【神戸】元日本代表32歳ベテランが2戦連発 1―0逃げ切り5連勝 クラブ史上初の連覇へ首位に1差2位浮上

前半、シュートを放つ神戸・武藤嘉紀(右) (カメラ・豊田 秀一)

 9試合が行われ、神戸は元日本代表MF武藤嘉紀(32)が前半16分に先制ゴールを決め、1―0で浦和に逃げ勝ち、5連勝。首位に勝ち点1差で2位に順位を上げた。広島は2―0で町田を下し、勝ち点62で首位をキープ。敗れた町田は3位に転落した。

 勝負強さが光った。前半16分、武藤は右CKからのクロスに頭を合わせ、ネットを揺らした。「(DF初瀬が蹴るのを)ミスってボールが来たけど、とっさに体が反応した。あんなきれいに行くと思わず、驚きました」と笑ったが、完璧に仕留めた先制ゴールだ。2戦連発で昨年の10得点を上回る11ゴール目をマークし、チームを5連勝に導いた。

 チームトップの11得点も「不安はある」。神戸とは3年半契約で移籍。今季が最終年だ。「自分の価値を高めないといけないと、ひしひしと感じている。ゴール、アシストを増やしていかないと」と思いを明かした。

 欧州で実績を積んだ元日本代表も、7月15日で32歳になった。「けがもできない。メンタル的にもしんどい」と弱音も吐いたが、「サッカーに対する姿勢、ピッチ内外でも見せていきたい。勝負にこだわるところも」と、最後はストライカーとしての意識の高さが原動力につながっている。吉田孝行監督(47)も「武藤は自分勝手なプレーはなくチームプレーに徹してくれている。チームへの影響は大きい。練習から一切手を抜かない」と一目置いている。

 チームは首位・広島に勝ち点1差で2位に浮上。指揮官は「攻守でアグレッシブで躍動感のあるサッカーができるようになってきた」と胸を張った。クラブ史上初の連覇へ「目の前の敵に100%で挑んで勝ち切って、最後にいい景色を見られたらいい」と武藤。勝負師が神戸の強さを知らしめる。(森脇 瑠香)

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