【DeNA】これぞ“絶対的エース"!重圧を跳ね除けた東克樹「僅差のゲームを勝ち切れたっていうことは、非常に大きな価値がある」


◆ 3位・阪神に1.5差と接近

 絶対的エース左腕は、不運にも、味方のエラーにも、そして虎打線にも負けなかった。

 3位・阪神との直接対決。負けられない一戦のマウンドを託された東克樹は、簡単に2アウトを取ったあと、森下翔太のセンターフライを蝦名達夫が薄暮の空のイタズラで捕球できずセカンドまで進塁されてしまうと、続く大山悠輔にライトへ運ばれ与えたくなかった先取点を献上。だがそこからエースらしく立て直すと、3回に蝦名とタイラー・オースティンの2本の二塁打で逆転と援護をもらう。勝利投手の権利まであと1死の場面でも、ショートの林琢真がエラーで俊足の中野拓夢を出塁させるも、嫌な森下を打ち取り味方のミスをカバーした。

 しかし6回に井上広大にプロ入り初ホームランを許し同点にされてしまうも、その裏すぐにオースティンがライトスタンドにソロを運び勝ち越しに成功。7回は一打逆転のピンチを迎えるも、最後は森下をスライダーでセンターフライに打ち取り、派手なガッツポーズでスタンドを沸かせた。その後はJB・ウェンデルケンと森原康平がしっかりと抑え、3-2で勝利を飾った。

 東は試合を振り返って「チームとして全員で戦っていくということを再認識した上でのこの三連戦だったので、本当にまず昨日勝つことができて、その勢いのまま僅差のゲームを勝ち切れたっていうことは、非常に大きな価値がある」とし「本当にこの三連戦がチームにとっての天王山というぐらいの覚悟を持って試合に臨んでいるので、与えられた役割で仕事を果たすことができたかなと思います」と自らの働きにホッとした表情を見せていた。

 三浦監督は東克樹の初回に「薄暮やちょっと不運もあった中で先制されて。本人もだいぶね、マウンドで悔しがってましたしね、そのあと1点でしのげたというのは、しっかり切り替えて次の打者に向かっていけたからだと思います」と高評価。続けて「もう本当に粘り強くね、丁寧に丁寧にテンポよく投げてましたけど、多分本人は神経使いながら一球一球投げたと思います。ヒット打たれることもある中で、ランナー出してもしっかりと自分のやるべきこと、バッテリーでやるべきことがしっかりできてるからこそ投げきれた」とHQS達成の一因を挙げた。

 負ければAクラスが遠のく戦いに勝利した三浦ベイスターズ。エースの力投を、あすのゲームにつなげていく。


取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘

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