森保ジャパン7戦ぶり失点…DF谷口彰悟「シンプルなミス。ショックは大きかった」大黒柱・遠藤不在響いた

後半13分、オウンゴールで失点し肩を落とす(左から)田中、南野(1人おいて)谷口、守田、GK・鈴木(カメラ・中島 傑)

◆北中米W杯アジア最終予選▽第4戦 日本1―1オーストラリア(15日・埼玉スタジアム)

 わずかな隙から痛恨の先制を許した。日本は後半13分、浮き球を守備ラインではね返せず、マーク不在でフリーで起点をつくられる。相手右クロスをDF谷口が右足でクリアしたボールは、無情にもゴールに吸い込まれた。競り合う相手がいない状況での失点。谷口は「シンプルなミス。ゲームを崩してしまった。ショックは大きかった」と両手で顔を覆った。超満員5万8730人で埋まった埼玉スタジアムの客席からは、ため息も漏れた。

 最後の場面は「事故みたいな失点」(DF町田)で、その後、相手のOGで辛くも引き分けた。森保一監督(56)は「悔しい結果だが、崩れてもおかしくない展開で選手がやるべきことを続けてくれた」とたたえたが、W杯予選では1つのミスが大きくのしかかる。

 最終予選3戦連続無失点を誇った板倉、谷口、町田の鉄壁3バックがほころび、2月のアジア杯・イラン戦以来7試合ぶりに失点した。主将MF遠藤が試合前日の14日、体調不良を訴えてベンチ外に。危機察知能力に優れ、球際の守備、セカンドボールの回収力にたけた中盤の大黒柱がいれば、失点を防げた可能性もある。攻撃に特徴がある田中が代役を務めたが、攻守で抜群の関係性を誇る遠藤、守田による盤石のボランチユニットが欠けた影響は少なからず出た。

 「アクシデント」(森保監督)で1点は失ったが、直近3戦14得点の攻撃陣のゴールは「1」にとどまった。ボール支配率は日本62・5%に対して相手は37・5%。右の久保、左の三笘を軸に敵陣で何度も押し込むも、フィジカルを生かした相手守備陣を最後まで崩しきれなかった。

 最終予選で日本史上初の開幕4連勝を逃した。「厳しい道のりを一歩一歩進んでW杯の出場権を取りたい」と指揮官。予選突破へ順風に変わりはないが、突きつけられた課題を糧にしなければいけない。(星野 浩司)

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