どよめくローンデポ・パーク、大谷翔平「すごく好きな球場の一つになったんじゃないかな」

 【マイアミ(米フロリダ州)=帯津智昭】米大リーグの歴史に輝く偉業を、思い出の地で成し遂げた。ドジャース大谷翔平選手(30)が19日(日本時間20日)、前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成。くしくも球場は昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本代表「侍ジャパン」の一員として世界一に輝いた「ローンデポ・パーク」。投打二刀流で大会最優秀選手に選ばれ、世界を驚かせた地が再び歓喜に沸いた。

7回に今季50号となる2ランを放ち、ベンチ前で仲間と喜ぶ大谷選手(右から2人目)(19日、米マイアミで)=片岡航希撮影

 「50―50」まで、あと2本塁打、1盗塁という状況で迎えた試合だった。初回、節目の50盗塁をいきなり達成した。右中間フェンス直撃の二塁打で出て一死一、二塁となった場面。4番打者の初球にスタートを切った。タイミングは微妙だったが、スピードに乗ったスライディングで間一髪、セーフに。大谷選手は手をたたいて喜び、ベンチに向かって笑顔で右手親指を立てた。

 50号は、七回に飛び出した。二死三塁の場面で、右投手の変化球をとらえると、ライナー性の打球が左翼席へ。どよめきに包まれる中、ゆっくりとダイヤモンドを1周した大谷選手は、ベンチの前でロバーツ監督や選手たちと抱き合い、喜びを分かち合った。大記録の達成の瞬間を目の当たりにしたファンの歓声は鳴りやまず、大谷選手はベンチを出て手を振って応えた。

 「ホームランは狙ったら出ないものだと思うので、本当に自分のいい打席を積み重ねていくのが一番の近道とは思っていた」と言うが、大記録がかかった試合で自身初の1試合3本塁打を打ってみせた。

 「一生忘れないと思う。いろいろプレーしてきた球場の中で、すごく好きな球場の一つになったんじゃないかな」と大谷選手。WBCに続き、歴史的な一日となった。

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