空振り三振王、見逃し三振王は誰? 1位は両リーグを代表する強打者

広島・鈴木誠也と西武・山川穂高(左から)【写真:荒川祐史】

広島・鈴木誠也と西武・山川穂高(左から)【写真:荒川祐史】

「空振り三振」と「見逃し三振」の割合は…オリックスは「空振り」が80%超

「空振り三振は積極的にチャレンジした結果だが、見逃し三振は消極的な態度の表れ」ということで見逃し三振が咎められる傾向にあるようですが、見逃し三振覚悟でヤマを張り、狙い通りならバッティング、そうでなければ無理に体勢を崩さず見逃すことでバッティングが向上するという実例もあるようです。

 今回は打者の「空振り三振」と「見逃し三振」に分けてランキングを紹介していきます。

 まずは12球団の三振における「空振り三振」と「見逃し三振」の割合を見てみましょう。

○2018年チーム三振
【パ・リーグ】
オリックス
空振り三振 811(80.9%) 見逃し三振 191(19.0%)

楽天
空振り三振 847(78.9%) 見逃し三振 220(20.5%)

西武
空振り三振 863(78.2%) 見逃し三振 236(21.4%)

日本ハム
空振り三振 856(77.7%) 見逃し三振 242(22.0%)

ソフトバンク
空振り三振 772(77.3%) 見逃し三振 220(22.0%)

ロッテ
空振り三振 680(76.6%) 見逃し三振 204(23.0%)

セ・リーグ
中日
空振り三振 758(77.3%) 見逃し三振 207(21.1%)

DeNA
空振り三振 803(77.1%) 見逃し三振 227(21.8%)

広島
空振り三振 851(74.5%) 見逃し三振 276(24.1%)

阪神
空振り三振 801(73.8%) 見逃し三振 274(25.2%)

ヤクルト
空振り三振 682(73.3%) 見逃し三振 237(25.5%)

巨人
空振り三振 795(71.0%) 見逃し三振 305(27.2%)

 オリックスの空振り三振の割合が80%を超えています。積極的にスイングにいってはいるものの、ボール球に手を出す確率も多く、空振りが増えているという様子が伺えます。

○2018年 空振り三振ランキング (カッコ内順位は三振ランキング)
山川穂高(西武) 111(1位)
丸佳浩(広島) 108(2位)
ペゲーロ(楽天) 102(5位)
レアード(日本ハム) 100(3位)
福田永将(中日) 100(7位)
バレンティン(ヤクルト) 99(4位)

○2018年 見逃し三振ランキング (カッコ内順位は三振ランキング)
鈴木誠也(広島) 42(11位)
岡本和真(巨人) 39(5位)
田中広輔(広島) 37(9位)
筒香嘉智(DeNA) 36(17位)
山田哲人(ヤクルト) 33(7位)
嶋基宏(楽天) 33(38位)
秋山翔吾(西武) 32(29位)

 空振り三振のランキングでは、三振上位の顔ぶれが並んでいますが、見逃し三振の方では必ずしも相関があるというわけではありません。

今春オープン戦ではヤクルト村上が高い三振率、その内訳は…

 では、三振が70以上で、空振り三振と見逃し三振の割合が大きい打者のランキングをみてみましょう。

○2018年 空振り三振割合ランキング
今江年晶(楽天) 93.4%
外崎修汰(西武) 89.2%
中村剛也(西武) 87.5%
松田宣浩(ソフトバンク) 87.0%
西浦直亨(ヤクルト) 86.7%
ソト(DeNA) 86.4%
中村奨吾(ロッテ) 86.0%

 今江が喫した三振76のうち、見逃し三振はわずか5でした。典型的なフリースインガーで積極的に振りにいくバッティングスタイルです。

○2018年 見逃し三振割合ランキング
嶋基宏(楽天) 37.1%
鈴木誠也(広島) 36.2%
糸原健斗(阪神) 35.6%
筒香嘉智(DeNA) 33.6%
秋山翔吾(西武) 33.3%
坂本勇人(巨人) 32.5%
岡本和真(巨人) 32.5%

 上位3選手の共通点はもともとスイング率が低いということ。特に糸原はスイング率だけでなく、ボール球スイング率や空振り率もセ・リーグ最少を記録しています。しっかりコースを見極めながらのバッティングスタイルであることを示しています。

 なおオープン戦での三振ランキングと空振り三振、見逃し三振の割合は以下の通りです。

村上宗隆(ヤクルト)
23(空振り20 見逃し3)

ブラッシュ(楽天)
18(空振り12 見逃し6)

金子侑司(西武)
16(空振り10 見逃し6)

ゲレーロ(巨人)
16(空振り8 見逃し8)

上林誠知(ソフトバンク)
15(空振り12 見逃し3)

西浦颯大(オリックス)
15(空振り12 見逃し3)

バルガス(ロッテ)
14(空振り12 見逃し2)

 村上は54打席で23三振と43%の三振率を記録しており、そのうちの87%が空振りの三振です。豪快なバッティングスタイルで三振の数が増えていますが、本塁打4本、OPS(出塁率+長打率).866と結果を残しており、今季ヤクルトのサードとして開幕スタメンが期待されています。

 ロッテの新外国人選手バルガスも86%の空振り三振率を喫しています。こちらは打率.095、OPS.483とまだ結果を残していません。なおバルガスの各指標をみると

O-swing%(ボール球スイング率)23.1%
Z-contact%(ストライクゾーンコンタクト率)75.7%
Sw-str%(空振り率)18.2%

 と、まだ対応に苦慮している様子が伺えます。(鳥越規央 / Norio Torigoe)

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、様々なスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、アイドル業界にも精通し、テレビ・ラジオ番組への出演、データ監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。一般社団法人日本セイバーメトリクス協会会長。

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