巨人の主力へ期待し先発起用続ける浅野、積極的な守備が裏目・ゴロ後逸し同点…阿部監督「糧にしろ」

 広島5―4巨人(セ・リーグ=21日)――広島が逆転勝ちで連敗を4で止めた。3点を追う八回、秋山、小園の適時打と敵失で同点とし、末包が勝ち越し打。巨人は終盤粘れず、連勝は4でストップ。

8回2死2、3塁、小園の打球を後逸する浅野(21日)=東直哉撮影

 空振り三振で最後の打者になった巨人の浅野は、打席で膝をついたまましばらく立ち上がれなかった。うつむいてベンチへ下がり、仲間に出迎えられたものの、椅子に座ると頭からタオルをかぶって下を向いた。悔しさの理由は、打席の結果だけではない。

 3点リードで迎えた八回の守りだった。二死から1点を返され、なおも二、三塁。小園のゴロが一、二塁間を抜け、右翼手の浅野が猛チャージをかけた。ところが、この打球を後逸してしまう。ボールが転々とする間に二塁走者も生還。ピンチは続き、末包に勝ち越し打を打たれて一気に逆転を許した。

 打てなくても、ミスをしても、阿部監督は8月から19歳の浅野を右翼の先発で起用してきた。「最後までいくんだ。我慢して」。岡本和や吉川に続く次世代の生え抜きレギュラーが出てきていない。重圧のかかる優勝争いを経験し、巨人を背負う主力に育ってほしいとの願いがある。

 この日も試合前の練習で監督自らトスを上げ、フリー打撃中にマウンド後方から身ぶり手ぶりで助言していた。失策は2試合連続で、五回には目測を誤って飛球を捕れなかった。それでも交代させず、「積極的なミスだったら仕方ない。糧にしてやってもらうしかない」と責めなかった。

 浅野は試合後、目を腫らして「二度と同じミスをしないように、しっかり守備をしていきたい。切り替えて迷惑をかけないようにやっていきたい」と言葉を絞り出した。22日からは2位阪神との直接対決だ。成長につながる戦いは続く。(福井浩介)

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