「デコピンの始球式は真剣に行われた」米メディアが大谷翔平の愛犬の始球式を絶賛…成功の裏に3週間の特訓とドジャースタジアムでのテストランも

 ドジャースの大谷翔平(30)の愛犬「デコピン」が28日(日本時間29日)、本拠地で行われたオリオールズ戦の始球式を見事に務めて5万3000人を超える大観衆を喜ばせた。米メディアも大絶賛。大谷が42号&41、42盗塁を決めて、ドジャースが6-4勝利したこともあってデーブ・ロバーツ監督(52)までデコピンの関連コメントを寄せた。

 「僕が緊張した」

 先着来場者4万人に大谷がデコピンを抱えたボブルヘッド人形が配布される「ショウヘイ・ボブルヘッド・デー」とあって5時間以上前からドジャースタジアムを行列が囲んだ。詰めかけたファンは5万3290人。そしてファンのもうひとつのお目当てが大谷の愛犬デコピンの始球式だった。
 大谷は自分を同じ背番号「17」のドジャースユニホームを着たデコピンを抱えてマウンドへ向かい「おやつポーチ」に入ったおやつを“武器”にボールをそばに置いて「待て」を命じた。大谷だけが捕手の位置へ走ったがデコピンは賢く待機。捕手役で座った大谷が合図を送るとデコピンはボールをくわえて大谷の元へ一目散にダッシュした。大谷にボールを渡して見事に始球式をストライクで成功させたのだ。大谷はデコピンとハイタッチ。「おやつポーチ」から「よくできました」とおやつをプレゼントして、抱えたままベンチへ戻るとチームメイトから大歓迎を受けた。
 地元局スポーツネットLAによると大谷は始球式を振り返り「ファーストピッチは僕が(成功できるか)緊張していたんですが、なんとか綺麗に決めてくれてよかったと思います」と満面の笑み。始球式の練習は「3週間くらいしました」と明かした。
 米メディアもこのデコピンの始球式ショーに注目した。
 オレンジカウンティレジスター紙は「大谷翔平…ドジャースがオリオールズを破りトップドック(首位)を独走」と、首位と愛犬を重ねた見出しを取り、「ドジャースのユニホームをまとい、デコイ(デコピン)は飼い主の指示で従順にマウンドに座り、それから飼い主の指示を受けるとタイミングよくホームベースの後ろにいる大谷へ始球式のボールを運んでハイタッチした。彼らが一緒になったボブルヘッドの夜で満員の観客に大喜びをもたらした」と紹介した。
「デコイが大谷一家のスターとなるそのすべての15分間が、かわいらしく、ソーシャルメディアですぐに広まりそうな瞬間だった」と続けた。
 MLB公式サイトは「デコイ(!)が始球式でストライク。そして大谷が本塁打を放ち2盗塁を奪う」との見出しを取った記事で、始球式について触れ「大谷のフィールド上でのパフォーマンスと同様に素晴らしかったデコイの始球式は試合後のロッカールームでも依然として話題になっていた」と伝えた。
 そしてロバーツ監督の始球式に関するコメントまで掲載した。
「今日強い印象を残したのは誰か?」との質問にロバーツ監督はためらうことなく大谷の愛犬の名前をあげて「デコイが始球式を行うと聞き、その犬がすでにトレーニングされていると聞いて感心した。ショウヘイの犬であれば、何も驚くことではなかった。とても素晴らしかった」と返したという。

 

 スポーツ専門局ESPNは「ファンたちが大谷、デコイのボブルヘッドのためにドジャースタジアムで列を作る」との見出しを取り、こう評した。
「大谷と今や有名となった彼の愛犬デコイによるソーシャルメディアですぐに広まりそうな始球式は、ただ行われたものではなかった。真剣に行われたものだった。大谷は彼のコーイケルホンディエ(デコピンの犬種)を自分がホームベースの後ろに座るまでの間、マウンドで待たせ、それから合図と同時に口でボールを拾って彼の元へ向かって走るトレーニングに3週間も費やし、ドジャースタジアムでのテストランも1度行った。大谷にとっては『楽しい練習』だった」
 3週間の特訓に加えて、極秘でドジャースタジアムでのテストランまで敢行されていたという舞台裏を明かした。同メディアは大谷とデコピンとの関係を記しつつ「大谷は彼とメジャーリーグのキャリアで最も記憶に残る試合のひとつを分かち合った」とした。
 大好評だったデコピンの始球式はまた企画されそうだ。

ジャンルで探す