広島3連覇の守護神は何を背負ってきたのか――救援不振のいま「中崎語録」にその重圧を思う

広島の中崎

 いま、広島・中崎翔太投手(27)が背負い続けた抑えの重圧を思う。リーグ3連覇時の絶対的守護神として、史上2人目の3年連続の胴上げ投手にもなった。今季9回を務めた投手が軒並み調子を落としていることが、その半端ではない責任の重さを教える。中崎は、何を思い9回のマウンドに上がり続けていたのか――。いま一度、取材ノートを見返したい。

 中崎は、防御率を信頼の指標とみていた。「先発と違って1イニングしか投げないわけだから、防御率は、抑えがチームで一番低くないといけない。防御率が3点、4点台と高ければ、選手から“なんでお前が抑えなんだ…”と思われる。そこは、抑えになってから考えるようになった」。ナインからの安心感を抑えの条件としていた。

 チームの勝敗を背負った。2018年は、今村、ジャクソンが不振。勝ちパターンが不安定だった当時を振り返り、「僕が崩れたらチームが終わってしまうという思いでやっていた」と責任から目を背けなかった。

 そして、反省を忘れなかった。「僕が思っているのは、切り替えるのではなくて結果を受け止める。なぜそうなったのか、次はどうしたらいいのかを考えないと、次の日も同じことを繰り返す。切り替えて結果を忘れてはいけない。だから、僕は切り替えないようにしている」。失敗も糧に信頼を勝ち取っていったのだ。

 7月23日の阪神戦(甲子園)。自身663日ぶりのセーブを挙げた一岡は、「これまでと同じような気持ちで投げようと思ったけど、思うようには投げられなかった。改めて抑え投手は凄いと思った」と独特の緊張感を振り返った。

 今季の中崎は、開幕を1軍で迎えながらも、現在再調整として2軍で汗を流している。低迷する救援陣を支えられないもどかしさを感じていることだろう。開幕前、「(昨年が)ふがいなかったからこそ、いままで以上に結果を残したい」と話していた。重圧に耐え続けた経験を生かす時間はまだ残されている。(記者コラム・河合 洋介)

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