横浜FC・俊輔 J1昇格への青写真とベストな役回り

俊輔(中)は交代で退くカズからキャプテンマークを託された

 天才レフティーはまだまだ貪欲だ。サッカーの天皇杯3回戦は14日、各地で行われ、J2横浜FCはJ1横浜Mとの“横浜ダービー”に1―2で敗れ、下克上はならなかった。MF中村俊輔(41)はカズことFW三浦知良(52)と19年ぶりの先発競演を果たしたが、チームを勝利に導くことはできなかった。残るはJ1昇格をかけたリーグ戦。元日本代表の司令塔が大目標に向けて立候補した「役回り」とは――。

 2人のレジェンドが同じピッチに立つのは、日本代表として戦った2000年6月のジャマイカ戦以来で、同時先発は同年3月のマカオ戦以来。天皇杯3回戦では異例のチケット完売となり、スタジアムは1万2489人のサポーターであふれかえった。そんな試合で俊輔は大先輩の得点をお膳立てできず「マリノスのボール回しがうまかったので、僕も他の選手もボールを追いかける時間が長くて、カズさんにいいボールを出せなかった」と悔やんだ。

 移籍前のJ1磐田時代も含め、今季初のフル出場となったが、納得のプレーには程遠い。7月に移籍したばかりで下平隆宏監督(47)の戦術にフィットしようと試行錯誤中だ。
「チームが出来上がっている中、このチームのやり方で自分を少しずつ出していく感じ。(シーズン)途中から入ってきた選手に合わせることはないから、チームを自分の色に染めるのではなく、自分がこのチームに染まるにはどうしたらいいかと思ってやっている」

 ただ、負傷が癒えてコンディションも上がっており、戦術理解度の高い俊輔ならフィットするのも時間の問題。そうなった時、J1昇格請負人としての真価を発揮するのは間違いない。

 俊輔の頭の中には昇格までの青写真ができている。チームが好調をキープしている現状では「俺がポンと入っても難しいし、周りの人も難しくなる。今は(先発で)入らない方がいい」。その一方で、チームの調子が狂い始めた時こそが自分の“出番”だと認識している。

「プロだから試合に出ることに執着しないといけないけど、もしかしたら(チーム状態が)良くない時がきたら自分が入って修正して、一回ベンチに引くことだってあり得る。頭から出るのであれば、自分が出てなかった前回の試合で『ここが悪かったからこうしよう』とかして、うまくいくようにやっていきたい」

 俊輔が考えるベストの役回りは「静と動」の使い手。むやみに自分を主張するのではなく、時には引くことでチームを改善する。そのバランスで大きなプラスを生み出そうとしている。

「今、ちょうど(J1参入プレーオフ)圏内(5位)に入っているけど、目標はやっぱり自動昇格(2位以内)なので、そこを狙いながらチームの意識を高く持たせるのが自分の役目」

 百戦錬磨のベテランは自分の立ち位置を見定め、カズとともにJ1ロードを切り開くつもりだ。

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