J3富山は7戦勝ちなしで3位以下が確定…吉平翼が終了直前に同点ゴール
◆明治安田生命J3リーグ 第36節 富山2-2岐阜(10日、富山県総合運動公園陸上競技場)
J3カターレ富山は、2-2でFC岐阜に引き分けた。7戦勝ちなしで3位以下が確定し、2位までのJ2自動昇格を逃した。岐阜の堅守に苦戦し、序盤からピンチも多かったが、後半10分にDF神山京右(24)がCKから鮮やかにヘディングシュートを決めて先制。その後はセットプレーで2失点を許したが、後半アディショナルタイム8分に、途中出場のFW吉平翼(26)が同点ゴールを決めて追いつき、その直後に試合終了となった。キャプテンを務める吉平は「(途中出場後の)最初のビッグチャンスを、シンプルな技術ミスで外してしまった。もうワンチャンスあると言い聞かせて、最後に決められたのは良かったが、悔しい一言に尽きます」と複雑な胸中を振り返った。
9月22日の金沢戦を1-0で勝利して以来、2-2讃岐、0-0今治、1-1宮崎、1-4福島、2-2鳥取、2-2相模原と勝利に見放されてきた。DF安光将作(25)は「ぼくを含めて、感じる必要ないプレッシャーを感じていた」と吐露する。メンタル的にも苦しい状況の中、常に前向きに取り組んできたのが吉平だ。「7試合も勝てていないが、この1年間、勝ち点1、得失点差1にこだわってきたからこそ、この順位にいられる。大宮、今治の昇格は決まったが、それ以外で一番強いのは僕たちなので、絶対に自信を持っていい」と胸を張り、試合前にはチームメートを鼓舞し、最後まで粘り強く戦い抜いた。
その一方で、最近5試合では11失点と、守備が大きく崩れている。セットプレーからの失点も多く、今後のJ2昇格プレーオフ進出を見据えると、守備の立て直しが緊急の課題となってくる。この日の岐阜戦では、攻められる時間帯も多かったが、想定内でプレーできていた面もあったという。しかし、1-0とリードした後に、ファウルから2度のFKで2失点。DF今瀬淳也(31)は「1点をリードしたところから、安全にいこうとして簡単に蹴ってしまったり、そこでロストした面があった。もう少し、いい判断をすれば、いい試合運びが出来たと思う。試合の終盤はセットプレーで決まることが多くなるので、なんとか改善しないと上にはいけない」と振り返った。
苦戦は続くが、17日の八戸戦で勝利すれば、3位が確定し、J2昇格プレーオフを有利な状況で戦うことが出来る。また、八戸の石崎信弘監督は、前カターレの指揮官でもある。自分なりの覚悟を決め、丸坊主にしているFW吉平は「サッカーだけに向き合い、昇格したい気持ちを示しました。八戸はアグレッシブなスタイルで、すごくいいチーム。富山の時と変わらず、石さんらしいスタイルを体現している。ハードワークでは絶対に負けてはいけない」と決意。J2昇格の残り一枠を目指し、今季最後のホーム戦で復調への糸口を掴む。(中田 康博)
○…土壇場で引き分けに持ち込まれたFC岐阜の天野賢一監督は「最後は逃げ切りたかったが、富山の粘りがあった。最後まで全力で戦ったが、ラストプレーで追いつかれて、勝負の厳しさを学びました」と振り返った。
11/10 20:53
スポーツ報知