巨人の菅野智之がド軍ベッツと同じ代理人と契約して今オフメジャー挑戦へ…元サイヤング賞投手クラスの評価「1年の短期契約で好投手を補強したい球団が興味」

 巨人の菅野智之(34)が今オフに海外FA権を行使してメジャーへ挑戦する意向であることを米スポーツ専門局「ESPN」の敏腕記者で知られるジェフ・パッサン氏が報じた。またフランシス・ロメロ記者によると、ドジャースのムーキー・ベッツ(31)と同じ代理人事務所「VCスポーツグループ」と契約したという。今オフのFA市場では、元サイヤング賞投手のコービン・バーンズ(オリオールズ)、ブレイク・スネル(ジャイアンツ)らのトップクラスの先発投手に加わり、「1年の短期契約で好投手獲得を狙う球団が興味を示す可能性が高い」との見方も伝えられている。

 「再活躍でメジャーへの道が開ける」

 衝撃的なニュースが日米を駆け巡った。敏腕記者で知られるESPNのパッサン記者が情報筋の話として「彼の世代では日本プロ野球で最も成功した日本人投手である巨人の菅野智之が、この冬に海外FAでメジャーに来る」と報じたのだ。
 菅野は今季24試合に登板して、最多勝タイトルが決定的な15勝3敗、防御率1.67の成績で巨人の優勝に貢献したが、同記者は「再活躍したことで、ついにメジャーへの道が開かれた」と伝えた。
 MLB公式サイトなどのF複数のメディアが一斉にこのニュースをフォロー。ロメロ記者は、独自ネタとして、菅野のメジャー挑戦の本気度を示すようにすでにドジャースで大谷翔平と1、2番コンビを組んでいるベッツが契約している代理人事務所「VCスポーツグループ」と契約を果たしたという。菅野は以前、山本由伸らが契約している代理人事務所「ワッサーマン」と契約していた。
 菅野は、14勝2敗、防御率1.97の素晴らしい成績を残してMVPを受賞した2020年のオフにもポスティングによるメジャー挑戦を目指した。米専門サイト「トレード・ルーマーズ」によると、当時、ジャイアンツ、メッツ、レッドソックス、パドレス、ブルージェイズ、レンジャーズなど複数の球団から興味を示したが、新型コロナ禍の影響で各球団の財政を圧迫されていた事情もあって、希望の条件には届かず契約には至らなかった。菅野は1年8億円(推定)で巨人に残留した。
「トレード・ルーマーズ」は、4年4000万ドル(現在のレートで約59億円)での残留だったと伝えた上で、「シーズンごとにメジャー挑戦するためにオプトアウトできるオプションが与えられていたが、契約期間中はジャイアンツに留まった。菅野が2021,2022、2023年と海外FAを行使しなかった理由の一つはパフォーマンスの低下だったのかもしれない」と伝えている。
 2021年は6勝7敗、防御率3.19、2022年は10勝7敗、防御率3.12と立て直したが2023年は故障もあり登板数は14試合に減り、4勝8敗、防御率3.36だった。
パッサン記者は、今季の菅野の投球内容を分析。フォーシームの平均球速は92マイル(約148キロ)で「ツーシームに頼っている」。82マイル(約132キロ)のスライダーと87マイル(約140キロ)のカッターが投球の約20%を占め、86マイル(約138キロ)のスプリッター、77マイル(約124キロ)のカーブを交えて、その6つの球種すべての数値が上がっているという。
「その6球種の組み合わせは、NPBの打者を困惑させた。中日の22歳のエースで、将来MLBへの移籍が期待されている高橋宏斗が防御率1.38を示し、菅野はスピードに欠けているが、配球と投球能力で補っている。菅野は156イニングを投げてわずか、16四球、6本塁打で111奪三振を記録している。昨季は77回3分の2だったイニング数を今季は倍以上に増やした」と紹介した。

 

 

 また「トレード・ルーマーズ」は、「今季の18.3%の三振率は、2016年から20年にかけての24.2%よりも低かったが、ベテラン投手として新たな方法で成功を収めている。今季の与四球率2.6%はキャリアベスト。彼の奪三振と四球の比率は6.94で、2016年以来の最高だった。さらに対戦した608人の打者に対して被本塁打はわずかに6本で本塁打率は0.99%。これは彼のキャリアの中で最も低い本塁打率であり、2021-23年の2.91%の本塁打率よりも大幅に低くなっている。さらに菅野は3試合に完投したが、2021年以来、1試合も完投していなかった」と評価。
 MLB公式サイトは、2007年のWBC準決勝の米国戦に先発した際の動画を張り付けた上で「菅野は米国チームのメジャーの打者を圧倒した。6回3被安打1失点、6奪三振を記録し、ノーラン・アレナドを3三振、クリスチャン・イェリッチ、ジャンカルロ・スタントン、アダム・ジョーンズをそれぞれ1三振に仕留めた」と紹介した。
 またパッサン記者は、大谷翔平ダルビッシュ有山本由伸、田中将大、千賀滉大、菊池雄星、今永昇太の名前をあげて「菅野の世代の優秀な選手はほぼ全員がすでにメジャーに移籍している」と付け加えている。
 菅野が海外FA県を行使すれば、今オフのFA市場で先発の目玉になるという。
 「トレード・ルーマーズ」は「先発投手の市場には、コービン・バーンズ、菊池雄星、マックス・フリード、ジャック・フラハティ、そしてオプトアウトのできるブレイク・スネルなど多くのビッグネームが揃う。菅野の年齢から考えると彼も長期契約を求めていない。短期契約で、トップクラスの先発投手を補強したいチームにとって彼は興味深い代替選手になる可能性がある」と伝えた。バーンズ、スネルは元サイヤング賞の受賞投手だ。
 一方でロメロ記者は「いいオファーがなければ日本を離れない。多くの関係差は1年契約+オプション以上にはならないと予想している」との見方を示している。
 山本、今永の活躍で、メジャーでの日本投手への評価はまた上がっており、35歳という年齢はあるが、短期契約なら、4年前以上の条件がオファーされるかもしれない。
 クライマックスシリーズのファイナルステージを控え、そしてその先の日本シリーズでの日本一を狙っている菅野は、すべての戦いが終わった後にどんな決断を下すのだろうか。

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