【神戸】暫定首位に立ち最短30日にもクラブ初の“アレンパ”

後半3分、神戸・宮代大聖がゴールを決める(カメラ・朝田 秀司)

◆明治安田生命J1リーグ▽第35節 神戸2―0磐田(1日・ノエビアスタジアム神戸)

 2試合が行われ、神戸は2―0で磐田を下し、広島を抜いて暫定首位に立った。後半2分、FW宮代大聖(24)が右足で先制ゴール。自身初の2ケタ得点に到達した。最短30日の柏戦(三協F柏)でクラブ初の“アレンパ”が決まる。鹿島は川崎に3―1で勝利し、暫定4位に浮上した。

 神戸が、J1残留に執念を燃やす磐田を振り切った。0―0の後半2分、FW大迫がペナルティーエリアの外でボールをキープ。左から走りこんだFW宮代がフリーでパスを受け、右足でゴール右に流し込んだ。先制点に「落ち着いて蹴ることができた。一つの目標だった」と、自身初の2ケタ得点に到達。暫定ながら、チームを5月15日以来の首位に導いた。

 8月25日の鳥栖戦で2ケタ得点に王手をかけたが、そこから6戦無得点。足踏みをしている間に大迫、武藤(ともに11得点)ら元日本代表の同僚に先を越された。先輩の活躍に奮起し、ACLE(アジア・チャンピオンズリーグ・エリート)と天皇杯を含む10月は5試合4得点と復調。公式戦3戦連発で、吉田孝行監督(47)は「常にゴールを意識してくれる。チームにとって大きな存在」と評価した。

 今季、川崎から神戸に移籍。「攻撃の選手は点を取るのが仕事。サッカー選手として、努力することを忘れないようにしたい」と、自身を奮い立たせた。神戸のJ1での2ケタ得点3人は16年(レアンドロ19、渡辺千真12、ペドロ・ジュニオール11)以来、8年ぶりだ。

 先取した19試合は17勝2分け。「残り3試合、全て勝ち点3を絶対に取る」と宮代。最短で30日にクラブ史上初の連覇が決定する。同じ兵庫県を本拠地にするプロ野球・阪神がかなえられなかった“アレンパ”達成へ、大きな道が開けた。

     (森脇 瑠香)

 ◆宮代 大聖(みやしろ・たいせい)2000年5月26日、東京都生まれ。24歳。川崎の下部組織を経て、高校3年生だった18年にトップチーム昇格。19年にJ2山口に期限付き移籍し、20年に川崎復帰。徳島、鳥栖、川崎を経て今季から神戸に完全移籍。J1通算129試合、34得点。178センチ、73キロ。右利き。

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