「ドジャースはその球に興味がないと言われた」大谷翔平「40-40」記念球を巡りまた不手際?レイズ外野手が投げ返した球をゲットした男性が地元局に証言

ドジャースの大谷翔平(30)がレイズ戦でのサヨナラ満塁本塁打で史上6人目となる「40本塁打-40盗塁」を決めた記念球を巡って“場外戦”が勃発した。グラウンドに跳ね返ってきたボールをレイズのホセ・シリ(29)がスタンドに投げ返したことで争奪戦が勃発。一時行方がわからなくなっていたが、ロサンゼルスのテレビ局KTLA5が、ゲットした人物を見つけ出した。記念球を手に入れた詳細が語られ、驚くべき“真実”が明らかになった。

記念球の争奪戦は「混乱、狂乱、修羅場だった」

 行方不明だった記念球の“ありか”が判明した。
 大谷は映画のワンシーンのような劇的なサヨナラ満塁弾で史上6人目となる「40-40」を達成。右中間の最前列に飛び込んだ打球は、フィールドに跳ね返ってきた。「40-40の記念球だとは知らなかった」というレイズのセンターのシリがスタンドに投げ返してしまい、再びスタンドで争奪戦が勃発したようだが、行方は不明となり、誰かが持ち帰ったことしかわかっていなかった。
 その中でロサンゼルスの地元局KTLA5が、記念球を持ち去った人物を見つけ出してインタビューした。同局によるとゲットしたのは、ロス在住のトロイ・ブエンテオさんで、息子と義理の父の3人で初めてドジャースタジアムの観戦に訪れた。
 大谷が王手をかけていた「40-40」達成への期待感で「球場全体が興奮でざわめき、電気が走るような感じだった。大谷が記録を塗り替えたのは、ほとんど必然だったように感じた」という。
 3-3で迎えた9回二死満塁で、大谷のサヨナラ満塁弾が、ブエンテオさんの座る右中間スタンドへ飛んできた。
「前に座っていた誰かが最初にボールを捕るチャンスを逸し、それが(グラウンドに跳ね返り)レイズのシリ外野手が投げ返すことにつながった」という。
 シリがボールをスタンドに投げ入れると大混乱に陥った。
「みんなが狂乱していた。そこにボールが私達の座っていた場所付近に投げ返されると、さらにすごいことになった。その4秒か5秒の間は、本当に大混乱、狂乱、修羅場だった。(投げ込まれたボールが)私の足と息子の足の間に来たという感触を得るまで永遠の時が過ぎたようだった。すぐにボールを足と座席の真下のコンクリートで挟んで止めた」
 ブエンテオさんは、一緒にボールを捜していた義父に叫んでボールを手にしたことを伝えたという。
「はっきりとした印や傷もなく、正直言って普通のボールのようだ。でも、40号本塁打と40盗塁をドジャースタジアムで、同じ夜に見て、大谷が史上最速でドジャースとして初めてそれを達成した。私にとってとても特別なことだ。私は長間の野球ファンで、この偉業の重大さを分かっている。でもこれまで一度もファウルボールも、練習をしている選手の打球さえも、私の近くに飛んで来たことはなかった。試合のボールに触ったことは一度もなかったけれど、いつもそれを夢に見ていた。そして、私の元にすべての野球のボールの頂点のものがやってきた。信じられないことだ」

 しかし、問題は、この後に起きる。
 彼らは、球場を去る前、警備スタッフに呼び止められ「それが記録を作ったボールとして認証できるようになるまで待つように」要請されたという。しかし、その警備員が戻ってくることはなく、ブエンテオさんが、他の警備員に「どうすればいいのか?」と尋ねたところ、彼らは何も知らされておらず「ドジャースはそのボールに興味がない」と回答されたという。
 オークションで高額な値段で取り引きされる記念球を巡っては、時には裁判沙汰になるほどトラブルが絶えず、大谷が4月に移籍第1号を放った際にも問題が発生していた。ゲットした女性を警備員が高圧的に取り囲んで別室へ誘導し、大谷との対面もないまま「返還に応じない場合は公式認証はしない」などと脅して、サイン入りの帽子やバットとの交換を要求。強引に大谷の手元へ戻したことで大問題となった。のちにドジャースが謝罪し、この女性の家族らをVIP席に招待して、大谷が対面して感謝を伝え、さらに様々なグッズをプレゼントして和解している。
 ブエンテオさんは、「次のステップとしてボールの正式な認証を得たいが、長い目で見てこのボールをどうするかは分からないという」と言う。
 球団の認証がなければ記念球の価値は下がる。また大谷が移籍第1号のように手元に戻ってくることを希望する可能性もあるだろう。今後の展開に注目が集まる。

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