J1ジュビロ磐田 福岡とスコアレスドローで降格圏脱出ならず…捧げられなかったスキラッチ氏への弔いの白星

前半、フリーでシュートを放つ磐田・高畑(カメラ・武藤 瑞基)

◇明治安田J1リーグ 磐田0-0福岡(21日・ヤマハ)

 18位のジュビロ磐田は福岡と今季初のスコアレスドローに終わり、降格圏脱出に失敗した。序盤から互角に渡り合ったものの、相手の堅い守備に苦戦し今季12度目の無得点。18日に死去したクラブOBのサルヴァトーレ・スキラッチ氏に白星をささげられなかった。前節王手をかけたJ1通算400勝もお預けとなった。次は28日、敵地で名古屋と対戦する。

 空から見守るレジェンドに、J1通算400勝目を届けることはかなわなかった。終盤、圧力をかけて攻め立てた磐田。だがシュートまで持ち込めないシーンが散見し、ホイッスルまでにゴールは割れなかった。暫定17位に浮上するチャンスを逃した横内昭展監督(56)は「勝利できず申し訳なく思っている。チャンスを多くつくらせてもらえなかったのは課題」と振り返った。

 90年イタリアW杯得点王で94年から97年まで磐田でプレーしたスキラッチ氏の死後、最初のゲーム。ヤマハスタジアムには献花台が設置され、多くのサポーターがJ1通算78試合56得点をマークした“トト”との別れを惜しんだ。試合前には黙とうがささげられ、選手は喪章を巻いてピッチに立った。

 前半は左MFに入った高畑が2度、決定的なシュートを放つもGKにセーブされ、スコアレスで折り返す。後半に入っても相手の球際の強さに苦戦し、0の時間が続いた。横内監督は同34分からFWペイショット、MFクルークスを投入。打開を試みたが、結局後半のシュートはFWジャーメインが放った1本にとどまり、福岡の壁を崩すには至らなかった。

 一方、守備は2試合連続で今季6度目となる無失点。指揮官も「進歩があった。この勝ち点1をポジティブに捉え、信じて準備していく」と顔を上げた。次は28日に敵地で名古屋戦が待つ。しぶとく、したたかに勝ち点を積んでいく以外に道はない。(武藤 瑞基)

 DF高畑(2試合連続先発に入り、攻守に存在感見せる)「決めきるところを逃したのが勝てなかった要因」

 MF中村(古巣相手に奮闘も)「自分たちの状況を考えると連勝は必要だった。物足りなさを感じる」

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