7年前の雪辱は…DeNAを待ち受ける史上最大「20ゲーム差」の高すぎるハードル
セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)が終了し、2024年日本シリーズの対戦カードが決まった。
パ・リーグは公式戦を独走し、CSファイナルステージでも日本ハムを寄せ付けなかったソフトバンクが順当に進出。その一方で、セ・リーグは4年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人がまさかの敗北を喫し、3位から勝ち上がったDeNAがCS突破を決めた。
下克上を完遂後の場内インタビューで、日本シリーズに向けての意気込みを聞かれたのはDeNAを率いる三浦大輔監督だ。
「まだ今はそこまで考えられないですけどね。また頑張っていきます」
巨人との激闘を制した直後とあって、三浦監督は疲労困憊といった様子。当然ながら先のことなど微塵も考えていなかっただろう。ただ、早くも26日には地元・横浜スタジアムでソフトバンクとの日本シリーズが開幕する。
DeNAが最後に日本シリーズを戦ったのは7年前の2017年。その年も3位からCSを勝ち抜いて、パ・リーグ覇者のソフトバンクと対戦した。
7年前はラミレス監督の下、2勝4敗で苦杯をなめたDeNA。その時の悔しさを知る選手も少なくないだけに、今度こそとリベンジに燃えているはずだ。
ただ、ソフトバンクとDeNAの2チーム間の戦力差を案じる声は小さくない。ただでさえ、ここ10数年はパ・リーグが優位を保ってきたプロ野球界だが、今季のソフトバンクは圧倒的な強さを見せ91勝49敗3分(勝率.650)の好成績を残した。
一方のDeNAはというと、9月中旬までプレーオフ圏外の4位に甘んじていた。最後は広島の歴史的失速のアシストもあって、3位でシーズンを終えたが、今季成績は71勝69敗3分(勝率.507)と、2つの貯金をつくるのがやっとだった。
日本シリーズは最大で7試合の短期決戦だけに何があってもおかしくないが、スター選手ぞろいで層の厚いソフトバンクの優位は変わらないだろう。
ちなみに40個の貯金をつくったソフトバンクとDeNAの公式戦での“ゲーム差”は20。これは日本シリーズ史上最も大きい数字である。
【日本シリーズ対戦チーム間のゲーム差ランキング】
1位 2024年 20.0 ソフトバンク vs. DeNA(new)
2位 2017年 18.5 ソフトバンク vs. DeNA
3位 2015年 15.0 ソフトバンク vs. ヤクルト
4位 2012年 14.0 巨人 vs. 日本ハム
5位 1953年 13.5 巨人 vs. 南海
6位 2011年 13.0 ソフトバンク vs. 中日
7位 1992年 12.5 西武 vs. ヤクルト
8位 1983年 12.0 西武 vs. 巨人
9位 1971年 11.5 阪急 vs. 巨人
9位 1989年 11.5 巨人 vs. 近鉄
これまでの最大記録は、7年前のソフトバンクとDeNAで、両者の間には18.5ゲームの差があった。ランキング上位には2000年以降のシリーズが目立つが、1つの例外を除いて公式戦の勝率で上回っていたチームがそのまま日本一に輝いている。
この中で唯一、“下克上”を遂げたのは9位タイに入った1971年の巨人。この年は阪急が80勝39敗11分、巨人が70勝52敗8分で、阪急が11.5ゲーム上回っていた。ところが日本シリーズでは巨人が阪急を4勝1敗で圧倒した。
7年前の雪辱に燃えるDeNAだが、戦力的にも歴史的にも、ソフトバンクを打ち負かすハードルは極めて高いといえそうだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)
10/22 17:30
ベースボールキング