J1札幌 悪夢の連鎖…J2降格決定翌日に5失点大敗…MF駒井善成「もっともっと強くならないといけない」

今季限りで退任する札幌ペトロヴィッチ監督

◇明治安田J1リーグ 第37節 広島5-1札幌(1日・Eピース)

 北海道コンサドーレ札幌が、降格決定の悔しさをピッチで晴らすことはできなかった。アウェー・広島戦は先制された後に一時同点とするも、1―5で敗れた。試合のなかった前日11月30日に9年ぶりJ2行きが決まり、意地の勝利を狙った戦いも無念の結果となった。また今季限りで退任するミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)の後任には、鹿島などで指揮を執った岩政大樹氏(42)を軸に交渉していることが、1日までに分かった。

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 敗戦の瞬間、札幌の選手が次々とピッチに座り込み、うなだれた。前半8分に先制され、同42分にFW鈴木武蔵(30)のゴールで同点に追いつくも、その後は失点を重ねて1―5完敗。武蔵は「最後のアウェー、勝って帰りたいと思っていたが、思うような結果にならなくて残念」と唇をかんだ。

 広島戦前日の11月30日、飛行機での移動中に、9年ぶり降格決定を知った。その中でもペトロヴィッチ監督が「残り2試合、しっかりといい戦いをしよう」と選手を送り出したが、ゲキに応えることはできなかった。MF駒井善成(32)は「しっかり切り替えて、自分たちのサッカーをしようと向かったが…。もっともっと強くならなきゃいけない」と自戒も込めて言った。

 来季は2016年以来、9年ぶりにJ2へ戦いの場が移る。今季限りでの退任が決まっていたペトロヴィッチ監督は試合後、改めて「来年は札幌で指揮を執ることはない」と明言。選手のほとんどが契約に関する話し合いを行っておらず、陣容がどうなるかは不透明。チームは大きく変わって舵を切り直すことになる。

 新たな船出に向け、残りは1試合。今季フィールド選手最長の3091分に出場する駒井は「試合に多く出ていた者として、札幌をJ2に降格させてしまった責任は感じている」と口にした。その上で8日の今季最終のホーム・柏戦へ「今シーズンはなかなか強い札幌を見せられなかったが、最後、応援してくれたみんなの思いをしっかり背負ってピッチに出たい」と勝利締めを誓いに立てた。出直しの25年へ、最終戦こそ意地を見せる。(砂田 秀人)

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 札幌が来季の新監督として、2022年8月から23年まで鹿島の指揮を執るなどした、元日本代表DFの岩政氏を筆頭候補としていることが、1日までに分かった。クラブは戦術への豊富な知識もあり、かねて能力を高く評価していた同氏が適任と判断し、交渉を進めてきた。今週中に正式オファーを提示し、契約を締結させたい意向でいる。

 ペトロヴィッチ監督の今季限りでの退任が決まっていた札幌は、攻撃的サッカーを根づかせたペトロヴィッチ監督の方向性と岩政氏の考え方が合致すると、後任候補としてリストアップしていた。9月には交渉を始め、段階的に絞り込みを重ねていった結果、同氏が最有力候補に残った。

ベトナムで指揮 岩政氏は現役時代、主に鹿島でセンターバックとして活躍。日本代表にも選出された。18年に現役引退後は指導者に転身。鹿島では22年が4位、23年は5位の成績を残した。その後はベトナム1部のハノイで指揮を執るなどし、今年7月に帰国。現在は母校の東京学芸大でコーチを務めている。

 来季J2で戦うことが11月30日に決まった。カテゴリーが未定だったことや、複数候補との兼ね合いから表面化されていなかったが、細部にわたっての話し合いは継続的に続けてきた。既に「リーグはどこであっても問題ない」という岩政氏の意思は確認できている。9年ぶりの降格とはなったが、目指す1年でのJ1復帰へ、若き新指揮官の下から札幌が歩み出す可能性は、極めて高い。

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