トレーニングの“定番”腕立て伏せに詰まった効果 球速&コントロール向上に直結
トレーナーの林泰祐氏は腕立て伏せを推奨「複合的な要素詰まっている」
冬場のトレーニング期間に入り、室内で体を動かす時間が増えている。日本と米国でトレーニングを学んだ林泰祐さんが、3回に渡って自宅でもできる小、中学生向けのトレーニングを紹介。最終回は中学生を対象に、上半身と下半身を強化するメニューを解説する。継続すれば、球速や飛距離アップが期待できる。
林さんは豊富な知識と経験を生かし、少年野球からプロ野球まで幅広く選手を指導している。選手の年代によって必要なトレーニングは変わり、成長期の小、中学生には高校以降で活躍するためのエクササイズを勧めている。
上半身を鍛えるメニューの1つが「プッシュアップECC」。プッシュアップは腕立て伏せ、ECCはゆっくり下ろす動きを意味する。内容はシンプルだが、林さんは「腕立ては複合的な要素が詰まっていて重要なトレーニングです」と話す。腕立て伏せの格好から5秒かけて地面に胸をつけ、素早く腕を伸ばして元の格好に戻る。上手くできない場合は、腕立ての姿勢で両膝をついた姿勢でも構わない。
この時、首からお尻にかけてのラインを真っ直ぐに保つのが大切。波打つように体を上げている選手は、体幹を使えていない。体幹を使うタイミングが遅いと、打撃や投球で力任せに体を回してしまい、腰回りを怪我するリスクがある。
走攻守で生きる「サイドシフト」 野球で重要な横向きの動き
プッシュアップECCは体幹に加えて肩甲骨を寄せる動きが入るため、投手の球速アップやコントロール向上にもつながる。林さんは「肩の可動域が広くなれば球速は上がりやすくなります。体幹もあらゆる動きで重要なので、高校や大学に行った時に生きてきます」と説明する。
下半身のメニューで勧めるのが「サイドシフト」。主に太腿の裏を鍛える目的があり、走攻守で基本となる足に体重を乗せる横向きの動きにつながる。
まずは、足を肩幅の1.5倍くらいの広さに開く。次にラジオ体操にある伸脚をイメージして、片方の膝を曲げて体重を乗せ、反対側の足を伸ばす。そして、曲げた方の足で地面を強く蹴って最初の姿勢に戻る。注意するのは、曲げた方の足の膝が内側に入らないようにすること。お尻や太腿に体重が乗らず、効果が薄れてしまう。
横の動きは投手が軸足から踏み出す足へ体重移動する時、打者がステップする時、走者が盗塁のスタートを切る時など、様々な場面で大事になる。中学生で地道にトレーニングしておけば、筋力がつく高校や大学で成長曲線を描ける。(First-Pitch編集部)
01/18 07:50
Full-Count