ドジャース大谷翔平10月ワールドシリーズで二刀流復活!

大谷翔平

 今季は“投手”を封印している天才が見据えるポストシーズンの展望は、ピンチにチームを救う復活登板だ!!

水原一平の違法賭博問題が発覚

 風雲急を告げる中、大谷翔平(29)の2024年シーズンが始まった。

「開幕早々、水原一平・元通訳による違法賭博問題が発覚して、日米球界に激震が走りましたが、どうやら大谷本人は“シロ”ということで落ち着きそう。精神的にも相当ダメージは負っているはずですが、そこは稀代の負けず嫌い。4月2日時点でも全試合にフル出場を続けています」(スポーツ紙大リーグ担当記者)

 気丈にプレーする大谷だが、今季は自己ワーストとなる開幕から40打席ノーアーチを経験している。

 4日のジャイアンツ戦の第4打席には、右スタンドに飛び込む豪快なアーチを放ったが、打率・270と、8試合で打率5割を超えていたオープン戦からすると物足りない。

 では、識者の声はどうか。

ホームランも増える

 今季もつぶさに大リーグをウォッチする福島良一氏は、「そう心配する必要はない」と、こう続ける。

「目下、4試合連続弾のベッツ(31)らが絶好調なこともあり、数字的には大谷が霞んで見えますが、相変わらず鋭い打球を飛ばしていますし、ボールの見極めもしっかりできているので、内容的には悪くない。

 ホームランが出やすい角度“バレルゾーン”に打球が入るようになれば、本塁打も増えるでしょう」

 実際、3月31日、本拠地でのカージナルス戦の第3打席で放った二塁打は、打球速度115・8マイル(約186・3キロ)と強烈な当たり。

 大リーグ公式サイトによると、この数字はデータ解析ツール“スタットキャスト”が導入された2015年以降で、球団最速の安打記録でもあるという。

通訳を介さないコミュニケーション

「また、件の騒動以降、大谷本人は通訳を介さないコミュニケーションにも積極的。ロバーツ監督も“いい面ばかり”と言うように、これが彼への信頼度向上にもつながっている。

 捜査の結論が出るのは先でしょうが、こと野球に専念するという部分に関しての障壁はないはず」(前同)

手術した肘の回復具合

 一方、そんな最高の環境の中でプレーする大谷のもう一つの関心事と言えば、昨年9月に2度目の手術をした肘の回復具合だ。

 前出のスポーツ紙大リーグ担当記者は「まだ可能性の話でしかないが」と前置きしたうえで、こう言う。

「すでにキャッチボールを再開するなど、回復は順調。彼のポテンシャルをもってすれば、予定の前倒しも十分に考えられます」

ポストシーズンに弱いドジャース

 ナ・リーグ西地区では無双状態のドジャースも、ポストシーズンには弱い。

「チームを“投手・大谷”が救うなんて筋書きも、ない話ではないですよ。

 10 月のWS(ワールドシリーズ)進出となれば、なおさら。イニング限定で投手・大谷の復活なんて場面を期待したい」(前同)

 ファン目線では確かに、これ以上ない筋書きだ。

 今季は「ない」とされていた投手・大谷の復活が、仮にWSのような大舞台で実現するとなれば、先のWBC世界一以上の“奇跡”だが……。

WS投手の復活はリスクが大きい

 むろん、これには前出の福島氏から「リスクが大きすぎる」との指摘も。

「今は最低でも1年半はかけるというのが米球界での常識です」

松坂大輔

「実際、2012年、当時レッドソックスの松坂大輔も手術から、ちょうど1年でスピード復帰していますが、その後“完全復活”に至らなかったのは周知の通り。あえてリスクを取るメリットも、今の大谷にはないでしょう」

カーショウとビューラーがリハビリ中

 ちなみに現在、ドジャースでは、サイ・ヤング賞3度のカーショウ(36)、21年に16勝のビューラー(29)と主戦クラスが、今季の復帰に向けリハビリ中。

 特にビューラーは、手術も2度目とあって、投手・大谷の境遇と相通じる。

「ビューラーは一昨年の8月に手術を受けて、31日に、ようやくマイナーで実戦復帰したばかり。その前例を見ても、球団が大谷にゴーサインを出す可能性は低いと思います」(前同)

野手ではハーパーの例も

 なお、野手では、一昨年11月の手術から史上最短の約160日で復帰したハーパー(31/フィリーズ)の例もあるが、「それでも、本来の外野ではなく一塁手での復帰でしたからね」(同)

結婚し再出発の年に

 ただ、そうは言っても、常に我々の想像をはるかに超えてくるのが大谷という男。

 母・加代子さんの実家近辺でも「結婚もしたし、再出発の年にしてほしい」と期待の声は膨らむばかり。

 少年時代の大谷と家族ぐるみで親交があったご近所さんも、「ずっと応援してきたけど、彼ほど逆境に強い男はいない」と力を込める。

中継ぎや初回だけなら

「素人考えだけど、たとえ先発は無理でも、あと半年あれば、中継ぎや初回だけなら、いけるかもしれない。WBCだって“決勝ラウンドでは投げない”といわれていた中でマウンドに上がって、胴上げ投手になったしね。そういう子なのよ」

 現実的に考えれば、今季中の投手・大谷の復活はハテナ。ただ、大谷翔平という唯一無二の“怪物”に我々の物差しは通用しない。

「今回は2度目の手術なので、リハビリも手探りではなく経験済み。前人未到の驚異のスピード復帰もあるのでは」(日本球界関係者)

 誰も見たことがない“奇跡”を起こすだけの力が、彼にはあるはずだ!

前回の右肘手術からの復帰スケジュール

18年10月1日 右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建術(トミー・ジョン手術)を受ける。

19年3月8日 術後初のキャッチボール。12メートルの距離で30球行った。

6月26日 術後、初ブルペンで計43球を投げた。

10月上旬 同年9月に行った左肘の手術から1か月ぶりに投球練習再開。

20年2月23日 キャンプで初のブルペン入り。

3月13日 新型コロナウイルスの感染拡大でキャンプ中断。

5月下旬 打者を相手に実戦想定の投球開始。

7月26日 公式戦に登板。1死も取れずに5失点で降板。

復帰まで693日 今回は?

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