古豪と新勢力、実力の拮抗を証明した ドイツに逆転勝ち全く不思議はない…イングランド紙記者が日本戦を見た

後半、ゴールを決める浅野拓磨(カメラ・宮崎 亮太)

◆カタールW杯 ▽1次リーグE組 ドイツ1―2日本(23日・ハリファ国際スタジアム)=W杯取材班

 なんという結果だ! 日本がW杯の舞台でドイツを下した。前日にサウジアラビアがアルゼンチンを倒したことに続き、アジアのサッカーが今大会の優勝候補の一角である強豪国を打ち破った。W杯の初戦で最も重要なことは、まず負けないこと。ところが、日本はドイツ相手に負けないどころか逆転勝ちを収めた。

 MF堂安が決めた。それも酒井が絶好機を逃した失望に負けず、日本が攻撃の手を緩めなかったからだ。まさに不屈の精神力。それがこの同点弾を呼び込んだ最大の要因だった。そして後半38分、FW浅野が世界最高峰のGKノイアーを打ち破り、ゴールネットに文字通りに突き刺さる豪快なシュートを放って勝ち越した。W杯の歴史に“JAPAN”という文字を大きく刻んだ。それだけの勝利だ。

 サッカーの超大国と新興国の差は縮まっているといわれるが、この日の日本の勝利は欧州と南米の王者たちの自己満足を打ち砕き、古豪と新勢力の実力が拮抗(きっこう)してきたことを証明した。とはいえ、今や多くの日本人が欧州のトップクラブで活躍していることから、代表チームがこのような勝利を収めても全く不思議はない。

 もちろん、この勝利は大きい。これだけでも歴史的だ。しかし、この勝利を決勝トーナメント進出につなげなければ、さらにドイツ戦勝利の歴史的意義を深めることができない。ドイツに逆転勝ちした事実を大きな自信に変えることができれば、次戦のコスタリカ戦も勝利を期待できる。そうなれば、片足をベスト16に踏み入れることになるだろう。

 ◆マーク・オグディン 1974年10月10日、英国マンチェスター近郊のバリー生まれ。48歳。09年から英高級紙「デイリー・テレグラフ」でマンチェスターUを担当し、ファーガソン監督勇退スクープで、13年英スポーツライター・オブ・ザ・イヤー受賞。イングランド代表担当として10、14、18、22年W杯現地取材。

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