木澤正徳、中田一三、鈴木和裕、森崎嘉之、結城耕造、式田高義、市原充喜、楽山孝志、新村泰彦、新居辰基、益山司、阿部麻美、河村乃里子、河村真理子)に分かれて試合を行った。

豪華メンバーがフクアリに集結 [写真]=JEFUNITED

 現役当時と現在との体型はそれぞれ違うが、チャレンジでのミスには悔しがり、時には楽しみながら現役当時さながらのプレーを見せる。崔とホットラインを結んできた村井がサイドを突破しクロスを上げると崔が果敢に飛び込むがこれは惜しくもクロスバーを超える。「龍洙さんにピンポイントのクロスを上げて、ヘディングをしてもらえたので良かった、それだけで満足(笑)。得点が取れなくて悔しそうでしたが、守備を一生懸命やってくれていましたし、今日は貴重ないい体験となりました」と村井は振り返った。

試合は2-2のドロー決着に [写真]=JEFUNITED

 その後も白熱した展開は続き、後半早々には崔が鋭く右足を振るがシュートは惜しくもゴールポストに嫌われ無得点。「これが今の私の実力。3年の間、いいチームメイトとプレー出来たことでいい成績を残せました。指導者になって体が動かない。今日は残念でした」と苦笑い。連動したパスワークと予測と判断の効いた守備も見られたが、決勝ゴールはお預けとなり試合は2-2での引き分けで終わった。

果敢にゴールを狙った [写真]=JEFUNITED

 試合後、崔はJ2リーグで苦しむチームに触れ「8年間、J1に上がれないのは何か問題があるはず。問題を把握してJ1に上がって、その後にACLを目指し、その次は優勝を目指す。目標達成をすることを考えながら、強い意識を持ってプレーをして欲しいです。誰かがやってくれるではなく、“私がやります”という意識でプレーをして欲しい。そうすることで明るい未来が見えると思っています」と厳しさの中にも愛情のこもったエールを送った。

 現在、ジェフ千葉は勝ち点50を積み上げ10位に位置し、プレーオフ圏内の6位とは7差だ。残りは6試合。一つも落とせない戦いが続く中でボール支配率は60パーセントを超えるが、決定力に課題を抱えている。ただ、この決定力に特効薬はない。ピッチでプレーする選手が明確なアプローチをもって取り組まなければ絶対に解決はしないだろう。

 日本でも成績を残した韓国の元エースは言う。

「(決定力の極意を教えるならば)勝つために“絶対に勝ち点3を取る”という意識が大事。(ゲームの中で)差をつける選手が必要で、そういった選手を育てることが大切です。得点を取るパターンを練習し、良い選手がいれば、そのDNAはチームに根付きます。得点をしなければ絶対に勝てないという気持ちを持つことが一番大事です」

 昇格へ辿る道は決して平坦ではないことは重々承知している。厳しい状況が続くなか1パーセントでも可能性があるならばそれに向かって突き進むだけだ。“絶対に勝ち点3”を奪い取る強い意識とファイティングスピリットのDNAがチームには刻まれている。目の前の試合に勝利を求め戦う。それがジェフ千葉のDNAでもある。

文=石田達也