ロッテ・藤原恭大、追い込まれてから逆方向を意識 8月16日の鷹戦でインコースをライト前に安打も「ファウルでも良かった」と話したワケ


 「内容と結果が一致しているので、そこは良いなと思います」。

 ロッテの藤原恭大は故障で出遅れたものの、6月28日に今季初昇格を果たすと、現在52試合・176打席に立って打率.298、21個の四球を選び、出塁率は.389をマークする。

 好不調の波を小さくするために、「毎日体もバッティングの状態も違うので、なるべく状態が良い時に戻せるようなルーテインであったり、体幹、体づくりを意識しています」と7月31日の取材で話していたが、7月の月間打率.322、8月の月間打率.280と3割近いアベレージを記録した。

 試合前の練習でのルーティン以外で、好不調の波を小さくするために試合の中の打席でも、意識していること、立ち返る原点みたいなものはできたのだろうかーー。

 「毎日一緒のことをやることで、良いところ、悪いところも出てくるので、そこをプラスアルファでやっています」。

 ここ最近は早いカウントの時に、投手によってタイミングの取り方を変えている。昨季も同じように投手によってタイミングの取り方を変えており、昨年取材した時には「ピッチャーが良いので、そこは難しいので工夫しながらですね」と話していたが、今年に関しては「調子の良い時、悪い時によって変えていますね。すり足はしていないので、そこは違うと思います」とのことだ。

◆ 追い込まれてからの打撃

 今季の藤原打撃の特徴のひとつとして追い込まれてからのバッティングだ。2ストライクとなってからはノーステップ打法で打ち、逆方向を強く意識する。

 0ボール2ストライクの打率が.263、1ボール2ストライクの打率が.250、2ボール2ストライクの打率は.367、3ボール2ストライクの打率が.167と、2ストライク後の打率は.280とかなり高い。2ストライク後に26安打しているが、そのうち13安打がセンターから左に放ったもの。

 反対方向だけでなく、8月16日のソフトバンク戦、0-0の初回一死走者なしの第1打席、有原航平が1ボール2ストライクから投じたインコースのカットボールをライト前に安打。追い込まれた時は逆方向を意識するも、インコースのボールに対ししっかり引っ張っての安打だった。

 藤原本人はこの安打に「良かったんですけど、やっぱりインコースを意識しすぎると崩れてしまう。最高の形はヒットかもしれないですけど、後のカードに続くならファウルで十分でも良かったかなと思います」と振り返る。

 もう少し、その理由について詳しく聞いてみると、「(体を)閉じてライト前なら良かったですけど、ちょっと(体が)開き気味で打ったので、やっぱり1試合だけじゃないのでプロ野球は。伏線であったり、次の試合の配球をやってくる。シーズン通して活躍できるようなフォームを頑張って作っていきたいと思います」と説明した。

 8月16日のソフトバンク戦の第1打席に追い込まれてからインコースのカットボールをライト前に放った後、続く打席で二塁打を放ったが、その後7打席連続で安打なし。8月18日のソフトバンク戦の第2打席で内野安打を放ったが、そこから14打席安打がなかった。

 現在は「最近はあんまり良くなかったですけど、また調子が上がってきているので、ここからもっともっと頑張っていきたいと思います」と、自身の中では復調の気配を感じ取っている。残りは22試合とゲーム数が少なく、その中でも藤原には最後まで好不調の波を小さく過ごし、さらなる高みを目指してもらいたい。「引き続きやることは変わらず、いきなり結果も出ないと思うのでやることを一緒に、そこに結果がついてくればいいなと思います」。

取材・文=岩下雄太

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