札幌地区の公立校で唯一代表切符勝ち取った札幌西が10年ぶり全道1勝目指す…全国高校サッカー選手権道大会19日開幕

8年ぶりの選手権道大会に向けて気勢を上げる札幌西の選手たち(カメラ・砂田 秀人)

 全国高校サッカー選手権(12月28日開幕、東京ほか)への出場権を懸けて戦う道大会が19日、函館で開幕し、29校が1枠の代表切符を目指す。8年ぶり出場となる道内屈指の進学校、札幌西は相手を徹底的に分析し、10校が出場する札幌地区から公立校で唯一、代表切符を勝ち取った。1、2年生のみの21人が、まずは10年ぶりの全道1勝を目指していく。

 難敵撃破の勢いを、札幌西が道大会での10年ぶり勝利につなげる。札幌勢10校中、唯一の公立校。地区代表決定戦で道大会4強歴のある酪農学園大とわの森三愛を1―0で破り、8年ぶりの全道切符を手にした。DF吉田倭主将(2年)は「どう戦うかをしっかり考えた結果」と思い返した。

 同戦に向け、ミーティングのみの日を設けた。山本繁雄監督(42)を中心に相手の攻撃を映像で分析。4バックから5バックに変更し、通常のつなぐ形ではなく守備から臨むことを選択した。前後半80分間を押される中も、吉田主将は「分かっていた展開だったので。試合が進むにつれてやれる感覚になっていたし、相手の焦りも見えた。気持ちの面で上に立てた」。80分を耐え、アディショナルタイムで決勝点を挙げる思い描いた形に持ち込んだ。

 道内屈指の進学校は夏で3年生は引退。1、2年生のみの21人でクラブチーム出身者は7人と少数も、吉田主将が「仲はいいが、しっかりと要求を出しあえるチーム」と言うように、意見をぶつけ合って互いを高めてきた。同校のモットーは「やることはやる やるときはやる やれるだけやる」。サッカー部も文武両道を貫き、全生徒がテーマを決めて取り組む探求学習では「ムチ打ちからムキムキにするには」などユニークな取り組みもしながら、結果も出した。

 2年生は14日から見学旅行に出発する。関西を中心に回って18日に札幌に戻る予定も、サッカー部は奈良には行かずに1日早く帰道し、18日に函館に入る。吉田主将は「全道の方が大事」と意に介さず、19日の初戦・滝川戦に目を向けた。初戦で敗れた前回出場の16年から今夏まで監督を務めていた森康成部長が、来年3月に定年を迎える。「全道1勝をして笑顔で終わってもらいたい」と吉田主将。目標達成へ、札幌西が一丸となって戦う。(砂田 秀人)

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