高校以降のステージで生きる 怪我を防いで球速アップ…小学校高学年向けトレーニング

米国でトレーナーを務めた経験のある林泰祐さん【写真:白永崇大】

米国でトレーナーを務めた経験のある林泰祐さん【写真:白永崇大】

トレーナー林泰祐氏 怪我を予防し肩回り鍛えるメニュー実演

 日本と米国でトレーニングを学んだ林泰祐さんが解説する小、中学生向けのエクササイズ。前回の小学校低学年編に続き、今回は高学年を対象にしたメニューを紹介する。自宅でもできるシンプルな内容で、球速アップが期待できるという。

 林さんは少年野球からプロ野球まで幅広いカテゴリーで選手をサポートしている。成長期の小、中学生を指導する際に重視するのは、高校以降のステージで生きるトレーニング。年代に合わせたメニューが、怪我の予防や将来的なパフォーマンスアップにつながると考えている。

 小学校高学年向けのメニューには「ハンドウォーク」がある。肩甲骨を安定させる筋肉を鍛えるもので、肩の故障を防いで球速を上げる効果がある。立った状態で前屈し、足は動かさずに両手だけ前に進める。腕立て伏せの格好まできたらストップし、両手を地面につけたまま、お尻を上げて体を「く」の字に起こしていく。この時、両手首で地面を強く押すと効果が高くなる。

球速アップに不可欠な下半身 太腿裏を強化するトレーニング

 球速を上げるには下半身の使い方も重要になる。特に、いかに地面から無駄なく力を得るかがポイント。林さんが勧める「スプリットスクワット」は太腿裏の筋肉が強化され、地面からの力を吸収する動きや筋力が身に付く。

 足を肩幅より少し広めに開いて、体を90度左側に向ける。次に、左足8割・右足2割のイメージで足の裏に体重を乗せていく。ゆっくりとかがみ、素早く元の体勢に戻る。体を上下させる際、左膝が左足のつま先より前に出ないように気を付ける。

 小、中学生は体の大きさに差が出やすい。成長期の遅い子どもたちは焦ってしまいがちだが、慌てずに体ができ上がる時期への準備を進めることが大切。エクササイズの継続は将来の財産となる。(First-Pitch編集部)

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