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ラミレスが語るDeNAの昨シーズン「交流戦があればAクラスに入れていたかも」

アレックス・ラミレス
DeNA監督の5年間とこれから 前編

 2016年シーズンからの5年間、横浜DeNAベイスターズの監督を務めたアレックス・ラミレス氏。それまでリーグの下位に沈むことが多かったチームを3度のAクラス入りに導き、2017年にはリーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がって日本シリーズ出場も果たした。

 しかし監督生活の締めくくりとなった昨シーズンは、Aクラスにわずかに届かず4位。悔しさが残る結果になった1年を、あらためてラミレス氏が振り返った。


2016年から5シーズン、DeNAの監督を務めたラミレス氏

──5年間の監督生活、お疲れ様でした。まずは監督のラストイヤーになった2020年シーズンの戦いについて伺えたらと思います。

「ありがとうございます! 何でも聞いてください」

──新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、日程がタイトになるなど厳しいシーズンでしたが、開幕前のチーム状態はいかがでしたか?

「春季キャンプの時点では、5年目にして勝つために必要な戦力が揃い、最高なシーズンが迎えられる手応えを感じていました。特に打線は、2019年シーズンまで4番を担っていた筒香嘉智レイズ)が抜けましたが、佐野(恵太)と新加入の(タイラー・)オースティンが合わせて50本くらいホームランを打ってくれると見込んでいて、十分にその穴を埋めてくれると思っていました。

 結果は、新たに4番に座った佐野はシーズンを通して活躍した一方で、オースティンがシーズン前半にケガで離脱したことが痛かったです。(ホセ・)ロペスの不調も重なって、計算が狂ってしまいました。さらに捕手についても伊藤(光)の調子がなかなか上がらず、戸柱(恭孝)などが頑張ってくれたものの、起用に苦しみましたね」

──投手陣についても、エースの今永昇太投手が左肩痛で離脱し、先発陣で2桁勝利を挙げたのが大貫晋一投手のみ(10勝6敗)と苦しんだ印象があります。

「先発陣もですが、何よりクローザーの山崎(康晃)の不調が大きかったと思います。私は昨シーズンから、『リードしている試合を、どう勝ち切るか』を重視してきました。終盤での逆転負けを喫すると、勢いを取り戻すまでに2、3試合くらいかかるからです。そういった点で、昨シーズンの後半は新守護神の三嶋(一輝)やリリーフ陣も安定したものの、修正に時間がかかってしまった感は否めません」

──開幕が遅れたことや、日程がタイトになったことなども影響がありましたか?

「確かに、13連戦のあとに1日休んで6連戦など、日程は厳しかったですね。ただ、条件はどのチームも一緒ですから、プロとしてそこを言い訳にしてはいけないと思います」

──交流戦がなかったことについてはいかがですか?

「もちろん状況的に難しかったことはわかっています。 それでも"フィフティ・フィフティ"でやりたい気持ちはありましたね。監督就任後、交流戦では常に『勝率5割』を目標にしてきました。毎年のようにセ・リーグの上位チームが交流戦で苦戦し、順位を落とす傾向が強かったので、後半戦に向けてジャンプアップできる好機と想定していたんです。

 昨年は巨人の菅野智之投手が13勝1敗とすばらしい成績を残しましたが、例年の交流戦での成績は5割くらい。そこで菅野投手の勢いが削がれ、負けた試合からセ・リーグの各球団が分析することもできたでしょうから、もっと対抗できたかもしれませんね」

──DeNAは2019年の交流戦で4位(10勝7敗1分)でしたが、得意意識があったんですか?

「ある程度自信はありました。これまでの戦いから、パ・リーグの打者は左投手に弱いという印象があります。DeNAには力がある左投手が多いですから、5人くらい左の先発投手をつぎ込むという戦いも有効だったかもしれません。交流戦が行なわれていたらAクラスに入れていたかも......とも思いますが、それは"たられば"の話で、先ほど話した言い訳になってしまいますからこれくらいにしておきましょう」

──日本シリーズでソフトバンクが巨人に4連勝したことで、「セ・リーグはパ・リーグにどうしたら勝てるか」という議論が熱を帯びています。監督退任後に開設した公式YouTubeチャンネル『ラミちゃんねる』での日本シリーズ予想で、巨人のスタメンにゼラス・ウィーラー選手を5番DHに入れていましたが、そこにラミレスさんなりのソフトバンク、パ・リーグ球団との戦い方のヒントがあるのでしょうか。

「ソフトバンクの打線には弱点がありません。それに打ち勝つとしたら、捕手の甲斐(拓也)選手の配球をもっとも知っていて、速いストレートに強いイメージがあるウィーラー選手を5番で起用するべきだと考えたんです。彼がうしろに控えていたら、4番の岡本(和真)選手に対する相手投手陣にもプレッシャーになったのではないかと。結果的に、巨人の日本シリーズ全4得点のうち、ウィーラー選手が3打点を叩き出しましたね。

 5番をウィーラー選手にすることで、丸(佳浩)選手を2番で起用できることも利点だと考えていました。私はかねてから主張していますが、今の野球は1番から5番の打順で勝負を決めることが主流のスタイルになっています。対パ・リーグとの戦いだけではなく、今後はそのスタイルの野球でチーム力を高めていく必要があると思います」

──実際にラミレスさんは、DeNAの監督時代にネフタリ・ソト選手を2番で起用するなど、早くから「2番強打者論」を強烈に打ち出していました。インタビューの後編では、そういった5年間でのチーム作りや采配について話を聞かせてください。

「OK! 引き続きよろしくお願いします」

(後編につづく)

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