「ショウヘイがエネルギーを与えてくれた」9回に53号同点ソロの大谷翔平との“アベック弾”でサヨナラ演出のベッツが「53ー55」到達の同僚スターを絶賛

 ドジャースの大谷翔平(30)が22日(日本時間23日)、本拠地でのロッキーズ戦に「1番・DH」で出場、5打数4安打1打点1本塁打2盗塁の活躍で「53本塁打―55盗塁」に記録を伸ばした。53号ソロは9回の価値ある同点アーチで、続く2番打者ムーキー・ベッツ(31)の19号サヨナラ本塁打でチームは6-5で勝利し、地区優勝争いでパドレスのゲーム差を「3」にキープした。ヒーローのベッツは試合後「ショウヘイがエネルギーを与えてくれた」と舞台を整えた大谷を称えた。

 「大谷がドジャースを背負っている」

 やはり頼れるのは大谷だった。4-5で迎えた9回。この回先頭の大谷は、ロッキーズの6番手の右腕セス・ハルボーゼンがカウント2-1から外角低めに投じた88.7マイル(約142キロ)のスプリットを右中間スタンドに放り込んだ。いつもの確信歩きはなく、すぐさま走り出し、二塁ベースを回ったところで、ベンチへ向かって吠えた。
 スコアボードには西地区の優勝争いをしている2位のパドレスが逆転勝利した結果が映し出されていた。「53-55」到達の起死回生の一発にベンチが沸きたつ。
 MVPトリオの1人、ベッツがハルボーゼンのシンカーを引っ張った。打球はレフトスタンドの最前列に飛び込んだ。サヨナラ19号。大谷、ベッツのアベック弾によるあまりにも劇的な勝利にドジャースタジアムは興奮の坩堝である。
「このショウは続く、どこまでも」
 大谷の活躍に引っ掛けて、そう伝えた地元紙オレンジカウンティレジスターによると、次打者のベッツは、興奮した口調で、逆転サヨナラの9回をこう振り返ったという。
「(この勝利は)大きかった。スコアボードを見てサンディエゴが勝ったことがわかったから特に。彼らは勝った。我々もここでの勝利が必要だった。ショウヘイが本塁打で勢いをつけ、我々にいくらかのエネルギーを与えてくれた。それで幸運に私も良いスイングができたんだ」
 ベッツは大谷の同点の53号ソロがチームにエネルギーを与えたことを証言した。
 もし負けていればパドレスとのゲームは2となり、24日(同25日)からの本拠地での直接対決の3連戦で3連敗すれば、順位がひっくり返るところだったのだ。
 ベッツは、さらに大谷をこう賞賛した。
「大谷が彼のその広い両方の肩にドジャースを背負っていることは明らかだ。ただこれは、ここ最近のことだけではない。ずっとだった。だから彼は(10年)7億ドル(約1010億円、の契約)を得たんだ。我々を引っ張っているし、そして我々も彼を支えなければならない」

 

 

 この日の大谷は、またまた凄かった。
 1回にレフト前ヒット。3回にセカンド強襲ヒットで出塁するとベッツの打席で54個目となる二盗に成功。7回の第4打席にはライト前ヒットで出塁すると、またベッツの打席で55個目の盗塁を決め「52―55」に到達。続くフリーマンのライト前タイムリーでホームを踏み、4―5と1点差に詰め寄り9回の劇的な逆転サヨナラ舞台への下地を作った。
 同紙は「周りの選手は低調だが、大谷はワンマンショーを演じてきた」とし、ここ8試合で、36打数18安打、二塁打4本、本塁打6本、19打点、12得点の成績を残し、さらに5試合連続盗塁を決め、その間7盗塁していることを紹介した。
 またデーブ・ロバーツ監督も最上級の言葉で大谷を称えた。
「彼は今人間のようには見えない。彼にはミッションがある。それが見ていてわかる。彼は戦い続け、貪欲であり続けている。勝利を欲しているのがわかる。毎日、準備し、盗塁を決めよう、ヒットを打とうと躍動している。彼はシーズンで3割を打ちたがっていると思う。彼が、最初の数打席で反対方向へと打っているのがわかるだろう。3割を打ち、50本あまりの本塁打、120あまりの打点と多くの盗塁。彼とすべての時間を過ごしているわけではないが、これだけの集中が長い間続くのは考えられないことだ」
 大谷は、53本塁打、123打点で、2冠をキープ、さらにこの日の5打数4安打で、打率を.301と3割に乗せてリーグ3位に浮上している。
 またMLB公式サイトによると、この3試合で大谷を抑えきることができず、1勝2敗と負け越すことになったロッキーズバド・ブラック監督は「彼はスーパースターだ。偉大な選手。彼は50本塁打以上を放っている。あれが彼の仕事で、ドジャースのやり方だろう」とコメント。勝ちゲームを逆転される原動力となった今季のMVPの最有力候補に脱帽し、敬意を示した。

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