好機にタッチアップせず…岡田監督もがっかりの走塁に大矢氏「あの当たりだったらスタート切るべき」


◆ タッチアップの判断に議論

 阪神が延長戦を制し日本ハムに勝利。両軍合わせて14人のピッチャーを注ぎ込んだ総力戦は、2-1で阪神がうっちゃり勝ちを収めた。

 この日は阪神先発・村上頌樹と日本ハム先発・細野晴希の両投手が持ち味を発揮し、前半から締まったゲームとなった。膠着状態から試合が動いたのはスコアレスで進んだ5回裏の阪神の攻撃、前川右京の四球を皮切りに、森下翔太のヒットなどで無死一・三塁の先制のチャンスを迎え、梅野隆太郎セーフティスクイズを敢行。しかしこれはピッチャー正面に転がり三塁ランナーはホーム手前でタッチアウトで一死一・二塁の状況に変わったが、続く小幡竜平が四球を選び一死満塁と再び好機到来した。

 すると岡田監督はここまで無失点ピッチングの村上に代え、代打で原口文仁を指名。新庄監督も宮西尚生を投入すると、原口は6球目のスライダーを叩き打球はライトのファールフライとなり、万波中正がフェンスに身体をぶつけながらもキャッチ。三塁ランナーの森下はスタートを自重し、アウトカウントだけが加算されることとなった。

 この走塁に対し、18日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた五十嵐亮太氏は「このフライは セーフティースクイズの後になるんですよね。あそこで点取れなかったっていうところで、やっぱ失敗しちゃいけないっていうところでの、この躊躇ですよね。 なんかそういったいろんなメンタル的な部分も、このスタートを切らせない、邪魔させたのかなっていう風には思います」と梅野のスクイズ失敗が響いていると分析。また「万波の肩が強いので、これでアウトになったらなっていう思いもどっかにあったんじゃないのかなと思いますね」と推測した。

 もうひとりの解説者の大矢明彦氏は「僕は守備の体勢とか、それから風がどう流れてるか、外の球場なのであるんで、そういうのをやっぱり計算して、あそこまでフェンス際に行ったら、僕はあの当たりだったらスタート切るべきだと思う」と様々な要因を加味したうえで自重するべきではなかったと言い切った。

 またMCを務めた高木豊氏は「体勢もフェンスが気になってキャッチしてる。森下に注目が集まるけども、ああいう(ランナーが)判断できない時ってサードコーチャーなんですよ。サードコーチャーが言う時間はね、十分あったんですよ。もう一緒に走るぐらいのつもりで、引っ張っていくくらいのつもりでスタート切らさないと」と藤本敦士コーチにも苦言を呈した。

 この場面で苦虫を噛み潰すような表情が画面に映し出されていた岡田監督。勝つには勝ったが、この日の戦いが理想の野球ではないことは明白だ。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』

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