ロッテ・藤田和樹、フェニックスで本塁打、4安打も「もうちょっと率も欲しかったですし、ホームランも2、3本打たないといけなかった」来季は「二軍でしっかり1年間フルで出るのが目標」
「一番に思いつくのは悔しいことが多かった1年間だったと思います」。
ロッテの育成ルーキー・藤田和樹は、今年1年をこのように総括し、「どんだけ自分の中で試行錯誤して練習しても、結果が出ないというところがやっぱり悔しかったですね」と唇を噛んだ。
開幕直後は、3月22日のヤクルトの二軍戦、レフトの守備から途中出場し9-2の8回二死一、二塁の第1打席、沼田翔平が1ボールから投じた2球目のインコース低めの111キロカーブをライト前に弾き返しプロ初安打。『9番・右翼』でプロ初スタメン出場となった3月31日の日本ハム二軍戦では、0-5の5回一死走者なしの第2打席、「ストレートが速いピッチャー。高校からも知っていた方なので、ストレートを意識して打席に立ったら、なんとかバットにあたってくれたという感じですね」と、柳川大晟が1ボール2ストライクから投じた5球目のアウトコース155キロの難しいストレートを逆らわずにレフト前に放つなど、好スタートを切った。
試合前の打撃練習では「今までの打撃練習は遠くに飛ばそうと思っていて、体が開いていた。そういう部分を堀さん、栗原さんに“もっとセンターから左中間をめがけて打ったら、体も開かずにどんな球も対応できるよ”と言われて、実践してみたらバッティング練習の質、試合でのボールの見え方も変わってきた。そういうところが良かったと思います」と、堀幸一打撃コーチ、栗原健太打撃コーチから“反対方向”への意識を教わったことがプラスに働いた。
出場機会は少ないながらも、4月終了時点で打率.273(11-3)、7月も月間打率.364(11-4)と打ったが、スタメン出場が増えた8月以降は打率.170(53-9)と落ち込んだ。
試行錯誤して結果が出ず悔しかったと話していたのは、夏場以降にヒットが出なかったところか問うと、「そうですね」と返答。具体的に試行錯誤していた部分について「下半身の使い方を一番に試していましたし、バットが体から離れない。バットを内から出すことを意識してやっていました。春先打ててたのはたまたまのヒットが多かったというか、そこでしっかり強い打球を弾き返すために、栗原さんと一緒に試して試して毎日やっていましたね」と説明した。
シーズン終了後に行われたみやざきフェニックスリーグでは、10月10日の斗山戦で本塁打を含む2安打、10月27日の阪神戦では4安打をマークするなど、フェニックス・リーグで打てたことは来年に繋がっていきそうなのかーー。
「フェニックスはピッチャーのレベルもシーズンと比べると落ちますし、そこではしっかり打っていないといけないという感じだったので自分の中では。もうちょっと率も欲しかったですし、ホームランも2、3本打たないといけなかったのかなと思ったので、自分の中では良くなかった。もっと高いレベルでやっていけるようにやっていきます」と厳しい自己評価だった。
11月7日から最終日となった12日までZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習に参加したが、打撃練習ではチームでバットの内側から出してセンターから反対方向の意識で行っていた。
「意識してたことが最近になってできていますし、一軍の選手を見ると高いレベルでそこができているので、見習わないといけないなというところです」。
一軍組の練習に参加して、一軍選手との違いを肌に感じた。これを栗原健太打撃コーチに伝えると、「いい選手のバッティングを見るのは大事なことだと思うので、何が自分と違うんだろうなというのを見て感じて、それで活かして練習していくことは大事なことだと思います。彼自身感じたものがあると思うので、しっかり自分の練習に繋げて欲しいなと思います」と話した。
◆ 体づくり
体づくりに関しては2月2日の取材で、「体の大きさを大きくするというのもそうですし、中身の部分もしっかり鍛えていきたい。今82キロなので90キロぐらいは欲しいかなと思っています」と話し、4月3日の取材時点では「ウエイトトレーニングもそうですし、管理栄養士さんの指導を受けながら食事もしているので、そういう部分ではしっかりできているのかなと思います」と1ヶ月半で体重は5キロアップの87キロ。
そして、シーズン終了後の11月8日の取材時点では体重は91キロと目標にしていた90キロをクリアした。体を大きくしたことでのバッティングの影響については「飛距離も出ていますし、強い打球も以前より打てていると思うので、良い方向に出ていると思います」とニッコリ。
目標にしていた体重をクリアし、これからさらに体を大きくしていく考えもあるのだろうかーー。
「将来的には体重増やして、筋肉量を増やしてやっていきたいですけど、今はちょっとまだ増やしすぎると怪我のリスクもありますし、徐々にという感じですね」。
◆ プロ2年目の来季に向け
シーズンオフは「守備もバッティングも今季やってきたことをしっかりやって、新しい意見を取り入れるいい時期、機会だと思うので、いろんなことを周りの人に聞きながら、成長していけたらなと思います」と明かした。
プロ2年目の来季に向けては、「二軍でしっかり1年間フルで出るというところを目標にして、今年バッティングでいえば率は不甲斐ない打率だったので、もっと3割近く、3割を超えられるように頑張りたいと思います」と決意を述べた。
▼ 藤田和樹の今季成績
二軍:39試 率.209 本0 点7
取材・文=岩下雄太
11/22 08:47
ベースボールキング