「あなたは脱がないの?」の質問をパレード中に受けた大谷翔平が「絶対にない」…米メディアはアクセントもバッチリの流暢な英語スピーチを「珍しい」と絶賛

 4年ぶりにワールドシリーズを制覇したドジャースの優勝パレードと特別祝賀会が1日(日本時間2日)にロサンゼルス市内で行われ、大谷翔平(30)は妻の真美子さん(27)と愛犬「デコピン」と共に二階建てのバスに乗り込み、沿道を埋めたファンの歓声に応えた。続いて満員のドジャースタジアムで行われた特別祝賀会では、流暢な英語でスピーチ。米メディアは「珍しく英語で発言」とその様子を取り上げた。

 愛犬デコピンも参加

ロサンゼルス市警が約15万人と発表した大群衆がドジャースの世界一を祝福した。ナインや家族が天井がオープンになった7台の特別仕様の二階建てバスに乗り込み、市庁舎前から1.6キロの距離を約45分間かけてパレードした。
 「レッツゴー!ドジャース」
 マイクを使って女性アナウンサーが盛り上げると、ファンも一緒になって「レッツゴー!ドジャース」と大合唱で応えた。
 前回ワールドシリーズを制覇した2020年は、新型コロナ禍で行われなかったため、優勝パレードは1988年以来、実に36年ぶり。ファンが爆発するのも無理はない。
 大谷は、妻の真美子さんと愛犬のデコピンを抱えて乗り込んだ。ワールドシリーズ制覇記念の白いキャップを後ろ向きにかぶり、黒の同記念シャツにデニムをはいてファンの歓声に終始笑顔で手をふってこたえた。チームメイトは、葉巻を吸い、ビールをラッパ飲みしていた。
 大谷はパレードの途中で地元局「スポーツネットLA」のインタビューをバスの上で受けた。
「壮観ですし、こんなに人がいると思っていなかったのでちょっと圧倒されています」
 そして「1年目からこうやって応援してもらって受け入れてもらって感謝していますし、最高の結果をチームとして出せて素晴らしい1年だったなと思います」と答えた。
 キケ・ヘルナンデスは上半身裸でバスに乗り込み沿道のファンを扇動していた。
「あなたはキケみたいにTシャツを脱がないの?」とインタビュアーに突っ込まれると、英語で「ノー。ネバー(絶対にない)」と笑顔で返した。
 同じバスに乗っていた盟友のテオスカー・ヘルナンデスから「ショウヘイ、なんかやれよ」と、いじられたが、「へへへ」と、笑いでごまかして何もパフォーマンスは見せなかった。
 パレードを終えた大谷ら全ナインは、そのままドジャースタジアムに移動して、満員のファンに迎えられて特別祝賀会を行った。
 ロスを代表する超有名ラッパーのアイスキューブが歌うラップミュージックに合わせて、デイブ・ロバーツ監督が登場してダンスした。
 選手が1人づつ花道を通って登場。大谷が走って舞台に登場するとひときわ大きな歓声が巻き起こった。ワールドシリーズの第2戦で盗塁を試みた際に左肩を亜脱臼しながらも、「1番・DH」で出場を続けた不屈の魂を称えたのだ。
 ワールドシリーズの第1戦で逆転サヨナラ満塁本塁打を放つなど、4試合連続本塁打の活躍で大会MVPとなったフレディ・フリーマンも、足首のねん挫と肋骨の骨折を乗り越えてプレーした。
「君たちのためにフィールドに立つためにできる限りのことをしたよ。そしてチャンピオンシップを手に入れた。(怪我を乗り越えて)プレーしてよかったと思う。来年またこの祝賀会をやることが待ちきれない」
 そう語りかけてファンを感激させた。

 

 

 テオスカー・ヘルナンデスが、感極まって涙を流すとスタジアムも感動の拍手に包まれた。
 そして祝賀会のムードを最高潮にしたのが、大谷のまさかの英語のスピーチだった。
大谷翔平から一言聞きたいよね」
 ロバーツ監督から、そうふられてマイクを渡された大谷は、「This is so special moment for me(これは私にとって特別な瞬間です)」とアクセントも発音もバッチリの流暢な英語で第一声。
 普段は通訳を挟む大谷のまさかの英語スピーチに満場のタジアムがどっと沸く。
 その歓声が収まるのを待って大谷はこう続けた。
「I am so honered to be here and to be a part of this team.(ここに立つことができ、チームの一員になれたことを光栄に思います。Congratulations Los Angeles.(おめでとう。ロサンゼルス!)Thank you fans(ファンのみなさんありがとう)」
 鳴りやまないほどの歓声が場内を包んだ。
 自分のスピーチが終わると大谷は「由伸は?」と、山本由伸を探した。チームメイトは、「ヨシ!ヨシ!ヨシ!」のコールで、恥ずかしがっていた山本を最前列に押しだした。
 サングラスをかけていた山本もマイクを持ち「Thank you Dodgers fan!(ドジャースのファンのみなさん、ありがとう)」と英語で絶叫した。
 大谷は、今年のMVP受賞式でも、長文の英語スピーチを行うなど、節目、節目で英語を披露してきたが、米メディアにとっては、サプライズとして受け止められた。
 地元メディアの「KTLA5」は「ドジャースの優勝セレモニーで大谷が珍しく英語で発言」という見出しをとって、こう伝えた。
「メジャーリーグ史上初の『50-50』選手であり、ナ・リーグMVPがほぼ確実視されている大谷は、金曜日にドジャースタジアムの観客の前で英語での珍しいスピーチをしてチームのワールドシリーズ制覇を祝った」
 そして「チームメイトに表彰台に引きずり込まれそうになった後、シャイなことで有名な日本の二刀流のスーパースターは、彼の野球キャリアでほとんどやったことのないことをした」として英語のスピーチの全文を掲載した。
 同メディアは「大谷はこの冬、ドジャースと記録的な10年総額7億ドル(約1064億円)の契約を結んだ。エンゼルスのアナハイムでの6年間を経て、大谷は青いユニフォームを着た1年目に球界最大の賞(ワールドシリーズ制覇)を獲得した。9度目の世界一があるのか。それは時間が立たなければわからない」と記事をまとめた。 
 大谷が狙うのも世界一連覇だ。

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