【MLB】二刀流と並ぶ球界変革「オープナー」 CY賞左腕「当初はバカげていると…」

レイズのブレイク・スネル【写真:Getty Images】

レイズのブレイク・スネル【写真:Getty Images】

今季レイズは先発が足りず、やむを得ずブルペンデーを採用

 2018年、メジャーは“二刀流”大谷翔平の登場に沸いた。打って投げての本格的二刀流は、野球の神様と呼ばれるベーブ・ルース以来、実に100年ぶりの出来事だった。大谷は右肘靱帯の故障のため、途中戦列を離れたが、投手として4勝2敗、防御率3.31、打者として打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁を記録。今季のア・リーグ新人王に輝いた。

 大谷の活躍を受けて、メジャーでは二刀流という考え方に門戸が開かれたが、今季はもう1つ、球界に新たな概念をもたらす出来事があった。それが「オープナー」の採用だ。MLB公式サイトでは「レイズ改革の始まり」と題した特集記事を掲載。そこで「オープナー」の第一人者になったベテラン救援セルジオ・ロモにインタビューを行っている。

 二刀流・大谷を擁することで、通常5人の先発ローテを6人に増やし、週に1度の先発スケジュールに変えようとしたエンゼルス。それに対して、レイズは故障などから先発投手の数が足りず、先発4人+救援投手のリレーで凌ぐ「ブルペンデー」を用いるしかない状況になった。「ブルペンデー」は必要から生まれた産物だったという。

「ブルペンデー」の発展形とも言える「オープナー」

 先発ローテの谷間を救援リレーで凌いだチームが、レイズが初めてではない。長いメジャーの歴史を振り返っても、たびたび登場することで全く珍しいことではなかった。だが、レイズは今季「オープナー」を使うことで、その概念を一歩進化させた形になったという。

 ここで一度定義を確認しておこう。「ブルペンデー」あるいは「ブルペニング」と呼ばれるものは、初回から中継ぎ投手を1、2イニングずつ投げさせてつなぐ投手の起用方法だ。そして「オープナー」とは、打者との相性を考えて、最も理に適ったリリーバーを初回に投入し、2番手としていわゆる先発投手を起用する方法だ。

 レイズが初めて「オープナー」を採用したのは、今年5月19日、敵地でのエンゼルス戦だった。そして、栄えある初代「オープナー」を務めたのがロモだったというわけだ。記事の中でロモは当時を振り返り、「先発することを)2日前に告げられた。『今日投げなければ、恐らく先発することになる』って。不安だったわけじゃないけど、『得意なことをやってくれればいい。それが初回ってだけなんだ』って言われて、『それは面白そうだな』と思ったんだ」と明かしている。

CY賞スネルは「当初はバカげていると思った」

 この試合に先発したロモは、初回を3者連続三振にしめてお役御免。チームを見事勝利に導いた。そして、ロモは翌20日も「オープナー」として初回に登板。この日は1回1/3を投げて2四球を与えながらも3奪三振で無失点に抑えた。

 記事によれば、レイズは今季55試合で「オープナー」を採用したほか、「ブルペンデー」が23試合あったという。これが成功したことは、ご存じの通りだが、チーム内でも当初から全員賛成だったわけではなさそうだ。今季21勝5敗、防御率1.89の大活躍でサイ・ヤング賞に輝いたブレイク・スネルは「当初はバカげていると思った。僕はやりたくなかった」と告白。だが、次第に「オープナー」が結果を出すのを見て「信じ始めるようになった」と言い、「今では気に入っている。レイズは僕が間違っていると証明したんだ」と明かしている。

 時代とともに進化し、愛され続ける野球というスポーツ。ロモは「オープナー」について「これが野球を完全に変えたと思うかって? いいや、思わないよ。だけど、少しだけより楽しいものにしたと思うよ。クールな選択肢の1つだね」と話しているが、レイズの新たな試みはこのまま定着していくのだろうか。(Full-Count編集部)

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