プレミア12取材中の米敏腕記者が絶賛したのは“あの”メジャー希望投手ではなかった…「源田壮亮の守備は世界で3本の指に入る」

 野球の国際大会「WBSCプレミア12」は、いよいよ明日21日からスーパーラウンドがスタートする。日本、米国、ベネズエラ、台湾の4チームで総当たり戦を行い上位2チームが24日に決勝で対戦する。今大会を取材しているMLBネットワークのジョン・モロシ記者は、番組「ホットストーブ」にリモート出演して侍ジャパンの守備力を称え、オープニングラウンドでは2試合にショートで先発出場している西武の源田壮亮(31)の守備を「世界で3本の指に入る」と称賛した。日本は初戦で米国と対戦する。

 侍ジャパンのシートノックのボール回しにも驚嘆

 侍ジャパンはオープニングラウンドを全勝で勝ち抜き東京ドームでのスーパーラウンドに駒を進めた。中日の高橋宏斗、阪神の才木浩人、巨人の戸郷翔征、楽天の早川隆久らの将来のメジャー挑戦を視野に入れるレベルの高い先発陣を揃えて大会に臨んだ侍ジャパンは、大接戦となったキューバ戦を7-6で競り勝つなど、さらに1戦1戦、力をつけている。日本、米国、ベネズエラ、台湾と4チームがスーパーラウンドに進出したが、侍ジャパンが優勝の大本命だ。
 今大会には、敏腕記者で知られるMLBネットワークのジョン・モロシ記者が随行。台湾から同番組「ホットストーブ」にリモート出演して侍ジャパンについて報告した。
 同記者がまず語ったのは、国際試合で24連勝と無敵の強さを示している点。
「この数字を聞いてほしい。彼らは我々が取材しているプレミア12を含め、過去にプレミア12、東京五輪、ワールド・ベースボール・クラシックと続けて24連勝している。あらゆるレベルの主要国際大会で日本が最後に負けたのは5年前のプレミア12だ。東京ドームでのスーパーラウンドでの米国戦だった。それでも大会は優勝した。つまり彼らは2017年のWBC以来、7年以上にわたってメダルをかけたトーナメント大会で負けていない。どれだけ侍ジャパンが素晴らしいかということだ。彼らは、優勝を信じている台湾、米国、ベネズエラと今週から東京のスーパーラウンドで対戦する」
 モロシ記者が示したデータの通り、日本が最後に国際試合で敗れたのは、2019年のプレミア12のスーパーラウンドで米国に3-4で喫した黒星。だが、稲葉篤紀監督に率いられた侍ジャパンは、3勝1敗で決勝へ進み、韓国を5―3で下して優勝している。そこから2021年の東京五輪の金メダル、2023年のWBC優勝と“無敗街道”を突き進んでいる。また菅野智之が先発した準決勝で米国に敗れた2017年のWBC以来、優勝も逃していない。
 モロシ氏は、日本の強さの理由をその守備力に結びつけた。特にシートノックの前に行う華麗なボール回しに感銘を受けたという。
「私が最も気に入った場面は侍ジャパンの内野守備練習だ。彼らはチーム全体でダイヤモンドの周りで同じタイミングでボールを回し合っている。ハーレムグローブトロッターズ、パリ・オペラ座バレエが一本化したかのようだ」
 ハーレムグローブトロッターズとは、エンターテイメントなショーを魅せるバスケットボールのエキシビションチーム。曲芸のような技を披露する集団と、オペラ座のバレエの美しい演技に侍ジャパンのシートノックの技術を重ねた。

 

 

 日本は、ここまでオープニングラウンドの5試合で、わずかに3失策。キューバ戦で中日の清水達也が同点に追いつかれる打球の処理ミスを犯し、ドミニカ共和国戦で、巨人の井上温大が牽制悪送球、一塁を守る日ハムの清宮幸太郎が打球を後逸したが、堅実な守備力が他チームの脅威となっている。
 その中でもモロシ記者が絶賛するのが、西武の源田の守備だ。今大会では、オリックスの紅林弘太郎との併用で、キューバ戦、台湾戦の2試合にしか先発出場はしていないが、その技術は、モロシ氏の目に留まった。
源田壮亮の遊撃の守備はあらゆるレベルで世界でも3本の指に入る。この男のゴロさばきを見るために私はお金を払うだろう」
 お金を払う価値のあるプロの技術だと絶賛するのである。
 ただ31歳で、今のメジャーではショートにも高い打力が求められるため、メジャー挑戦することは難しいだろう。それでも米敏腕記者が、メジャー挑戦を視野に入れている高橋らのレベルの高い投手ではなく、まず源田の名前を出すほど、彼の技術が世界でもトップクラスであることが証明された。日本は明日21日から米国、ベネズエラ、台湾と3連戦を戦い、24日の決勝進出を目指すことになる。

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