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中日大島の自主トレに期待のドラ1が集うワケ 経験者証言「疲れすぎて朝起きたくない」

中日・根尾昂、大島洋平、ロッテ・藤原恭大(左から)【写真:荒川祐史】

中日・根尾昂、大島洋平、ロッテ・藤原恭大(左から)【写真:荒川祐史】

2018年から「大島塾」に入門した元中日の遠藤一星氏が語る過酷さ

 2月の春季キャンプに向け、プロ野球選手たちは自主トレに励んでいる。チームメートらと一緒に汗を流すケースも多い中、中日のベテラン・大島洋平外野手が中心となって行う日本生命グラウンド(大阪・貝塚市)での自主トレはひときわ盛況だ。参加者はその過酷さに驚くが、球団の垣根を越えてブレーク候補生たちも次々と入門。1軍への“登竜門”と化している。

「1年で一番きついですね。とにかく、きつい。全身が張りすぎて、ベッドから降りられない。疲れすぎて、朝起きたくないくらいです」

 そう笑って振り返るのは、2018年から「大島塾」に参加してきた元中日の遠藤一星氏。先輩外野手を慕い、毎年1月はこれでもかと体をいじめ抜いてきた。

 1日みっちり8時間。春季キャンプよりも過酷な自主トレは、細かい筋肉まで意識しながら数々のメニューをこなしていく。「自分の体を知ることができました」と新たな気づきも。何より、30代半ばを迎えても全く衰え知らずな安打製造機が追い込む姿が最も刺激になる。「洋平さんというお手本がいて、あれだけの選手がこんなにやってるんだなと思わされます」と噛み締める。

元中日・遠藤一星氏【写真:荒川祐史】

元中日・遠藤一星氏【写真:荒川祐史】

近年は中日・根尾、ロッテ・藤原、広島・中村奨らも入門

 2018年シーズンは1軍で2試合出場にとどまるも、翌2019年は開幕1軍入りからキャリア最多の108試合に出場した。2021年限りで戦力外通告を受けてユニホームを脱いだが、地獄の日々だった1月の“恒例行事”は今でも大きな財産だ。

 ただ過酷なだけでなく、結果も伴うのが大島塾。もちろん本人たちの取り組み方や努力、運にもよるが、確かに前例はある。チームメートの高橋周平内野手は2018年に初めて規定打席に到達すると、2019年には三塁でベストナインを獲得。昨季こそ打撃不振に苦しんだが、不動のレギュラーとして一本立ちした。

 そんな虎の穴には近年、将来を嘱望される期待の若手たちも集っている。ロッテの藤原恭大外野手や広島の中村奨成捕手、そして中日の根尾昂内野手。1軍で存在感を見せ始めている“ドラ1”たちが、球界屈指のバットマンのエキスを吸収してきた。

 甘えなく追い込むトレーニングの質と量。そして、慕いたくなる大島の存在。「野球の話もたくさんさせてもらいました。超一流の選手は全く偉ぶらないというか、人間力という面でも勉強になりました」と遠藤氏も語る。学び多き大島塾は、若き才能を覚醒に導くヒントを与えている。(小西亮 / Ryo Konishi)

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