【高校野球】「あとは任せると伝えたい」 京都国際・森下が笑顔でライバルに託した日本一の夢

京都国際・森下瑠大【写真:荒川祐史】

京都国際・森下瑠大【写真:荒川祐史】

森下は先発のマウンドに上がるも3回5安打4失点で降板

 京都国際のエース・森下瑠大投手(3年)は笑顔で甲子園を去った。6日に行われた第104回全国高校野球選手権大会の大会初日第3試合は、京都国際が延長11回に5-6で一関学院(岩手)にサヨナラ負け。3回5安打4失点、初戦で姿を消したプロ注目左腕は「本当に大きな3年間だった」と、最後まで感謝の言葉を口にしていた。

 わずか46球でマウンドを去った。初回から集中打を浴び3失点で逆転を許すと、3回には1死二塁から後藤叶翔捕手(3年)に左前適時打を浴び4点目。この回で降板すると4回からは右翼の守備に就き、打撃に専念した。

「自分が打たれて流れが悪くなった。全然ダメでしたが、高校野球の一番、良い舞台でやらせてもらった」

 夏の甲子園初出場となった昨年は、投打で活躍しベスト4入りの立役者となった。今春の選抜は出場が決まっていたがコロナ禍により出場辞退となり、その代替出場の近江は準優勝を果たした。同じ4番・エースの山田陽翔投手(3年)とは甲子園で投げ合う約束を交わしていたが「僕たちはもう日本一を取れないので、あとは任せると伝えたい」と、日本一の夢は球友に託すつもりだ。

小牧監督「もう少し、いい状態で投げさせたかった。初日なので彼の経験値にかけた」

 選抜後に痛めた左肘は万全ではなかった。試合後は肘の張りを感じたようで「(影響は)多少はあったかもしれない。(状態は)70%ぐらい」と吐露。それでも、涙はなく、グラウンドでは常に笑顔を絶やさなかった。「甲子園の舞台を楽しむことを一番に考えたので、自然と笑顔が出た」と充実した表情を見せた。

 小牧憲継監督もエース左腕が本調子でないことを感じていたが「もう少し、いい状態で投げさせたかった。初日なので彼の経験値にかけた」と、説明し「この経験は上の世界で生かしてくれる。ここで終わる選手じゃない」と今後の活躍に期待を込めた。

 プロ12球団のスカウトが熱視線を注がれる森下は「上の世界でやりたいと思うので、プロ1本でいくと思う」と、きっぱり。夏ベスト4、コロナで出場辞退、左肘の故障――。高校3年間で酸いも甘いも経験した左腕は、次なるステージに挑む。(Full-Count編集部)

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