大谷翔平「楽な試合なかった」でも「楽しかった」…前回苦しんだ変則左腕に、ロバーツ監督の読み通りの「適応」

 【ロサンゼルス=帯津智昭】米大リーグは20日、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)の第6戦でドジャースがメッツを10―5で破って通算4勝2敗とし、ヤンキースと対戦するワールドシリーズ(WS)進出を決めた。1番指名打者で出場した大谷は一回に中前打、六回にも適時打を放って勝利に貢献した。WSは25日にドジャースの本拠地で開幕する。

1回無死、大谷が安打を放つ=片岡航希撮影

 リーグ制覇が決まると、大谷はチームメートとタッチを交わしながら笑顔でマウンド付近に出来た歓喜の輪に加わった。

 「楽な試合がなかった」と振り返った今シリーズ。この日も一回にいきなり1点を先制された。しかし、スタジアムに漂う嫌な雰囲気を振り払ったのは大谷だった。その裏、先頭で中前打を放つと空気が変わった。

 メッツ先発のマナエアはサイドスロー気味の変則左腕。第2戦では3打数無安打と苦しんだ。ただ、ロバーツ監督が「ショウヘイは適応するだろう」とみていた通り、今回は外角のツーシームに腕を伸ばして食らいついた。後続の安打で三塁まで進むと、エドマンの左翼線二塁打で同点のホームを踏んだ。六回も、中前適時打で勝利への流れをぐっと引き寄せた。

 メジャー7年目で初となるプレーオフだが、緊張感あふれる戦いを「楽しかった」と大谷は言う。ワールドシリーズに王手をかけた大一番の前にもベンチで笑顔をはじけさせていた。「素晴らしいチーム、素晴らしい選手ばかり」というヤンキースにも、そんな強い精神力と楽しむ心で立ち向かっていく。(帯津智昭)

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