本田、悲壮のロシア入り!香川復活でトップ下先発窮地…32歳バースデーはかつてないピリピリムード

 【カザン(ロシア)13日(日本時間14日未明)】サッカーのW杯ロシア大会は、14日に開幕する。日本代表はオーストリアでの事前合宿を打ち上げ、チャーター機でキャンプ地の当地に到着した。MF本田圭佑(パチューカ)は、この日が32歳の誕生日。集大成と位置づけている3度目のW杯を、約束されたポジションがない窮地で迎えることになった。

 32歳の節目は、かつてない“崖っぷち”で迎えた。この日が誕生日だった本田は、「集大成」と位置づける決戦の地・ロシアに到着。確固たる定位置がないまま、臨戦態勢を整えた。

 オーストリア・インスブルックで行われた12日のパラグアイ戦では、出番がなかった。同夜には宿舎に専属の美容師を呼びこみ、ヘアスタイルを微調整。特に左サイドをさらに短く刈り込んだ。これも決意の表れか-。

 一夜明けて誕生日の13日、宿舎を出発する際に設けられた選手らの取材エリアでは報道陣の呼びかけに応じず、小さく会釈しただけでバスに乗り込んだ。硬い表情に、ピリピリとしたムードも漂う。インスブルック空港では祝福の花束を受け取り、サングラス姿で少し笑みをこぼした。

 同日のツイッターには「時間に対する意識がまだまだ低い。もっともっと大事にしないと」と書き込んだ。真意は定かではないが、W杯開幕を目前に控えて“危機感”を抱いているようにも受け取れる。

 トップ下で先発した8日のスイス戦は、見せ場もなく0-2で完敗した。本田が出場した代表戦は7試合連続勝ちなし。一方、トップ下を争うライバルMF香川はパラグアイ戦で1ゴール2アシスト。4-2での勝利に導いた。対戦相手との力量差を差し引いても、本田はトップ下争いで劣勢に追い込まれたとの見方が広がっている。

 ロシアには思い入れが深い。2010-13年までCSKAモスクワで、3度欧州チャンピオンズリーグに出場するなどキャリアの中で最も輝いていた場所だ。関係者によると、「ロシアでプレーした選手はいない。それは日本にとっても有利になる」と話していたという。ロシアでは欧州に近い地域の芝は深めで、寒さの厳しい地域は短く硬いことが多い。ピッチの感覚に慣れるには“場数”も大きく影響する。自身の経験を最大限に還元する意欲はある。

 32歳となった背番号4について、西野朗監督(63)は「長友が『年齢は関係ない』と言っていたが、その通りだと思う。そういうことを考えてキャリアを積んでいない」と思いを代弁。パラグアイ戦を経て「(レギュラー選考を)悩みたいと思っていたが、その通りになった」と、熾烈(しれつ)な争いを予言した。

 本田は10年、14年ともに誕生日の翌14日にW杯初戦を戦い、ともに1得点を挙げた。“持っている”と自負する要因は、バースデーにまつわるところも大きい。14日に大会は開幕し、世界は祭典モードに突入。日本は19日の1次リーグH組初戦コロンビア戦まで、あと5日。長く日本代表の象徴的存在だった金狼が、静かに“逆襲”のときを迎える。 (大石豊佳)

★86年組で4ショット

 32歳の誕生日を迎えた本田に、チームメートはSNS上で祝福した。DF長友はインスタグラムに「86年組。圭佑、32歳誕生日おめでとう!」と記した上で、同じ1986年生まれのFW岡崎、GK東口を含めた4ショットをアップした。DF槙野はインスタグラムで「Off to Russia」と題して、MF長谷部を中心に機内で撮影した集合写真を投稿した。

★2010年南アフリカ大会

 大会前には連敗が続き期待薄だった日本だが、FW本田は1トップに起用されて奮闘。1次リーグ初戦のカメルーン戦で前半39分に左足でゴールを決め、1-0での勝利に貢献した。第2戦のオランダ戦は無得点も、第3戦のデンマーク戦では直接FKで先制点を決めるなど3-1での勝利に導き、下馬評を覆して2勝1敗で1次リーグを通過した。決勝トーナメント1回戦はパラグアイに敗れたが、本田は1トップで全試合に先発出場した。

★2014年ブラジル大会

 南アフリカ大会と違い前評判は高かった。1次リーグ初戦のコートジボワール戦では前半16分に本田がゴール前で左足を振り抜き、豪快な先制点を決めた。だが試合は後半に2失点して逆転負け。第2戦のギリシャ戦は0-0。第3戦のコロンビア戦は全く歯が立たず、1-4で敗れた。本田も無得点に終わった。大会前に「サプライズを起こしたい。優勝したい」と豪語した本田だったが、結果は1分け2敗で1次リーグ敗退となった。

ロシアW杯ガイド

 ★開催期間 2018年6月14日~7月15日(32日間)。

 ★出場国 開催国のロシアと、各大陸予選を勝ち抜いた計32カ国・地域。

 ★開催都市  モスク ワ、エカテリンブルク、カリーニングラード、カザン、ニジニーノブゴロド、ロストフナドヌー、サンクトペテルブルク、サマラ、サランスク、ソチ、ボルゴグラードの11都市。

 ★決勝 7月15日にモスクワのルジニキ競技場で開催。

 ★行き方 日本からモスクワまで直行便で10時間半程度。

 ★時差 国土面積が広く、国土内で時差が異なる。試合会場では最も西に位置するカリーニングラードは日本より7時間、モスクワ、サンクトペテルブルク、ニジニーノブゴロドなど8都市は6時間、サマラは5時間、最も東に位置するエカテリンブルクは4時間遅れとなっている。

 ★初導入 W杯では今大会で初めて導入されるものは、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)、延長で4人目の選手交代を認めるなど。

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