まさに衝撃…今世紀最大の「電撃トレード」で移籍した5人。他球団へ移った主力選手たち

産経新聞社

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2022年のプロ野球はトレードが少なく、2月以降から数えてもわずか3件に留まった。だが、これまでのプロ野球では「電撃トレード」も数多く発生し、主力選手が他球団に移籍したケースも少なくない。そこで今回は、2000年以降に発生した電撃トレードで他球団に移籍し、活躍を見せた、または活躍中の5人を紹介する。

 

 

小久保裕紀(ダイエー→巨人)


 
出身:和歌山県
投打:右投右打
身長/体重:182cm/87kg
生年月日:1971年10月8日
ドラフト:1993年ドラフト2位
 

 福岡ダイエー、ソフトバンクホークスの看板選手として大活躍した小久保裕紀。小久保のトレード発表は、数多くのプロ野球ファンに衝撃を与えた。
 
 青山学院大学時代は、学生で唯一バルセロナ五輪(1992年開催)の代表として選出。銅メダルの獲得に貢献すると、翌年のドラフトでダイエーに入団した。1年目こそ苦しんだ小久保だが、2年目から28本塁打を放つなど見事な活躍を見せ、この年の本塁打王にも輝いた。
 

 
 2001年には44本のアーチを描いた小久保だが、2003年のオープン戦で右ひざを負傷し、1軍・2軍ともに試合出場なし。すると、ダイエーホークスが日本一を決めて優勝パレードが終わってから数日あまり、小久保の読売ジャイアンツへのトレードが発表されたのだ。また、トレードの内容は「無償トレード」。けがで1年間試合に出なかったとはいえ、あまりに衝撃的な扱いと言えるだろう。
 
 このトレードには球団内、そしてファンから疑問や怒りの声が続出。当時監督だった王貞治すら「球団の対応に疑問が残る」と発言したほどだ。移籍は小久保から打診されたもので、けがの治療費の未払いなど、フロントに対する不信感が積み重なった結果とも言われている。
 
 2007年から再びホークスに復帰し、最後は同球団で引退したものの、衝撃度の大きなトレードだった。

糸井嘉男(日本ハム→オリックス)


 
出身:京都府
投打:右投左打
身長/体重:188cm/99kg
生年月日:1981年7月31日
ドラフト:2003年ドラフト自由枠
 

 2022年9月13日に引退会見を行い、2022年シーズン限りでの現役引退を発表した糸井嘉男は、3球団を渡り歩いて活躍した「超人」だ。だが、糸井もトレードによる移籍を経験した1人である。
 
 2003年のドラフトで日本ハムファイターズ(2004年から北海道日本ハムファイターズ)に投手として入団したが、2006年から野手に転向した。すると、持ち前の身体能力を存分に発揮し、2009年からレギュラーを獲得。4年連続で打率3割を記録したバッティングに加えて、強肩を生かした守備で大活躍した。
 

 
 ところが、2012年のオフ、2対3のトレードでオリックス・バファローズへのトレードが発表された。かつてファイターズに在籍し、ともに戦ったダルビッシュ有はTwitterで「糸井さんトレードとか、ありえん」と投稿しており、球界にも大きな影響を与えたことが垣間見える。
 
 トレードの理由は「糸井がポスティングの利用によるメジャー移籍を球団に要望したこと」と言われている。思わぬ形での移籍となった糸井だが、バファローズ時代には首位打者や盗塁王といったタイトルを獲得するなど、「トレードを後悔させる」活躍を見せた。

中田翔(日本ハム→巨人)


 
出身:広島県
投打:右投右打
身長/体重:184cm/107kg
生年月日:1989年4月22日
ドラフト:2007年高校生ドラフト1巡目
 

 ファイターズの4番を長く務め、2021年途中からジャイアンツに在籍する中田翔。中田のトレードもまた、さまざまな意味で衝撃的だった。
 
 大阪桐蔭高校の4番として甲子園でも活躍を見せた中田は、ドラフト1位でファイターズに入団。3年目の2010年にプロ初本塁打を記録すると、2011〜2020年の10年連続で二桁本塁打を達成した。また、最多打点のタイトルも3回獲得しており、ファイターズに欠かせない主力となる。
 

 
 しかし、2021年のエキシビションマッチ(東京五輪開催によるシーズン中断中の特別試合)の試合中、中田が同僚に対して暴力行為をしたことが発表された。この騒動により中田は1、2軍全試合の出場停止処分を受ける。そして、騒動から2週間ほどが経過した後、ジャイアンツへの無償トレードとなった。
 
 中田の獲得に関しては、おそらくジャイアンツファンも複雑な胸中だったはずだ。実際、2021年は極度の不振に陥っており、戦力として期待できるのか疑問の声もあった。しかし、2022年はすでに20本塁打以上を放ち、打率も.280を超える(2022/09/21時点)など「ジャイアンツの4番」として復活。問題を起こした事実は残り続けるが、ジャイアンツで成績も残し続けることができるのか注目したい。

涌井秀章(ロッテ→楽天)


 
出身:千葉県
投打:右投右打
身長/体重:185cm/85kg
生年月日:1986年6月21日
ドラフト:2004年ドラフト1巡目
 

 西武ライオンズのエースとして活躍し、その後は千葉ロッテマリーンズ、現在は東北楽天ゴールデンイーグルスに在籍する涌井秀章。2022年で18年目のプロ生活となった涌井は、在籍した3球団全てで活躍を見せている選手だ。
 
 横浜高校からドラフト1位でライオンズに入団し、2年目(2006年)から5年連続で二桁勝利を記録。16勝6敗、防御率2.30を残した2009年は最多勝・沢村賞・ゴールデングラブ賞を獲得した。しかし、その後は不調に陥りクローザーに転向する年もあった。そして、2014年からマリーンズに活躍の場を移す。
 

 
 移籍2年目の2015年は15勝9敗で、自身3度目の最多勝を獲得した。2016年も10勝を挙げる活躍を見せたものの、2017〜2019年は思うような成績を残せず、2019年オフに金銭トレードでのイーグルス移籍が発表された。
 
 トレードの理由としては、マリーンズの若手先発陣が育っていたこと、涌井が先発にこだわりを持っていたことなどが挙げられていた。2022年はけがの影響で離脱期間が長くなったが、シーズン終盤で復帰を果たしており、優勝争いに欠かせないピースとして活躍を続けている。

澤村拓一(巨人→ロッテ)


 
出身:栃木県
投打:右投右打
身長/体重:184cm/102kg
生年月日:1988年4月3日
ドラフト:2010年ドラフト1位
 

 中央大学からドラフト1位でジャイアンツに入団し、即戦力として活躍した澤村のトレードも世間を賑わせた。
 
 2011年は11勝、2012年は10勝を挙げ、新人から2年連続で二桁勝利を記録した澤村。その後は苦しむ期間もあり、2015年より中継ぎ(結果的にはクローザー)に転向する。ランナーを出す場面もよく見られたが、2016年は37セーブでセーブ王のタイトルを獲得した。
 

 
 しかし、その後は安定感に欠ける投球が多くなり、2020年のシーズン途中にマリーンズへのトレードが発表された。香月一也とのトレードが発表された際は、澤村がドラフト1位かつルーキーイヤーで成績を残したこと、そしてセーブ王のタイトル獲得など香月との「実績」の差に注目が集まったほどだ。
 
 新天地での澤村は、移籍後初登板で3者連続三振を奪うなど大活躍。22試合の登板で防御率1.71・29の三振を奪い、リリーフとして貴重な戦力となった。同年に海外FA権を取得し、2021年からはボストン・レッドソックスに移籍。2022年のシーズン終盤に自由契約が発表されており、今後の去就が注目されている。

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